登山者の投稿データを山岳生態系調査に活用「みんなで守る山岳生態系プロジェクト」に長野県が参画
「地球とつながるよろこび。」を企業理念に掲げアウトドア事業を行う株式会社ヤマップ(福岡市、代表取締役CEO 春山慶彦、以下ヤマップ)は、環境省と協働で推進する「みんなで守る山岳生態系プロジェクト」に長野県が新たに参画することをお知らせします。長野県が独自に開発・運用してきたライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の機能を「YAMAP」が引き継ぎ、ライチョウの生息情報をより効果的に収集・解析できる体制を構築します。
 
背景
ライチョウの生息域の多くは長野県内に集中しています。北アルプス、南アルプス、中央アルプス、乗鞍岳、御嶽山など、国内のライチョウ生息地の大半が長野県域に位置しており、同県はライチョウ保護において欠かせない存在です。
 
長野県は2020年から「ライチョウ保護スクラムプロジェクト」を展開し、2021年には目撃情報投稿アプリ「ライポス」の運用を開始。ヤマップは2022年6月に環境省と協定を締結し、登山者が投稿する写真のビッグデータを山岳生態系調査に活用する「みんなで守る山岳生態系プロジェクト」を始動し「ライチョウモニター」の運用を開始しました。
 
「ライチョウモニター」の運用開始から約4年。登山者のデータが実際の保護施策に反映される実績が生まれるなど、市民参加型データの有効性が実証されてきました。
 
一方で、情報の収集にとどまらず、解析や保護の取り組みを深化させるには、ライチョウ研究の知見を持つ専門機関との連携が不可欠です。ライチョウの生息域の大半を県内に抱え、同県環境保全研究所によるライチョウの生息適地予測や生態研究の実績も踏まえ、長野県の参画はこのプロジェクトにとって自然な次のステップです。
 
これまで「ライチョウモニター」と「ライポス」はそれぞれ独自に目撃情報を収集しており、登山者にとっては複数のツールが並立していました。今回、長野県が本プロジェクトに参画し、両ツールを統合することで、登山者はひとつのプラットフォームから情報を投稿できるようになります。
「ライチョウモニター」とは
「ライチョウモニター」は、YAMAPの“登山者が投稿した写真の撮影位置を特定し、日本地図上に表示する機能”と”AIを活用した画像識別機能”を掛け合わせた仕組みです。登山者が山で撮影・投稿したライチョウの写真をAIが自動で識別し、目撃情報として日本地図上に見える化。集まった情報は環境省に共有され、重点調査エリアの特定や現地調査の材料として活用されてきました。専門家チームだけでは限界があった高山帯での広域的・継続的な生息調査を、登山者の力で補う市民参加型の取り組みです。
投稿された情報をもとに調査員が現場に赴き、ライチョウの状況確認・保護活動を実施。ストックされたデータは、季節別目撃例分布状況の把握、生息域の経年変化を導き出す資料としても活用されます。
「ライチョウモニター」の画面。同エリアで目撃されたライチョウの写真を画像識別。撮影場所とともに一覧表示される。
統合の意義
登山者の利便性向上と、より効率的なデータ収集の実現。今回の統合により、以下の進展が期待されます。
・登山者にとって投稿先がひとつに統一され、使いやすくなる
・環境省と長野県が連携してデータを共有・活用できる体制が強化される
・長野県環境保全研究所の研究者がデータ解析を担うことで、保護対策やモニタリングへの詳細な活用が可能になる
・希少種保護における官民共同の取り組みがさらに加速する
これまでの成果
「ライチョウモニター」は、市民参加型の希少種保全の成功事例として着実に成果を上げてきました。
 
目撃情報の大幅な増加
2022年の運用開始初年度、中央アルプスにおいて従来の情報収集カード(172件)に対し、「ライチョウモニター」では530件と従来比3.1倍の投稿を記録。写真提供件数は従来比9.3倍、個体が特定できた件数は従来比7.7倍に達しました。この投稿データをもとに、従来未確認だった南駒ヶ岳や三ノ沢岳方面へのライチョウの生息域拡大が明らかになっています。
 
鳥獣保護区の拡張に貢献
アクセスが困難でこれまでほとんど調査が実施されていなかった毛勝三山周辺で「ライチョウモニター」に寄せられた目撃情報がきっかけとなりライチョウの繁殖が確認されました。この成果は、2024年11月の国指定北アルプス鳥獣保護区の拡張決定に貢献しています。専門家だけでは到達しにくいエリアの情報を、登山者の投稿が補完した象徴的な事例です。
 
冬季を含む通年のデータ蓄積
登山シーズンだけでなく冬季の目撃情報も集まっており、これまで把握が難しかった越冬期の生態を知る手がかりとなっています。生息地を通年で包括的に守る足掛かりとして、今後の保護増殖事業への活用が期待されます。
4月24日、長野県庁で開催された協定締結式にて。右から長野県環境部 環境部長 小林真人氏、環境省 信越自然環境事務所 所長 松本英昭 氏、登山YouTuber・ライチョウをこよなく愛するやぎちゃんこと八木彩圭氏、ヤマップ PRマネージャー 千田英史

参考情報
◯ 環境省×YAMAP「ライチョウモニター」|あなたの投稿が絶滅の危機を救う
URL:https://yamap.com/magazine/35109
 
◯ 登山者の「スマホ投稿」で「ライチョウ」絶滅回避へ(2022年6月2日 発表)
URL:https://corporate.yamap.co.jp/news/2022-06-02
 
◯ 国指定北アルプス鳥獣保護区が拡張 絶滅危惧「ライチョウ」目撃情報受け(2024年11月1日 発表)
URL:https://corporate.yamap.co.jp/news/pbHzeFNp
 
◯ 長野県「ライチョウ保護スクラムプロジェクト」
URL:https://www.raicho-nagano.jp/overview/
会社概要
会社名 株式会社ヤマップ
本社所在地 福岡市博多区博多駅前3-23-20 博多AGビル6F
資本金(資本準備金含む) 1億円
事業概要
1. 登山・アウトドア向け WEB サービス・スマートフォンアプリ「YAMAP」の運営
2. 登山・アウトドア用品のセレクトオンラインストア「YAMAP STORE」の運営
3. 日常もアウトドアも補償「YAMAPアウトドア保険」の販売
4. これからの登山文化をつくるメディア「YAMAP MAGAZINE」の運営
5. 自然特化型のふるさと納税ポータルサイト「YAMAPふるさと納税」の運営
6. 山・自然を活用したコンテンツ開発・コンサルティング・プロモーション 等
URL:https://corporate.yamap.co.jp/

「地球とつながるよろこび。」を企業理念に掲げアウトドア事業を行う株式会社ヤマップ(福岡市、代表取締役CEO 春山慶彦、以下ヤマップ)は、環境省と協働で推進する「みんなで守る山岳生態系プロジェクト」に長野県が新たに参画することをお知らせします。長野県が独自に開発・運用してきたライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の機能を「YAMAP」が引き継ぎ、ライチョウの生息情報をより効果的に収集・解析できる体制を構築します。