汗疹・水虫・摩擦皮膚炎の予防法と正しい対処法を皮膚科医が解説
【結論】本調査のポイント 
結論から言うと、運動後に起きやすい皮膚トラブルは汗疹(あせも)、水虫、摩擦皮膚炎の3つが代表的です。これらを予防するには、運動後30分以内にシャワーを浴びて汗を流し、完全に乾燥させてから着替えることが重要です。症状が1週間以上続く場合や悪化する場合は、自己判断せず皮膚科を受診することをお勧めします。
  
・運動習慣のある人の66.7%が春に汗疹・水虫・摩擦皮膚炎のいずれかを経験 
・スポーツ後の正しい皮膚ケア方法を知らない人が77.3% 
・水虫を市販薬で自己治療した人の58.0%が「完治しなかった」と回答
用語解説 
■ 汗疹(あせも)とは 
汗疹とは、大量の発汗により汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚内に溜まることで生じる皮膚炎である。赤い発疹やかゆみが特徴で、高温多湿の環境や激しい運動後に発症しやすい。清潔な状態を保ち、通気性の良い衣服を着用することで予防できる。 
■ 水虫(足白癬)とは 
水虫とは、白癬菌という真菌(カビ)が足の皮膚に感染して起こる疾患である。趾間型、小水疱型、角質増殖型の3つのタイプがあり、かゆみ、水疱、皮むけなどの症状が現れる。公共施設の床やマットを介して感染することが多く、完治には抗真菌薬による適切な治療が必要である。 
■ 摩擦皮膚炎とは 
摩擦皮膚炎とは、皮膚が衣類や器具と繰り返し擦れることで生じる炎症である。運動時の太ももの内側、脇、乳首周辺などに好発し、発赤、痛み、水疱形成を引き起こす。適切な素材の衣服選びやワセリンなどの潤滑剤使用で予防可能である。
運動後に起きやすい皮膚トラブル3種の比較
比較項目 汗疹(あせも) 水虫(足白癬) 摩擦皮膚炎
主な原因 汗腺の詰まり 白癬菌の感染 皮膚の摩擦
好発部位 首・背中・胸 足指の間・足裏 太もも内側・脇
主な症状 赤い発疹・かゆみ かゆみ・皮むけ・水疱 発赤・痛み・水疱
自然治癒の可能性 軽症は1~2週間で改善 自然治癒は困難 原因除去で1~2週間
市販薬での対応 あせも用パウダー・軟膏 抗真菌外用薬 ワセリン・保護材
受診の目安 1週間以上改善しない場合 症状が出たら早めに 感染兆候がある場合
※一般的な目安であり、個人差があります。
 
皮膚腫瘍・皮膚外科治療を専門とする医療法人社団鉄結会アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、春の運動習慣増加に伴う皮膚トラブルに関する実態調査を実施いたしました。本調査では、運動習慣のある全国の20~60代男女300名を対象に、スポーツに関連する皮膚疾患の経験や予防・ケアの実態を調査しました。
調査背景 
春は気温の上昇とともに運動を始める人が増加する季節です。新年度を機にスポーツジムに入会したり、屋外でのランニングやウォーキングを始めたりする方が多くなります。しかし、運動習慣の増加に伴い、汗疹(あせも)、水虫、摩擦皮膚炎といった皮膚トラブルも増加します。特に水虫は完治が難しく、誤った自己治療により慢性化するケースが少なくありません。そこで当院では、スポーツと皮膚トラブルの関係性を明らかにし、正しい予防・ケア方法の啓発を目的として本調査を実施いたしました。
調査概要 
調査対象:週1回以上運動習慣のある全国の20~60代男女 
調査期間:2026年3月23日~4月1日 
調査方法:インターネット調査 
調査対象人数:300名
調査結果 
【調査結果】運動習慣のある人の66.7%が春に皮膚トラブルを経験 
設問:春(3~5月)に運動習慣が増えてから、以下の皮膚トラブルを経験したことはありますか?(複数回答可を単一回答に集計)
3人に2人以上が春の運動増加に伴い何らかの皮膚トラブルを経験していることが明らかになりました。運動習慣の開始・増加時には皮膚トラブルへの注意が必要であることが示唆されます。
【調査結果】最も多い皮膚トラブルは「汗疹」で71.5%、次いで「水虫」42.0% 
設問:運動後に経験したことのある皮膚トラブルは何ですか?(複数回答可・経験者200名対象)
汗疹が最も多く、水虫、摩擦皮膚炎と続きます。複数の皮膚トラブルを同時に経験している人も多く、運動後の適切なケアの重要性が浮き彫りになりました。
【調査結果】77.3%がスポーツ後の正しい皮膚ケアを知らない 
設問:スポーツ後の正しい皮膚ケア方法を知っていますか?
「あまり知らない」「全く知らない」を合わせると77.3%に達し、大多数がスポーツ後の適切な皮膚ケア方法を理解していないことが判明しました。知識不足が皮膚トラブルの原因となっている可能性があります。
【調査結果】水虫経験者の54.8%が市販薬のみで自己治療 
設問:水虫になった際、どのように対処しましたか?(水虫経験者126名対象)
半数以上が市販薬による自己治療を選択しており、皮膚科受診は3割に満たない状況です。水虫は適切な診断と治療期間の確保が重要であり、自己判断での治療は完治を難しくする要因となります。
【調査結果】市販薬で自己治療した人の58.0%が「完治しなかった」 
設問:市販薬で水虫を自己治療した結果はいかがでしたか?(市販薬使用者69名対象)
「改善したが再発した」「あまり改善しなかった」「悪化した」を合わせると58.0%となり、市販薬のみでは完治が難しい実態が明らかになりました。適切な診断に基づく治療と十分な治療期間の確保が重要です。
調査まとめ 
本調査により、運動習慣のある人の66.7%が春に汗疹・水虫・摩擦皮膚炎などの皮膚トラブルを経験していることが明らかになりました。一方で、スポーツ後の正しい皮膚ケア方法を知らない人は77.3%に上り、知識不足が皮膚トラブルの一因となっている可能性が示唆されました。特に水虫については、市販薬で自己治療した人の58.0%が完治に至っていないことが判明し、適切な医療機関の受診と正しい治療継続の重要性が浮き彫りになりました。
医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師 
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、運動後の皮膚トラブルは正しい知識と適切なケアで大半は予防可能です。しかし、一度発症した水虫を自己判断で治療することは非常に難しく、早期の皮膚科受診をお勧めします。
 
 今回の調査で77.3%の方がスポーツ後の正しい皮膚ケアを知らないという結果は、臨床現場での実感と一致します。運動後に汗を放置することで汗疹が発生し、共用のマットや更衣室の床から水虫に感染するケースを数多く診療してきました。

汗疹(あせも)の予防で最も重要なのは、運動後30分以内にシャワーを浴びて汗を洗い流すことです。すぐにシャワーを浴びられない場合は、汗拭きシートで汗を拭き取り、速乾性の衣服に着替えることが効果的です。 綿素材は汗を吸収しますが乾きにくいため、運動時は吸汗速乾素材を選ぶことをお勧めします。

水虫については、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも示されているように、完治には最低でも1~2ヶ月間の継続的な抗真菌薬の使用が必要です。今回の調査で市販薬使用者の58.0%が完治しなかったという結果は、自己判断による治療中断が主な原因と考えられます。症状が改善しても菌は残存していることが多く、見た目が良くなった後も1ヶ月程度は治療を継続することが重要です。

摩擦皮膚炎については、予防が最も効果的な対策です。運動前にワセリンを塗布することで皮膚同士や衣類との摩擦を軽減できます。また、縫い目が肌に当たりにくいシームレスタイプの運動着を選ぶことも有効です。
 
【エビデンス】日本皮膚科学会の皮膚真菌症診療ガイドラインでは、足白癬の治療には外用抗真菌薬を1日1回、4週間以上塗布することが推奨されています。皮膚科医としての臨床経験では、完治を確認するまで治療を継続された患者さんは再発率が著しく低い傾向にあります。
運動後の皮膚ケア3原則 
・運動後30分以内にシャワーで汗を洗い流す 
・タオルで水分を完全に拭き取り、特に足指の間は入念に乾燥させる 
・吸汗速乾素材の清潔な衣服に着替える
 皮膚科を受診すべきタイミング 
・市販薬を2週間使用しても改善しない場合 
・かゆみや炎症が悪化している場合 
・水疱が破れて二次感染の兆候(膿、発熱)がある場合
 水虫予防の基本 
・公共施設では自分のサンダルを持参する 
・帰宅後は足を石鹸で洗い、十分に乾燥させる 
・家族に水虫患者がいる場合はバスマットを共用しない
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
 
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
 
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
 
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
 
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A) 
Q1. 運動後に起きやすい皮膚トラブルを教えて 
A. 運動後に起きやすい皮膚トラブルは、汗疹(あせも)、水虫(足白癬)、摩擦皮膚炎の3つが代表的です。 
今回の調査では、運動習慣のある人の66.7%が春にこれらの皮膚トラブルを経験していました。最も多いのは汗疹で71.5%、次いで水虫が42.0%、摩擦皮膚炎が38.5%という結果でした。汗疹は汗腺の詰まり、水虫は白癬菌の感染、摩擦皮膚炎は皮膚の擦れが原因で発症します。
 
Q2. 水虫の正しい治療法と予防策は? 
A. 水虫の正しい治療は皮膚科で診断を受け、抗真菌薬を最低4週間以上継続して使用することです。 
今回の調査では、市販薬で自己治療した人の58.0%が完治しなかったと回答しています。水虫は症状が改善しても菌が残存していることが多く、見た目が良くなった後も1ヶ月程度は治療継続が必要です。予防策としては、公共施設での裸足を避ける、帰宅後は足を洗って乾燥させる、通気性の良い靴を選ぶことが効果的です。
 
Q3. 汗疹(あせも)を早く治す方法は? 
A. 汗疹を早く治すには、患部を清潔に保ち、涼しく乾燥した環境を維持することが基本です。 
軽症の汗疹は、汗をこまめに拭く、シャワーで汗を流す、通気性の良い衣服を着用することで1~2週間で改善します。かゆみが強い場合は市販のあせも用軟膏やローションが有効です。ただし、1週間以上改善しない場合や、水疱が破れて膿が出る場合は皮膚科を受診してください。掻きむしると細菌感染を起こす可能性があります。
 
Q4. スポーツをする人が気をつけるべき皮膚疾患は? 
A. スポーツをする人は、汗疹・水虫・摩擦皮膚炎に加え、接触皮膚炎やとびひにも注意が必要です。 
調査では、接触皮膚炎(かぶれ)を経験した人も24.0%いました。スポーツ用品のゴムや金属、制汗剤などによるアレルギー反応で発症します。また、汗疹や擦り傷から細菌が入り込み、とびひ(伝染性膿痂疹)を発症するケースもあります。運動後の清潔保持と、傷がある場合の適切な処置が重要です。
 
Q5. 市販薬と皮膚科受診、どちらを選ぶべき? 
A. 軽い汗疹は市販薬で対応可能ですが、水虫や1週間以上改善しない症状は皮膚科受診をお勧めします。
 
今回の調査で、水虫を市販薬のみで治療した人の58.0%が完治しなかったことが明らかになりました。水虫に似た症状でも異なる疾患である可能性があり、誤った薬を使うと悪化することもあります。皮膚科では顕微鏡検査で正確な診断ができ、症状に合った処方薬で効率的に治療できます。
放置のリスク 
・水虫を放置すると爪白癬に進行し、爪が変形・肥厚して治療が長期化する 
・汗疹を掻きむしると細菌感染を起こし、とびひや蜂窩織炎に発展する可能性がある 
・摩擦皮膚炎を放置すると色素沈着を起こし、跡が残ることがある
 こんな方はご相談ください|受診の目安 
・市販薬を2週間使用しても症状が改善しない場合 
・症状が悪化している、または範囲が広がっている場合 
・発熱、膿の排出など感染の兆候がある場合 
・かゆみや痛みが日常生活に支障をきたす場合 
・水虫が爪に広がった(爪が白く濁る、厚くなる)場合
 クリニック案内 アイシークリニックの特徴 
・皮膚科専門外来で運動に関連する皮膚トラブルに幅広く対応 
・顕微鏡検査による正確な水虫診断が可能 
・平日夜間・土日も診療で忙しい方も受診しやすい 
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院体制で通いやすい
 
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
 
診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
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結論から言うと、運動後に起きやすい皮膚トラブルは汗疹(あせも)、水虫、摩擦皮膚炎の3つが代表的です。これらを予防するには、運動後30分以内にシャワーを浴びて汗を流し、完全に乾燥させてから着替えることが重要です。症状が1週間以上続く場合や悪化する場合は、自己判断せず皮膚科を受診することをお勧めします。

皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、運動後の皮膚トラブルは正しい知識と適切なケアで大半は予防可能です。しかし、一度発症した水虫を自己判断で治療することは非常に難しく、早期の皮膚科受診をお勧めします。

A. 運動後に起きやすい皮膚トラブルは、汗疹(あせも)、水虫(足白癬)、摩擦皮膚炎の3つが代表的です。

A. 水虫の正しい治療は皮膚科で診断を受け、抗真菌薬を最低4週間以上継続して使用することです。

A. 汗疹を早く治すには、患部を清潔に保ち、涼しく乾燥した環境を維持することが基本です。

A. スポーツをする人は、汗疹・水虫・摩擦皮膚炎に加え、接触皮膚炎やとびひにも注意が必要です。

A. 軽い汗疹は市販薬で対応可能ですが、水虫や1週間以上改善しない症状は皮膚科受診をお勧めします。