~ CO2を原料とした炭酸カルシウムを高比率で配合した建材を商用化 ~
株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:山崎敦義、以下TBM)は、製品にCO2を固定化するカーボンリサイクル技術を活用した床材が、東京都が主催するアジア最大のイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2026」におけるステージ床材として採用されたことをお知らせいたします。TBMは、グローバルな成長が期待されるスタートアップとして東京都の「SusHi Tech Global Startups」に採択されています。
背景
世界中で気候変動対策が急務となり、あらゆる産業において原料の調達から使用後のリサイクル・廃棄までのサプライチェーン全体での脱炭素化が喫緊の経営課題となっています。なかでも都市が環境に与える影響は極めて大きく、世界のエネルギー由来のCO2排出量のうち、建設部門(建物の運用および建設)が占める割合は約37%に達すると報告されています*1。これまで建築業界における脱炭素化は、建物の運用段階における省エネ(オペレーショナル・カーボン)に主眼が置かれてきました。 しかし、建物の高断熱化や設備の高効率化が進むにつれ、建材の原材料調達から製造、施工、解体・リサイクル・廃棄に至るプロセスで排出されるエンボディド・カーボンの割合が相対的に高まっており、その削減が世界的な課題として浮上しています。
 こうした潮流を受け、EUでは2024年に「建物のエネルギー性能指令(EPBD)」が改正され、2030年からすべての新築建物を対象に、ライフサイクル全体での地球温暖化係数(GWP)の算定・開示が義務付けられるなど、建材を含む建物全体の排出削減に向けた規制強化が進んでいます*2。日本国内においても国土交通省は2028年度を目途に、一定規模以上の建築物に対し、建設から解体までの全工程におけるCO2排出量(LCCO2)の算定および報告の義務化に向けた制度設計を進めています*3。
*1 UNEP(国連環境計画):2022 Global Status Report for Buildings and Construction
*2 欧州委員会(European Commission):Energy Performance of Buildings Directive
*3 国土交通省:脱炭素社会の実現に向けた建築物の省エネ施策の今後の進め方(ロードマップ)
 
■ 本件の概要
今回、アジア最大のイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2026」で採用された床材は、本来は大気へ放出されるはずであった工場等の排ガスに含まれるCO2を化学合成によって炭酸カルシウムとして固定したCCU炭酸カルシウムを*1、製品全体の約75%(重量比)含んでいます。このCO2を固定化した床材を使用することで、従来の塩化ビニル(塩ビ)製の床材を使用した場合に比べて、エンボディド・カーボンの削減に貢献します。
また、従来の塩ビ床材と比較して優れた耐久性を備え、さらに接着剤を使用しないクリック式の施工法により工期を短縮するなど、環境性能のみならず、機能性と実用性を両立しています。
本製品は、イベント会場内の「SusHi Tech Global Stage」の床材として使用されています。TBMは今後も、法規制への対応が求められる住宅・建設分野において、都市の脱炭素化に貢献する床材並びに多様なグリーン建材の開発・普及を推進してまいります。
*1 CCU : Carbon Capture and Utilization(CO2の回収・再利用)
 
■ 本床材の特徴
・CO2を固定化した床材を使用することでエンボディド・カーボンの削減が可能に
本来排ガスとして大気へ放出されるはずであったCO2を原料として化学合成した炭酸カルシウムが、重量比75%の割合で高充填されているため、この床材を使用することで、従来の塩ビ製床材に比べ、エンボディド・カーボンの削減に繋がります。製品1 m²あたり、排ガス由来のCO2を約3 kg固定しており、20畳の広さで約100 kgのCO2が固定されます。
 
・高い剛性と優れた寸法安定性と耐久性
無機物であるCCU炭酸カルシウムを高充填することで剛性を高めています。これにより、従来の塩ビ床材であるLVT(Luxury Vinyl Tile)と比較して温度変化による伸縮が抑えられ、優れた寸法安定性を発揮するほか、重量物に対する凹みや水や湿気への高い耐性を備えています。
 
・スピード施工による工期・コストの削減
サネをはめ込むだけの接着剤が不要なクリック施工により施工効率が向上します。既存の床への重ね張りにも対応し、リフォームや原状回復が必要なテナントでの活用が可能です。工期短縮により、人件費を含む施工費の低減に貢献します。
 
・高い意匠性と表面加工による機能性向上
EIR(同調エンボス)技術を採用しており、木目や石目のリアルな質感が再現されています。また、表面はUVコーティング処理されているため、傷や汚れが付きにくく、防水性や耐水性にも優れており、日々のメンテナンスが容易です。
 
本床材について詳細はこちら:https://tb-m.com/doc/Building-Material-Leaflet
 
[ご注文・お問い合わせ先]
本床材の使用や、住宅・建設分野で新たな脱炭素の取組みを検討されている設計事務所やハウスメーカー、デベロッパー、リフォーム・内装業界のご担当者様は、お問い合わせフォーム(https://tb-m.com/contact/)よりご連絡ください。
 
(関連サイト)「SusHi Tech Tokyo 2026」について:https://sushitech-startup.metro.tokyo.lg.jp/
 
■ TBMのカーボンリサイクル事業
世界の各地域で大量に排出される CO2を価値ある「資源」へと転換し、その資源を環境配慮型の原料や素材として供給、CO2排出源の隣接地に CCU(Carbon Capture and Utilization)プラントを展開し、CO2資源化の「地産地生」モデルを構築しながら、地球規模の環境・社会課題解決を図ります。TBMは、ダボス会議で政府のロードマップから約15年早めて、2024 年にカーボンリサイクル製品を上市しました。既に特許を取得し、大阪・関西万博の公式ライセンス製品で採用される他、CO2固定化技術の先進的な実用化の取組は、世界経済フォーラムのCCUに関するホワイトペーパーで紹介されています。具体的には、CO2排出量の多い事業者(火力発電所、製鉄所など)と連携して、排出事業者から排出される CO2を CCU 技術を活用して回収し、廃棄物由来のカルシウムと化学反応させ、CCU 炭酸カルシウムを生成します。CO2を再資源化したこの炭酸カルシウムは、内装材やエクステリア等、建築資材の原料として活用されます。さらに、事業サイクルが生み出す CO2削減・固定化などの「環境価値」をカーボンクレジットとして創出していきます。これにより、排出量の多い事業者は CO2排出量を削減し、素材を使用する企業はサプライチェーンにおける環境負荷低減と安定的な低炭素素材の調達を実現します。このスキームを通じて、私たちは社会全体のカーボンニュートラル達成に貢献します。
 
■ 株式会社TBM
代表者  :山崎 敦義
所在地  :東京都千代田区有楽町 1-2-2 15F
設立   :2011年8月
資本金  :1億円(資本準備金含み、120億3546万円 / 2024年12月時点)
事業内容 :環境配慮型の素材開発及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等
URL   :https://tb-m.com/
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