秋田県「県外スタートアップ実証支援事業」大館市「大館市未来技術実証支援事業」採択プロジェクト 実証実験結果報告
株式会社Rehab for JAPAN(本社:東京都、代表取締役:大久保 亮、以下「Rehab」)は、秋田県の「県外スタートアップ実証支援事業」および大館市の「大館市未来技術実証支援事業」に採択された実証実験を秋田県大館市で実施し、このたびその成果を取りまとめました。
 
本実証実験は、60歳以上の高齢者を対象に、遠隔地のトレーナーとモニター越しにコミュニケーションを取りながら実施するオンライン体操と、参加者の動作データをAIで解析して身体評価を行うツールを活用し、最適な運動プログラムを提供するものです。
実証実験の結果、参加者113名のうち約8割が満足と回答し、「TVの体操と違い、会話しながら自分に合わせて指導してくれる点が良い」「画面をみても真似できたし分かりやすかった」という回答も多く、オンラインでも対面と変わらず運動できることが確認されました。
 
本取り組みの意義と実証概要
高齢化が進む秋田県では、2025年に高齢化率が40.1%と全国最高水準に達し、フレイル予防への取り組みが急務となっています。しかし、従来の対面型「介護予防運動教室」は、提供機会や内容の面で限界があります。特に大館市では、担い手不足により介護予防事業の強化・拡充が難しい状況に加え、大雨や豪雪による交通障害、公共交通機関の減便といった移動の制約があることから、高齢者自身が介護予防教室に通うことも容易ではありません。
 
本実証実験では、こうした課題を解決するために、2025年10月~2026年1月の期間で、大館市内の高齢者(平均年齢85歳、計113名)を対象に、オンラインリハビリサービス「Rehab Studio」とAI動作分析ツール「Rehab Cloud モーションAI」を組み合わせた「ハイブリッド型介護予防教室」を、大館市に拠点を置く社会福祉法人比内ふくし会と連携して実施しました。
 
会場に集まった参加者がモニター越しにリハビリ専門職から運動指導を受ける「施設集合型オンライン」(月7回・7グループ計96名)と、自宅のタブレット端末から参加する「自宅参加型オンライン」(月2回・2グループ計17名)の2形式を実施しました。また初回・最終回にはモーションAIによる身体機能測定(片脚立位・5回立ち座り)を行い、取り組みの効果を客観的に把握しました。
 
詳しくは以下の実証開始リリースをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000027102.html
実証実験の様子
実証実験の主な成果
参加者の満足度・継続意向は高い結果に
実証終了後のアンケートでは、施設集合型オンラインで「非常に満足」「概ね満足」の合計が約8割弱、自宅参加型オンラインでは全員(100%)が肯定的な回答でした。「対面とほぼ同じで、想像より楽しかった」という回答が施設集合型・自宅参加型ともに最も多く、オンラインでも対面と変わらず運動できることが確認されました。
継続意向においても施設集合型では「ぜひ続けたい」「どちらかといえば続けたい」の合計が約9割弱、自宅参加型でも約7割が継続意向を示しています。参加者からは「笑いがあり、楽しくて、またやりたい」「1人では続けられないが、自宅から参加できると継続できる」「効果を実感しているので、続けたい」といった声が多数寄せられています。
モーションAIで身体機能の改善・成果の「見える化」
教室の前後に実施したAI身体機能測定では、5回立ち座りのスコア・秒数、片脚立位の秒数・バランス評価(FRS)のすべてで改善が見られました。参加者からも「自分の体の状態を客観的に知るきっかけになった」「普段より姿勢を意識するようになった」といった声が多く寄せられ、参加者全体の約3割が「日常生活でも体を動かす機会を増やした」と回答しており、行動変容につながっていることが確認されています。
 
導入によって解決できる課題
従来の対面型教室が抱える「参加者の移動負担や参加のハードル」「指導員不足」「事業の成果把握」といった課題に対し、ハイブリッド型介護予防教室は以下の効果をもたらします。
参加者の拡大:自宅からも参加可能にすることで、移動が難しい高齢者や免許返納後の住民にもリーチ
開催頻度の向上:オンラインを活用した提供体制により、少ない専門職で効率的に高齢者への関与拡大が可能
コスト抑制:トレーナーの移動コストを削減、複数教室同時接続等によりコストを抑制しながら介護予防サービスの量的拡大を実現
成果の定量的把握:モーションAIを活用した身体機能の事前・事後評価により、事業の有効性を客観的なデータで評価
 
大館市長のコメント
大館市長 石田 健佑
高齢化率40%を超える大館市は、高齢化の先進地であり、今後あらゆる地域、多くの国々が直面していく課題の最前線にあります。少子化による医療・介護人材不足という課題と、高齢化に伴う健康寿命の延伸、医療費・介護費の抑制という課題。
 
この二つの課題に対し、Rehab for JAPANは、予防の観点から両輪で解決策を生み出せる可能性を持つ存在です。リハビリ専門職の新しい働き方を生み出している点も含め、地域に新たな価値をもたらす取り組みであると感じています。
 
医療保険や介護保険など、状態が悪化した後を支える制度は整備されてきましたが、一方で、予防や未然に防ぐことへの意識は、まだ十分とは言えないのが現実です。
フレイル予防による健康寿命の延伸や、医療費・介護費の削減効果を数値で示すことができれば、予防分野への保険適用を含む新たなモデルを国に提言していける可能性があると考えています。
 
今後は、ヘルスケア特区(仮称)のような枠組みも将来的な可能性として視野に入れながら、予防を意識するインセンティブづくりも含めた実証を重ね、高齢者が健康で長生きできる社会と、持続可能な医療・介護体制の実現を目指していきたいと思います。
市としては、予算面に限らず、行政として取り得るあらゆる方法で、同じ未来を目指すRehab for JAPANと伴走し、引き続き少子高齢化時代だからこそ実現できる「大館モデル」をつくり上げていきたいと思います。
 
今後の展望
実証実験中には大館市内の介護事業所向けに説明・見学会を実施し、既に6事業所に導入いただきました。本実証実験の導入事例・成果データをもとに、大館市および秋田県内の他自治体での社会実装を引き続き推進するとともに、全国の自治体においても同モデルの展開を加速してまいります。
 
 
Rehab Studioとは?
リハビリ専門職とオンラインで会話しながら取り組む集団リハビリ・体操を通して、身体機能やQOLの改善・介護予防を支援する保険外サービスです。
介護事業所を中心に累計約5,000名以上の高齢者に対して提供しています。
モーションAIとは?
高齢者の片脚立位、立ち座りテストを撮影した動画データをAIが解析し、高齢者の身体機能を客観評価できるツール。下肢筋力やバランス能力の評価から転倒リスクを予測します。RehabCloudは、累計3,527事業所に導入されています。(2025年9月時点)
 
株式会社Rehab for JAPANについて
当社は「介護に関わるすべての人に夢と感動を」をビジョンとし、より多くの高齢者が健康的に長生きすることで幸せに長く暮らせる世界(健康寿命の延伸)に向けて、「エビデンスに基づいた科学的介護」の実現を目指すスタートアップ企業です。介護現場のリアルデータを収集し、高齢者が元気になることを科学していきます。
・称号 :株式会社Rehab for JAPAN(リハブフォージャパン)
・創立 :2016年6月10日
・代表者:大久保亮
・所在地:東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング 5F
・事業内容:
科学的介護ソフト「Rehab Cloud」の企画・開発・提供
オンラインリハビリサービス「Rehab Studio」の企画・開発・提供
AI等を用いた介護関連テクノロジーの研究開発
・URL
 ▷コーポレートサイト  :https://rehabforjapan.com/
 ▷Rehab Cloud  :https://rehab.cloud/
 ▷Rehab Cloud モーションAI  :https://rehab.cloud/service/motionai/
 ▷Rehab Studio :https://rehabstudio.online/