“日本のおもてなし”を学び、体現してきた二人が導く新たな旅館のかたち
 神奈川県 箱根で旅館5店舗・飲食店3店舗を運営する株式会社 金乃竹(本社:神奈川県箱根町 代表取締役社長:八幡 正昭 以下、金乃竹)にて、創業364年の歴史を持つ温泉旅館「松坂屋本店」において、外国籍スタッフとして初となる支配人2名の就任を決定いたしました。
本取り組みは、江戸から続く松坂屋本店の歴史上初であるとともに、金乃竹グループ(1947年創業)においても初の試みです。
現在、2025年の宿泊客の約6割が訪日外国人、グループ全体の外国籍スタッフ比率も約39%に達しており、多様性と伝統の融合を象徴する取り組みです。
 
|変化する旅館業界と“多様性”の必要性
 近年、訪日外国人観光客の増加により、旅館に求められるサービスは大きく変化しています。主力施設である「松坂屋本店」においても、2025年9月~2026年2月(当社上半期)の宿泊者のうち約67%(外国人4,571名/日本人2,224名)を訪日外国人が占めており、文化や価値観の異なるお客様に対し、より本質的で柔軟なおもてなしが求められています。
こうした背景のもと、当社では国籍にとらわれず、人材の本質的な価値を評価する体制づくりを進めてきました。
 今回支配人に就任した2名は、いずれも来日後、接客スタッフとしてキャリアをスタート。言語や文化の壁を乗り越えながら現場で経験を積み重ね、お客様・スタッフ双方からの高い信頼を得てきました。
 
|評価されたのは「国籍」ではなく「信頼」
 旅館業界では、これまで日本人中心のマネジメント体制が主流とされてきましたが、同社では現場での実績を重視。両名は長年の現場経験を通じて、お客様・スタッフ双方から高い評価を得てきました。
今回の支配人登用において評価されたのは、語学力や出身ではなく、「顧客満足への貢献」「現場スタッフからの信頼」「再現性のある運営力」です。
お客様からの高い評価に加え、共に働く日本人スタッフからも厚い信頼を寄せられる二人が、伝統を次世代へと繋ぎます。
 
|現場での取り組みと成果
創業364年 松坂屋本店
 両名が関わる現場では、Googleレビュー★4.6、Booking.com 9.3、Expedia 9.8(いずれも2026年4月時点)と、国内外の主要口コミサイトにおいて高評価を維持しており、特にインバウンド比率の高まりとともに満足度の安定に寄与しています。また、スタッフからの信頼も厚く、チーム全体で安定したサービスを提供できる体制づくりにも貢献しています。
 
|文化の橋渡しとなる“おもてなし”の実践
館内の装花を一手に担う
 リン支配人は、前女将から受け継いだ着付けの技術を活かし、インバウンドのお客様向けに着付け体験を提供しているほか、生け花も習得。現在は館内の装花を一手に担うなど、日本文化の魅力を自ら体現しながら発信しています。
着付け体験では、単に着物を着せるだけでなく、所作や意味まで丁寧に説明。体験後には「ただの体験ではなく、日本文化を理解できた」といった声が寄せられるなど、文化理解を伴う滞在価値の向上につながっています。
 
|多様性が“おもてなし”を進化させる
着付け体験イメージ
 本取り組みは、単なるダイバーシティ推進にとどまらず、日本の伝統的なおもてなしを、より多様な価値観に対応できる形へと進化させる試みです。
異なる文化的背景を持つ人材が現場に立つことで、日本人スタッフだけでは気づきにくい視点が加わり、言語や文化の違いを超えて伝わるサービスの提供につながっています。
360年以上続く旅館の価値を守りながら変化する時代に合わせて進化させていく、本取り組みはその一つのモデルケースとなることを目指しています。
 
|支配人プロフィール
NGUYEN THI THUY LINH(グエン・ティ・トゥイ・リン)|ベトナム出身(1990年生まれ・34歳)
・2017年6月 入社 
・副主任・副支配人を経て昇格 
・2026年4月 支配人就任 
・接客・運営の現場経験を蓄積 
・生け花・着付けなど日本文化も体現
・趣味:旅系YouTubeの視聴
「おもてなしとは、相手の気持ちを想像し、言葉にされる前に行動すること」
 日本文化やおもてなしへの関心から来日。長い歴史と伝統を守りながら新しい挑戦を続ける点に魅力を感じ、同旅館に入社。当初は“言葉にしない配慮”に苦労するも、現場での経験を通じて本質を体得。
現在は前女将から受け継いだ着付けや生け花にも取り組み、日本文化の魅力を体現。接客や着付けに対しては「外国人とは思えないほど丁寧」といった声も寄せられている。
KHADKA SANJEEV(カドカ・サンジブ)|ネパール出身(1994年生まれ・31歳)
・2017年2月 入社 
・副主任・副支配人を経て昇格 
・2026年4月 支配人就任 
・接客・運営の両面で経験を蓄積 
・現場オペレーションの中核を担う
・趣味:家庭菜園
「おもてなしとは、お客様が何も心配せず、安心して過ごせる状態をつくること」
 日本のサービス水準の高さに魅力を感じ来日。現場では“目に見えない基準”に向き合いながら経験を積み、業務をプロセスとして捉えることで理解を深めてきた。
現在は、個人の対応力に依存しない「再現性のある運営」を重視し、データや現場状況をもとにしたサービス改善と、チーム全体で品質を維持できる体制づくりに取り組んでいる。
 
|代表コメント
代表取締役 八幡正昭
「今回の登用は、国籍ではなく“誰がお客様に最も価値を提供できるか”を基準にした結果です。日本の伝統を守ることと、変化することは矛盾するものではありません。むしろ両立させることで、これからの時代に求められる旅館の在り方が見えてくると考えています。
今回の2名は、言語や文化の壁を乗り越えながら現場で信頼を築いてきた存在です。今後は彼らを中心に、多様な人材が活躍できる環境をさらに広げ、日本のおもてなしの価値を世界に発信してまいります。」
 
|今後の展望
 今後も金乃竹リゾートでは、国籍やバックグラウンドにとらわれない人材登用を進めるとともに、日本の伝統的なおもてなしを多様な視点から進化させ、世界に向けて発信してまいります。
多様な人材が活躍できる組織づくりを通じて、より高いサービス価値の提供を目指してまいります。
 
|江戸から続く温泉宿「松坂屋本店」について
 松坂屋本店は、1662年(寛文2年)創業、360年以上の歴史を持つ箱根・芦之湯の温泉旅館です。江戸時代より湯治場として多くの旅人を迎え入れてきた由緒ある宿であり、現在もその趣とおもてなしの精神を受け継いでいます。
温泉は、毎分200リットル湧き出る湯の花舞う100%源泉かけ流し。硫黄泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉の三大美肌泉質をすべて含有する希少な泉質です。客室は約四千坪の敷地に、趣の異なる6つの館からなる全21室。歴史的建築の風情を活かした空間で、日本の伝統文化を体感できる滞在を提供しています。
施設名:松坂屋本店
住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯57
TEL:0460-83-6511
駐車場:22台分の無料駐車場あり
松坂屋本店 公式HP
 
|金乃竹リゾートについて
 金乃竹リゾートは、1947年に神奈川県箱根町仙石原で最初の温泉旅館を開業いたしました。1999年には、当時ではまだ珍しい貸切露天風呂による「非日常」を通して、温泉旅館の新たな楽しみ方と価値を創出してまいりました。現在は、5つの旅館施設と3つの飲食店の事業を展開するとともに、新規事業であるクラフトビールなどの多角化や、これまでのターゲットを変えた新たな旅館施設の開業など、ポートフォリオの構築を進めています。これにより、外部環境の変化に対応して持続的な成長を目指します。
金乃竹リゾート 公式HP