~尚美学園大学のFD研修アンケートから読み解く、教育改善につなげるための論点とは~
大学において学修成果の可視化とその活用が求められる中、導入そのものではなく「いかに教育改善につなげるか」が重要なテーマとなっています。
 
こうした背景のもと、尚美学園大学(所在地:埼玉県川越市、学長:永山 賀久)では、2027年度からの学修ポートフォリオシステム本格導入を見据え、主に教員の理解醸成を目的としたFD研修を実施しました。本FD研修では、導入の目的や活用の方向性について共有が行われるとともに、実施後のアンケートを通じて教職員の意識や現場の論点が可視化されました。
 
■ 学修成果の可視化が求められる背景
近年、大学においては、学修成果の可視化とその教育改善への活用が強く求められています。中央教育審議会の答申や認証評価の基準においても、ディプロマ・ポリシーに基づいた学修成果の把握と、それを教育改善にフィードバックする仕組みの構築が重要視されています。
一方で現場では、
学生の学びや成長が十分に可視化されていない
面談記録や指導情報が分散・属人化している
教職員間での情報共有に手間がかかる
といった課題が存在しており、「データはあるが活用されていない」状況も少なくありません。
こうした背景のもと、学修成果を可視化し、教育や学生支援に活かす基盤として、学修ポートフォリオシステムの導入が進められています。
■ 尚美学園大学における取り組み
尚美学園大学では、2027年度に学修ポートフォリオシステムの本格運用を見据えた準備段階として実施され、教職員が「どのように活用できるのか」を具体的にイメージすることを目的として今回のFD研修が実施されました。
当日は約70名の教職員が参加し、
学修ポートフォリオシステムによって、「何が改善されそうか?」
教職員の指導や実践と「どう関係するか?」
について共有が行われました。
■ 学修成果可視化の本質:学生の「自己理解」を支える仕組み
本FD研修では、学修ポートフォリオシステムの本質について、以下のように整理されました。
学修ポートフォリオシステムとは、学生自身が自らの学修成果を振り返り、成長を客観的に把握するための仕組みであり、学修のPDCAサイクルを回す基盤となるものです。
実際の教育現場では、
自分の強みが分からない
将来の方向性を描けない
といった課題を抱える学生が多く見られます。
こうした状況に対し、学修成果の可視化は、「自分は何ができるのか」を言語化するための土台であるという点が強調されました。
■ 教職員にとっての価値:効率化と質の向上の両立
学修ポートフォリオシステムは、学生だけでなく教職員にとっても大きな価値を持ちます。
本FD研修では、主に以下の観点から教育活動の質的向上につながる可能性が示されました。
学生情報の一元管理
 成績や活動履歴、面談記録などを一元的に把握でき、事前準備の負担を軽減
面談の質の向上
 事前に情報を把握することで、一貫性のあるタイムリーな対話が可能に
早期支援の実現
 GPAの低下などの兆候をもとに、支援が必要な学生を早期に把握
組織的な学生支援
 教員間・部署間で情報を共有し、シームレス支援体制を構築
■ アンケート結果:現場の声から見える期待と課題
本FD研修後に実施されたアンケート(回答者67名)では、教職員から多様な意見が寄せられ、導入に対する期待と今後の運用に向けた論点が確認されました。
特に「システムを使ってみたいか」という設問に対しては、88.1%が「使ってみたい」と回答しており、導入に向けた前向きな意識が醸成されていることがうかがえます。
一方で、自由記述からは、以下のような「導入に対する期待」とともに、「運用に関する論点」も明らかになりました。
教育・学生支援への活用に対する期待
 学修成果の可視化を通じて、学生の状況をより多面的に把握し、指導や支援に活かせるのでは ないかという期待が多く見られました。
 
運用にあたっての負担や定着に関する懸念
 一方で、新たな取り組みとしての運用負担や、実際の活用がどの程度定着するかといった点については、慎重な意見も確認され、無理のない形での運用設計や、継続的な活用を見据えた工夫の必要性が示唆されています。
 
運用設計の重要性に関する認識
 さらに、システムの機能だけでなく、学内でどのように活用していくかという設計や方針の明確化が重要であるという認識も見られました。
これらの結果から、
学修成果可視化への関心の高さとともに、その効果を十分に発揮するためには、導入後の運用設計や定着支援が重要であることが改めて確認されました。
■ 現場の課題を解決し、運用定着を支援する「学修成果MOE」
本FD研修の結果からもわかる通り、学修ポートフォリオシステムは「導入して終わり」ではなく、現場の負担を抑えながらいかに運用を設計・定着させるかが成功の鍵を握ります。
ハーモニープラスが提供する「学修成果MOE」は、大学における学修成果を定量的・構造的に可視化し、説明可能な形で整理するための指標・仕組みです。システムの提供にとどまらず、各大学の状況に合わせた無理のない運用設計や定着までをサポートし、教育改善という本来の目的達成を支援します。
学修成果の整理や外部説明、学内での活用をどのように進めるべきか、具体的な仕組みについては以下をご覧ください。
■ 「学修成果MOE」について
学修成果MOEとは、大学における学修成果を定量的・構造的に可視化し、説明可能な形で整理するための指標・仕組みです。
学修成果の整理や外部説明、学内での活用をどのように進めるべきか、その考え方や具体的な仕組みについては、以下をご覧ください。
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