画像生成モデルを前処理層に組み込み、補助線・寸法標注・ハッチング等を除去した純粋形状の自動抽出に対応しました。曲面製品を含む複雑図面から高精度の図面作成を達成しました。
株式会社renue(本社:東京都港区、代表:山本悠介)は、2D図面から3Dモデルを自律生成するWebアプリケーション「Drawing Agent」に、OpenAIの画像生成モデル「gpt-image-2」を活用した新機能「図面クリーンアップ」を追加しました。補助線・寸法標注・ハッチング・引出線等のノイズを一括除去し、純粋な外形輪郭と材質境界線のみを抽出します。
エグゼクティブサマリー
今回追加した「図面クリーンアップ」は、OpenAIの画像生成モデル「gpt-image-2」を活用し、図面読取の前段でノイズ要素を除去する新機能です。
 
入力図面から補助線・寸法標注・ハッチング・引出線・断面ラベル・タイトルブロックを除去し、純粋形状のみを抽出します。これまで手動補正に頼っていた工程を自動化します。
 
検証では、曲面や複合形状を含む複雑な図面でも形状抽出が成立することを確認しています。製造業の試作図面、建設業の部品図、意匠図など、記号密度の高い領域への適用を順次進めます。既存顧客の運用環境にも段階的に展開し、実運用で得られた知見をフィルタ精度の改善に反映する計画です。
https://www.youtube.com/watch?v=f-cfdHus6Do
renueの図面SaaS「Drawing Agent」とは
 
 
弊社は、2D図面画像をアップロードするだけで 3Dモデルが自動生成される図面SaaS「Drawing Agent」を提供しています。
 
サービス詳細はこちら
 
CADソフト ウェアの操作スキルがなくても、設計者自身が数分で2D図面を3Dデータ化できます。従来、CADオ ペレーターが数時間かけていた変換作業を、ファイルのアップロードだけで完結する体験に変えます。
 
直近では「Drawing Agent」に部品情報の事前参照機能を追加しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000091210.html
 
対象領域の前提
製造業・建設業の現場では、CADネイティブPDF、スキャンPDF、紙図面、FAX画像が混在します。紙由来の図面では寸法線・ハッチング・手書き注記が読取精度を下げる要因となります。既存のAI-OCRは文字抽出に強い一方、図形レイヤーのノイズ除去は苦手とします。
 
曲面を多用する製品図面では、補助線と実線の判別は人間にも難しい領域です。熟練工の退職が進むなか、図面読取や積算の属人化が続いています。
 
2026年4月、OpenAIが画像生成モデル「gpt-image-2」を公開し、文字描画・編集・多言語対応の精度向上が報告されました。同モデルは尺寸標注を含む工程図の生成にも適用可能なレベルに達しています。renueはこの進化を受け、読図前処理の構成を見直しました。
 
目標
今回のアップデートでは、読取前段のノイズ除去精度が製品全体のボトルネックとなっていた構造を解消します。読取精度の頭打ちを、モデル構成の見直しで突破するアプローチです。前処理の自動化により、下流エンジンの精度と適用範囲を同時に広げることを狙いとします。積算担当者1人あたりの処理量を引き上げ、見積回答のリードタイム短縮につなげます。
 
対応図面パターンの拡張と、顧客側の図面整備負荷の軽減を並行で進めます。CADネイティブPDF中心の運用から、紙・スキャン・手書きを含む現場入力にも耐える構成へ移行します。2D図面からの3DCAD自動生成についても、入力品質の底上げを通じて成果物の安定度を高めます。
 
中長期では、設計・積算・施工の各工程で扱う図面を単一のワークフローで処理できる環境を構築します。顧客の図面整備コストを下げ、AIエージェントが実運用で使われる状態を広げることを狙います。紙図面と電子図面が混在する現場の過渡期を、製品側で吸収する方針です。
課題
補助線とハッチングが読取ノイズになる
図面上の補助線・寸法線・ハッチング・引出線は、人間には背景情報ですが、画像認識モデルには実線と同等の入力です。断面図を正本として補正する運用もありますが、手作業の前処理コストが残ります。従来のルールベース処理では、線種の一般化が効かず、案件ごとに前処理を組み直す必要がありました。
 
表記法と解像度の多様性
同じ部材でも、企業ごと・現場ごとに表記法が異なります。線種の意味、ハッチングの種類、記号の凡例は統一されていません。スキャンやFAX経由の図面では解像度が下がり、薄い寸法線や小さな記号は消失します。複数パターンの学習データを用意しても、現場入力のバリエーションに追いつきにくい状況です。
 
曲面製品と手書き注記への対応
曲面や複合形状を多用する図面は、断面と展開の組合せで形状を表現します。補助線の本数も多く、読取難度が高い領域です。施工現場では直前の設計変更が手書き注記で追加されることもあり、CAD復元を前提とした処理では追随できません。人間の読図者が暗黙的に補っている情報量が多く、自動化の最後の壁となっていました。
 
前処理の標準化の難しさ
図面の前処理は、これまで担当者の経験に依存する領域でした。属人化した処理手順はマニュアル化が進まず、担当交代時の引き継ぎコストが発生します。処理結果の再現性を保証する仕組みも乏しく、品質管理の負担が大きい構造でした。
 
ソリューション・やったこと
gpt-image-2による図面クリーンアップ
OpenAIの画像生成モデル「gpt-image-2」を、図面読取の前処理層に組み込みました。入力図面に対し、補助線・寸法標注・ハッチング・引出線・断面ラベル・タイトルブロックを除去するプロンプトを適用し、純粋な外形輪郭と内部材質境界線のみを残したクリーン線画を生成します。
 
従来は画像認識モデル単体でノイズ除去まで担当していた構成を、生成モデルで前処理する二段構成に切替えました。生成モデル側でノイズ除去を担当することで、下流の認識モデルは形状認識に専念できます。
 
検証では、曲面や複合形状を含む難度の高い工程図で、目視と同等レベルの補助線分離が成立することを確認しました。プロダクト担当者は「補助線除去に長く苦労してきた領域で、想定以上の結果が得られた」とコメントしています。
 
ルールとAI推論の使い分け
補助線除去のようにドメインルールで明文化できる処理は、生成モデルへのプロンプトに落とし込みます。一方、形状の解釈や推論が必要な工程はAIモデルに委ねます。この分担により、適用できる図面パターンを広げつつ、出力品質の再現性を確保します。
 
補完生成による多視点化
単一の平面図から、三面図や異なる角度の補完図面をgpt-image-2で生成し、それらを統合入力として3DCAD生成に渡すアプローチも並行検証しています。1枚の図面に含まれない情報を、生成モデルが補うことで、CAD復元の安定度を高める構成です。製造業の部品図や建築の意匠図への適用拡大を進めます。
 
効果
前処理工程の自動化
従来は補正担当者が数時間かけていた補助線除去・ハッチング削除の工程を、フィルタ実行による数十秒レベルの処理に置換えます。
 
現場入力のまま投入可能な図面の割合が増え、前処理担当者の負荷が下がります。担当者は判断業務やレビューに時間を振り向けられます。図面1枚あたりのスループットが上がることで、同規模のチームで扱える案件数の増加が見込めます。
前処理品質の再現性
生成モデルによる前処理は、同一プロンプトで一貫した出力が得られます。担当者ごとの手順のばらつきが解消され、品質管理のコストが下がります。処理ログは案件単位で保存され、監査・手戻り対応も容易になります。新人担当者でも熟練者と同等の前処理結果を再現でき、戦力化までの期間が短くなります。
 
今後の展望
2026年内は、対応図面パターンの拡張とフィルタ精度の改善を継続します。製造業の試作部品、建設業の構造図、ジュエリー・アパレル領域の意匠図など、ユースケース別の最適化を進めます。顧客企業のフィードバックをもとに、業界別の前処理プリセットを整備する計画です。業界ごとの図面表記ルールをプリセット化することで、導入時のチューニング期間を短縮します。
 
 
「Drawing Agent」のサービス詳細はこちら
https://renue.co.jp/services/drawing-ai
 
 
renueは社内業務でもAI活用率100%を掲げ、現場に根付く自動化のノウハウを製品に反映しています。コンサル業務からバックオフィスまでを自動化で運営し、そこで得た知見を製品に反映する体制を取っています。「AIが現場で使われない」という実務側の課題を、製品と運用の両面から解決します。建設業・製造業の供給力維持に、現場で使われる精度と速度で貢献します。
 
会社概要
会社名:株式会社renue
所在地:〒105-7105 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 5階
代表者:山本悠介
事業内容:AIコンサルティング業
URL:https://renue.co.jp/