~ 膨大な社内ナレッジの即時参照により、安全管理の網羅性を向上。国内5工場に年内導入へ ~
国内の大手企業へAI(人工知能)ソリューションを提供する株式会社シナモン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:平野未来 以下「シナモンAI」)は、三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊佐早 禎則、以下「三菱ガス化学」)が国内5工場で運用中のKY(危険予知)サジェストシステム(以下「MGC-KYAS」)に、より高精度な社内ナレッジ検索・回答生成を実現するシナモンAIの「Super RAG(TM)」を組み込む新システムの本格開発を2026年4月より開始し、年内に順次導入する予定です。
MGC-KYASは、過去のヒヤリ・ハット活動(*1)で得た膨大な事例データベースから、現場作業に関連する事例や情報を抽出することで、作業前のKY活動を効果的に支援するシステムです。本システムは、シナモンAIの高度なAIソリューションを技術基盤に、2023年6月頃より三菱ガス化学の国内5工場に導入してまいりました。
今回の「Super RAG」の導入により、工場や部署ごとに様々な書式で保存されている膨大なドキュメントを高精度に読み取り、ナレッジとして過去の類似災害の即時参照や、作業手順の最適化、安全教育の教材化といった多角的な用途に活用することが可能になります。また、KY活動にAIを活用することで、人間だけでは陥りがちな視点の偏りやマンネリ化を防止し、危険予知の網羅性を大幅に向上させます。人手不足が深刻化する中で、ベテランが持つ貴重な危険情報のノウハウをAIを介して確実に伝承する仕組みを構築し、ヒューマンエラーの防止や作業員の感性を高める効果をさらに強固なものにします。
製造現場において、作業前に事故や災害の芽を摘む「KY(危険予知)活動」は安全管理の要です。しかし近年、設備の自動化が進む一方で、従業員が現場で直接保安防災業務に触れる機会が減少し、現場の危険感受性が低下する懸念が生じています。また、膨大なヒヤリ・ハット事例や事故労災データが蓄積されているものの、現場ごとに異なるフォーマットで保存されているために有効活用が難しく、活動が形骸化したり、必要な情報の抽出に多大な時間を要したりするといった課題を抱えていました。
シナモンAIは、これらの課題を解決するため、過去の膨大なナレッジから「作業に潜む危険」を的確に自動サジェストするKYサジェストシステム「MGC-KYAS」を三菱ガス化学と共同構築し、国内5工場への導入を推進してまいりました。
今回「MGC-KYAS」に、シナモンAI独自のRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術である「Super RAG」を実装することで、以下の3点が実現します。
従来、過去の類似事例を調べるには膨大なファイルからの検索が必要でしたが、本システムでは例えば機器番号や作業名を入力するだけで、AIが関連性の高い事例を瞬時に抽出します。危険予知訓練の最初のステップとなる「作業に潜む危険」を自動的に複数件提示することで、現場の情報収集負担を最小化し、KY活動の質を大幅に向上させます。
「Super RAG」の高度な解析能力により、Excel等への「構造化データ」への加工を介さず、PDF等の「オリジナルファイル」の状態から直接、高精度な回答を生成することが可能です。これにより、現場のデータ登録作業の工数を大幅に削減しつつ、埋もれたナレッジを即座に活用可能にする高い利便性が実現します。
ベテランの暗黙知をAIが即座に引き出すことで、属人化しがちな安全ノウハウを標準化し、人手不足の中でも確実な技術伝承を実現します。AIが回答の根拠(参照元ドキュメント)を明示する機能により、若手社員は熟練者の判断基準や過去の教訓をダイレクトに学び取ることができ、危険感受性の向上につながります。
また、AIが新たな視点から「作業に潜む危険」を提示することで、日々の作業で陥りがちな思考のマンネリ化を打破し、過去の重大事故を風化させることなく、全社的な安全文化を継続的にアップデートします。
シナモンAIは今後、三菱ガス化学との連携を強化し、「MGC-KYAS」の適用範囲の拡大を検討してまいります。さらにグループ会社や協力会社への展開も視野に入れ、AIを活用したより広範な領域における安全管理の高度化と、持続可能な製造現場の実現を推進してまいります。
シナモンAIの「Super RAG」は、表や図などの複雑なドキュメントを解析し、高精度な回答を生成するLLM環境をノーチューニングで構築可能な独自AIプロダクトです。最大の特徴は、一部の機能強化に留まらず、前処理・検索・生成という全工程を汎用的かつ高精度に「全体最適化」している点にあります。特に前処理では、文字数で機械的に区切る従来のRAGとは異なり、独自のレイアウト解析技術でタイトルや図表を自動判別し、文書の意味や構造を保ったまま最適にチャンク化します。これにより、データ活用に適さない非構造化データを高度に構造化し、RAGシステムによる業務自動化を極めて高い精度で実現します。
「Super RAG」は、ベクトル検索とグラフ構造検索を掛け合わせることで、文書内に明記されていない関係性まで網羅した、見落としのない的確な回答を導き出します。検索に最適化させるための事前のデータ加工は不要で、決算書や技術資料、社内規定といった専門的な情報を登録するだけで、最短5分のノーコード操作により現場で即座にAIアシスタントを作成可能です。1つの環境で複数のユースケースへ展開できる汎用性を持ち、問い合わせ対応や報告書作成、暗黙知が求められる少量多品種業務など、幅広い領域で「業務で使える精度」を即座に提供します。
*2 ドキュメントの種類により回答精度に差があります。
※アシスタント機能により、部門担当者が構築し展開することも可能です。
三菱ガス化学は、創業以来、新しい技術と価値の創造に取り組み、メタノールやキシレン、過酸化水素といった基礎化学品から、高機能エンジニアリングプラスチック、半導体パッケージ材料、脱酸素剤「エージレス(R)」に至る機能製品まで、幅広い事業分野を通じて人々の暮らしを支えてきました。三菱ガス化学は、そのミッション「社会と分かち合える価値の創造」のもと、これからも化学にもとづく幅広い価値の提供を通じて、社会の発展と調和に貢献します。
所在地 : 東京都千代田区紀尾井町3-16 金田ビル 6F
[事業内容]非構造化データを対象としたAIプロダクト事業、AIコンサルティング事業
シナモンAIは、「AIの力で、人の意志を実現する未来をつくる」をパーパス、「人の意志と判断を支える、組織の知の拡張プラットフォームをつくる」をビジョンに、AIプロダクトとAIコンサルティングを提供しています。圧倒的高精度のドキュメント解析技術を生成AI、AIエージェント技術と組み合わせ、組織に眠る知恵をつなぐ知の拡張プラットフォームを実現。生成AIを活用した高精度AI-OCR「Flax Scanner」や、LLM活用を大幅に促進する「Super RAG」、AIエージェント開発、およびAIトランスフォーメーションを推進する研修などを提供し、企業の”AI-ready化”を強力に推進します。人工知能研究所をベトナム(ハノイ・ホーチミン)に構え、高度なAI人材を獲得・育成するエコシステムを構築し、AI-OCR、自然言語処理、大規模言語モデル、非構造化データを活用する技術資産を蓄積しています。