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日本の中心として多くの人々が集中する東京都。都内では、近年トランクルームの利用者が急速に増えています。その背景にあるのは、単なる「自宅の持ち物の増加」ではありません。生活スタイルの変化、住宅事情、働き方、家族構造、そして都市そのものの形が変わりつつある中で、外部収納が“生活インフラの一部”へと変わりはじめています。そこで今回は、都内特有の収納課題とトランクルーム利用の増加について徹底解説します。 |
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※ 今回ご紹介する普及率等のデータは民間調査会社やトランクルームサービス提供企業、業界団体のデータ等をもとにして算出しています。 |
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なぜ今、東京都でトランクルーム需要が急増しているのか |
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トランクルーム普及率は「全国の約3倍」東京都が圧倒的 |
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まず、東京都におけるトランクルーム需要を説明する上で、トランクルームの普及率に注目しましょう。 |
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2025年10月に当コラム※1で試算したトランクルームの普及率(世帯数に対しトランクルームが使われている世帯の割合)では、 |
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全国: 0.96% |
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関東: 1.61% |
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東京: 2.87% |
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という試算結果となりました。 |
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全国と比較して関東・東京の普及率は格段に高く、全国と比較して関東は約2倍(1.68倍)、東京は約3倍(2.99倍)となっていました。 |
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法人利用を加味した状態でも、やはり東京における普及率は、「日本のトランクルーム普及率約1%」と比較して約3倍(2.78倍)になっていることがわかり、それだけ、東京にはトランクルームが集中し、かつ、利用している方が多いことがわかります。その理由について、詳しく掘り下げていきましょう。 |
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※1 【2025年最新調査】東京都のトランクルーム普及率は? 都市に集中する人々と高まるトランクルーム需要 |
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https://www.syuno-pit.biz/example/trunkroom189.html |
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「広さより立地優先」自宅に置く場所がない都内の住宅事情 |
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東京都の住宅事情は、日本の中でも突出して特殊です。 |
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総務省の住宅・土地統計調査によると※2、東京23区の1住宅当たりの延べ床面積は全国平均よりも20%以上小さく、特に単身世帯が多いエリアでは30平方メートル 前後がボリュームゾーンです。 |
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住まいが小さくなる一方、生活に必要なモノの種類は増加しています。 |
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自宅内に「置く場所がない」という切実な問題を抱える生活者が増加したことが、都内のトランクルーム需要を押し上げています。 |
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また、東京都は人口密度が高く※3、引っ越し回数も全国平均より多い傾向※4があります。賃貸・分譲ともに「広さより立地」を優先する人が多く、必要なものを“家の外に逃がす”という発想が広がりやすい環境にあるのも特徴です。 |
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※2 住宅面積に関する記述は、総務省「住宅・土地統計調査(2018・2023)」の公開データをもとに編集しています。 |
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https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/ |
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※3 総務省 統計局「人口推計」「国勢調査」 |
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https://www.stat.go.jp/data/kokusei/ |
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※4 総務省 統計局「住民基本台帳人口移動報告」 |
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https://www.stat.go.jp/data/idou/ |
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「都内だからこそ」トランクルーム利用者が増えている4つの理由 |
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ここからは、都内でトランクルームの利用者が増えている理由について考えていきましょう。 |
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大きく分けて4つの要因が挙げられます。 |
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1. 季節用品・趣味用品・子育て用品の置き場不足 |
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人口が集中し、好立地の住宅が好まれる都内。限られた面積に数多くの住宅が作られていますが、その分、「限られたスペースに居住空間を少しでも多く取る」方針で住宅が作られているため、収納スペース確保の優先度はどうしても低くなりがちです。 |
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だからこそ、都内の住宅のクローゼット容量は、暮らしている人の物量と比べると明らかに不足している傾向があります。 |
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さらに、生活必需品が優先して収納スペースを占めるようになり、大ぶりな荷物や、日々の生活で使わないものに関して、置き場所がなく困る方が非常に多いといえます。 |
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特に、 |
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ベビーカー、ベビーベッド、おもちゃなどの赤ちゃん・子ども用品 |
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スキー・ゴルフバッグ・キャンプ用品などのスポーツ・アウトドア用品 |
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これらは「必要ではあるものの毎日は使わない」代表例です。 |
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捨てるわけにもいかず、押し入れには入らず、生活空間を圧迫します。 |
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しかも、部屋の隅や廊下に置くにも、手狭になるばかりか、動線の邪魔になり、危険も伴います。 |
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その結果、月3,000円~6,000円ほどで借りられる小型トランクルームが非常に人気で、“第二の押し入れ”として定着しつつあります。 |
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使いたい時にすぐ出せて家の中で邪魔にならないことが人気のポイントです。 |
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2. 生活変化(結婚・同棲・子育て・転居)が多い |
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東京は若年層の人口流入が多く※4、同棲開始・結婚・転勤・単身赴任といった人生におけるイベントが頻繁に起きる都市ともいえます。 |
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また、先ほど述べたように、引越し回数も多い傾向にあり、中でも都内の生活基盤をそのままに、自宅を好条件のところに住み替える引越しも多いといえます。 |
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例えば、賃貸物件から持家を購入する引越しや、転職・勤務先オフィスの変更により通勤の利便性が高い物件への引越し、子供の進学に伴い住む地区を変えるための引越しなど都内の中でもより生活利便性の高い住宅への引っ越しをする方が多い傾向にあります。 |
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収納スペースの広さや荷物の量が変動しやすい環境では、荷物丸ごと引越しを考えるよりも「荷物を外部に置いて調整する」方が合理的です。 |
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都内での引越しに加えて、リフォームや部屋の模様替えの際に期間限定でトランクルーム利用をする方の需要も大きく伸びています。 |
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このような"住み替え時にも使い続けられる収納としての利用"や"短期保管"は、都内市場の特徴的なニーズです。 |
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3.リモートワーク普及で“部屋を仕事場にしたい” |
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都内のワークスタイルは2019年以前と比べて劇的に変化しました。 |
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リモートワークが普及し、デスク、モニター、プリンターなど、仕事に必要な機材が自宅に増えたことで、「部屋を広く使うための外部収納」の重要性が増しています。 |
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リモートワークがなおも働き方の選択肢として定着し続けているいま、企業勤めの方だけでなく、「自宅で働くフリーランス」も増加しており、自宅をオフィスとしても兼用したい方は多いといえます。 |
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自宅に置いているモノを、仕事用にスペースを空けるため、外部に移動したいというニーズが今も続いています。 |
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4. EC利用増によるダンボール・荷物問題 |
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スマホやPCから簡単にお買い物ができる時代。従来のように「実店舗に行って買う」だけだった時代より、購入品が増えやすくなる傾向がある方は多いのではないでしょうか。 |
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東京都は一人当たりのネット通販利用回数も上位※5です。 |
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そのため、 |
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など、荷物が“家を圧迫し続ける”構造があります。 |
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この流れは今後も続いていくと想定されます。 |
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※5 下記調査など、複数の公的データと民間調査の総合的判断による |
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総務省|家計調査(オンラインショッピング支出) |
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https://www.stat.go.jp/data/kakei/ |
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総務省|通信利用動向調査 |
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https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html |
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都内で伸びる4つの需要領域(個人・法人・EC/フリーランス・物流) |
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東京都のトランクルームは「生活者(個人利用)だけのもの」ではありません。 |
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今や、4つの利用領域が同時に拡大しています。 |
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1. 個人の生活収納ニーズ(クローゼットの外部化) |
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都内のトランクルーム利用者の6~7割程度※6を占めるのが個人利用です。 |
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特に屋内型トランクルームの伸びは顕著で、「自宅クローゼットの延長として快適に使える収納」が好まれています。 |
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特徴としては: |
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サイズ展開が豊富でユーザーの希望する収納量に合うものを選べる |
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このような“小型で高品質の収納”は、都心生活者の生活にフィットし、“生活空間を最適化する手段”として支持されています。 |
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※6 国土交通省の実態調査や国内外の市場調査レポートを総合的に参照し推計 |
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2. 法人の書類・備品・資材保管 |
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日本の経済活動が集中する都内では、トランクルームの法人利用も多く、備品、資材の一時保管、監査用書類の保管などを保管するニーズなどが多いのが特徴です。 |
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近年はリモートワークの浸透や事務所のフリーアドレス化が進み、事務所をコンパクトにして収納をトランクルームに切り分ける使い方も多く見受けられます。 |
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法人の書類・備品置場として利用する場合には、郊外の大手倉庫ではなく「会社のそばですぐ取りに行けるスペース」が使いやすく、オフィスの延長・荷物用の拠点としてのトランクルーム利用が人気です。 |
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3. 小規模EC/フリーランスの在庫・機材保管 |
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都内はEC事業者、個人事業主、クリエイターが非常に多い街です。 |
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仕事道具・作品・機材・在庫を「家に置けない」という課題は、特にワンルーム・1LDKに住む事業者にとって深刻です。 |
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これらを“家と仕事場の中間地点”に置けるメリットは大きく、都内の屋内型トランクルームは小規模事業者の“ミニオフィス的な役割”も担い始めています。 |
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4. ラストワンマイル拠点としての活用(物流用途) |
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荷物を配送しに行ってもお届け先が留守の場合などに再度配達が必要になる(業務が増え、コストがかかる)配送会社の再配達課題は、今や社会において深刻な問題となっています。 |
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中でも東京都の宅配再配達率は、全国の中でも高い傾向※7があります。 |
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その対策として、物流会社がトランクルームを「都市部の小型拠点」として利用する動きが広がっています。 |
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といった用途で、都市型トランクルームの“倉庫にも店舗にもならない絶妙なサイズ感”が活かされています。 |
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トランクルームは、この用途との親和性が高く、物流の効率化に役立っています。 |
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特に、24時間いつでも安全に使える仕組みが、この物流用途において非常に便利で有効な要素です。 |
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※7 国土交通省「再配達実態調査」および宅配便サービス企業の公表資料による |
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https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/sosei_freight_tk_000007.html |
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東京23区でトランクルーム供給が集中する理由(立地・人口・商圏特性) |
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東京都全体のトランクルーム供給数のうち、約40%が23区内に集中しています(推計)。 |
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その理由として、3つの要因が挙げられます。 |
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1. 人口密度の高さが稼働率を押し上げる |
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トランクルーム事業の収益性は、 |
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稼働率 × 継続率 × 小口単価 |
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で決まります。 |
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先ほど、人口密度比較では東京都が全国平均の約19倍とお伝えしましたが、もちろんその大部分が東京23区内に集中しています。 |
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特に、利便性の高い駅周辺に住みたいと考える方は多く、住居が密集しているため、駅に近いトランクルーム店舗では1~2km圏に十分な需要が見込めます。 |
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中には、トランクルーム店舗が常に満室で、近隣に新しい店舗ができる地域もあります。 |
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店舗数が増えると、「自宅により近い」トランクルームを選びたいというニーズや、「従来の店舗より近くにできて利用検討圏内になった」と考える方も出てくるようになり、「生活圏に自宅近くの便利なトランクルーム店舗が増えること」が需要拡大において重要なポイントとなっています。 |
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2. 住宅の狭小化が“構造的な需要”を生む |
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単身・共働き・DINKS世帯の暮らしでは、「立地を優先すると広さが犠牲になる」という現象が起きやすいといえます。しかし、先に述べたように、通勤・通学・生活活動など、日々の生活における移動効率・利便性の意味で、「広さより立地を優先する」住宅選びをする方が多い傾向にあります。 |
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つまり、立地による日々の利便性と引き換えに、生活空間が広く取れず、収納スペースも制限される傾向があるのです。 |
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収納スペースが狭いと、生活に必要なものをリビングなどの生活スペースに置く必要が生じ、ますます生活空間が手狭になってしまいます。動線が限られ、部屋での過ごし方や滞在人数にも影響が出てきます。 |
このように、収納不足は“生活の質”に直結するため、トランクルームを活用した外部収納の需要が継続的に発生します。 |
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3. 地価が高くても成立するビジネスモデル |
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一般的な店舗やオフィスは地価が高いとビジネスにおいて高負荷となりやすものですが、 |
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トランクルームは“部屋を区分けして多くの方が利用できる”構造のため、高い地価を多くの人数でカバーすることにつながり、ビジネスモデルとして成立しやすいといえます。 |
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たとえば、10~20室分の1~2平方メートル ユニットを貸すだけで、賃料収益は安定すると言われています。 |
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そのため、東京では「ビルの一角」「地下」「使われなくなったテナント」がトランクルームに転換される例が増加し、空間を有効活用する手段として注目されています。 |
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今後の都内トランクルーム需要はどう伸びるのか(将来性) |
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東京都のトランクルーム市場は、今後5年でさらに伸びると見込まれています。 |
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その代表的な理由として、4つの要因が挙げられます。 |
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(1)屋内型トランクルームの人気の高まり |
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普段の暮らしで活用するトランクルームという視点での利用が多く、安全性・空調・清潔さが求められる東京都では、屋内型トランクルームの比率が今後も高まっていくと予測されています。 |
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(2)住宅のミニマル化・単身化が続く |
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人口減少社会でも、都市には人が集まるため、生活空間の圧迫は継続します。利便性が高いけれどコンパクトな住宅はますます増加傾向にあり、そこには慢性的な収納スペース不足と、トランクルームが生活になくてはならないものとなる構造があります。 |
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(3)宅配型ストレージとの共存 |
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荷物を取りに行くトランクルームと、配送してくれる宅配型ストレージはユーザー層が重ならず、共存して市場を広げていくと予想されています。 |
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必要なときいつでもすぐ取りに行けるトランクルームは、日々の暮らしにおいてトランクルームが必須ツールとして活用されている東京都においては、引き続き多くの需要が見込まれています。 |
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(4)マンション併設型・住民専用型が増える |
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最近は「マンション内に住民用の収納庫」を併設する動きが増えており、 |
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“建物と収納のセット化” が進む未来が予想されます。マンションなどでのトランクルーム設置においても、既存のトランクルーム企業のノウハウを採用したり、住居の設計段階からトランクルーム企業とコラボレーションをするケースも多くなると予測されています。 |
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まとめ:東京の収納問題は「外に預ける」トランクルームで解消へ |
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今回は、都内特有の収納課題とトランクルーム利用の増加、そして将来性についてお話しました。 |
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東京都の暮らしは、家の広さよりも“便利さ”を選ぶ傾向が強いようです。その結果、住宅選びの時点で収納スペース不足の問題が生まれ、日々の生活のストレスとなり、外部収納サービスであるトランクルームが自然に選ばれるようになってきています。 |
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トランクルームは、単なる“荷物置き場”ではありません。生活を整えるための“自宅の延長であるもう一つの部屋”として機能し始めています。 |
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個人利用をはじめ、法人・個人事業主のオフィスの延長としての利用や物流拠点としても活用が進むトランクルームは、日本の都市機能が集中する都内において非常に重要な役割を果たしています。 |
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今後も、「生活 × 仕事 × 物流」が都内で交差する中で、トランクルーム需要は確実に伸び続けるでしょう。 |
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調査対象:トランクルーム市場調査 |
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調査期間:2025年11月1日~2025年11月21日 |
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調査方法:自社による集計 |
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調査機関:自社調査 |
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■会社概要 社名 :株式会社アンビシャス( https://www.ambitious8.biz/ ;) 所在地 :〒542-0081 大阪市中央区南船場1丁目3-5 リプロ南船場8F 代表者 :代表取締役会長 兼 社長 田中 正 資本金 :4,000万円 設立 :創業:平成17年10月28日、設立:平成18年7月25日 事業内容:トランクルーム投資「収納ピット」FC本部の運営 運営サービス「収納ピット」(https://www.syuno-pit.biz/) 不動産コンサルティング業 |
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