~評価規格の創出により再生材の普及を推進~
素材開発を通じて再生材を高機能化する技術知見を有する株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:山崎敦義、以下TBM)と、材料分析から安全性評価までを一貫して手掛ける独立系の分析専門企業の株式会社クリアライズ(本社:茨城県ひたちなか市、代表取締役:関根善久、以下クリアライズ)は、PCR再生材*における規制化学物質の管理および品質保証スキームの共同開発を目的とした基本合意(Memorandum of Understanding、以下MOU)を締結しました。
本協業により、再生材の流通において最大の障壁の一つとなっていた、化学物質管理の不透明性を解消し、自動車業界をはじめとする高い品質・安全基準が求められる市場において、企業が安心して再生材を採用できる環境の構築を推進すると同時に、TBM独自の技術により、バージンプラスチックを上回る強度を兼ね備えた高機能再生材「CirculeX」の普及を推進してまいります。
*PCR(Post-Consumer Recycled):プラスチック製品など消費者が製品を使用した後に回収されるリサイクル材
背景
現在、各国でプラスチックの資源循環に関する法規制が強化されています。欧州では、新型車への再生プラスチック使用を義務付ける新たなELV(End-of-Life Vehicles)規則案の公表や*1、梱包材の再生材含有率を義務付けるPPWR(包装・包装廃棄物規則)の発効など*2、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みが加速しており、再生材の活用が強く求められています。国内においても、「プラスチック資源循環戦略」に基づき、2030年までにプラスチックの再生利用を倍増させる目標が掲げられるなど、官民を挙げた資源循環の動きが活発化しています。
こうした潮流を受け、再生プラスチック市場は国内外で強い成長トレンドにあります。国内市場は2024年に約1,719億円、2040年には約3,259億円規模*3に、また世界市場は2025年に約13.7兆円、2032年には約23.7兆円規模に達する*4と予測されています。
一方で、再生材のさらなる普及には、石油由来のバージンプラスチック(新品のプラスチック材料)と同様の厳格な化学物質管理が不可欠です。国内の「化審法・安衛法」や海外の「REACH/RoHS」、自動車業界独自の「GADSL」などの厳しい化学物質規制への適合証明が求められる中、多様なルートから回収される再生材においては、これらの管理ルールが未だ確立されていないのが現状です。特に、安全性と品質を最重要事項とする自動車メーカー等のエンドユーザーにとって、化学物質のリスク管理基準が不明確であるという見えないリスクが、再生材採用を阻む大きなジレンマとなっていました。
*1 JETRO(日本貿易振興機構): EU、自動車設計・廃車(ELV)規則で政治合意、設計段階から循環性を促進(EU)
*2 欧州連合日本政府代表部:EUのPPWR(包装・包装廃棄物規則)の概要
*3 株式会社富士経済:再生プラスチックやバイオマスプラスチックの市場を調査
*4 MarketsandMarkets:Recycled Plastics Market
 
協力内容
本MOUに基づき、TBMが素材開発で培った再生材の製造ノウハウおよび市場ニーズ・法規制に関する知見と、クリアライズが保有する質量分析等の高度な分析技術を活用し、再生材特有のリスクを可視化する新しい品質保証スキームの開発を推進します。単なる業務提携に留まらず、業界全体の課題である「再生材の化学物質管理ルール(評価規格)」そのものを共同開発することで、企業が安心して再生材を採用できる環境を構築すると同時に、使用済みのプラスチック由来のPCR材でありながら、バージンプラスチックを上回る強度*を兼ね備えた高機能再生材「CirculeX」の普及を推進してまいります。
*算出方法:JIS K 7171(曲げ強度)およびJIS K 7111(シャルピー衝撃強度)に準拠した試験でのPP(ポリプロピレン)との比較評価結果(自社調べ)。物性値は代表値であり、保証値ではありません。対象グレード:「高強度+低臭気グレード」、「高強度グレード」
・PCR再生材向けの新しい評価規格と品質保証スキームの共同開発
再生材に含まれる可能性のある規制化学物質の非含有を客観的に証明するための、新しい評価規格を共同開発します。TBMが持つ自動車業界等の市場ニーズや法規制情報と、クリアライズの知見を掛け合わせ、分析項目や合格基準を明確化した品質保証の仕組みを構築することで、業界標準の創出を目指します。
・高度な分析技術を用いた再生材向け分析手法の確立とリスク評価
クリアライズの質量分析等の高度な分析技術を活用し、再生材に特化した精密な分析手法の開発およびリスク評価を実施します。TBMは自社の再生材製造プロセスにおけるノウハウを提供し、実用性の高い評価体制を確立することで、これまで再生材採用の障壁となっていた不透明な化学物質リスクを解消します。 
・自動車業界等のハイエンド市場への導入支援およびソリューション開発 
基準が厳しく、これまで再生材の導入が難しかった自動車メーカー等のエンドユーザーに対し、信頼性の高いエビデンスに基づいた導入支援を行います。安全性が担保された高機能な再生材ソリューションを提案することで、ハイエンド市場における資源循環を加速させます。
 
■ 株式会社クリアライズについて
株式会社クリアライズは、日立グループ系の分析・計測技術を母体として設立された、高度な技術力を有する分析専門企業です。材料分析、構造解析、環境分析等の幅広い分野において、電子顕微鏡等を用いた高度な材料評価技術をベースにしつつ、LC/MS(液体クロマトグラフィー質量分析)やGC/MS(ガスクロマトグラフィー質量分析)といった最新の精密分析機器も駆使し、物理・化学の両面から多角的な受託分析・試験サービスを展開しています。製品の信頼性評価試験や寿命予測、微量成分の精密分析において高い専門性を有しており、国内外の法規制化学物質への対応や企業の品質保証体制を技術面から強力に支援する研究開発のパートナーとして、広範な産業界に対してサービスを展開しています。
 
高機能再生材「CirculeX(サーキュレックス)」について
「CirculeX」は、家庭から排出される容器包装プラスチックなどを原料に、TBMが素材開発で培った独自の配合・混練技術を活用して開発された高機能な再生材です。従来のPCR再生材において大きな障壁となっていた物性低下や臭気の課題を解決し、曲げ強度や耐衝撃度において従来のPCR再生材はもとより、バージンプラスチックを上回る強度を実現しています。顧客のニーズに合わせて「高強度+低臭気」など柔軟なグレード提案が可能であり、これまで臭気や強度不足が理由で再生材の採用が見送られてきた家具や家電部品、自動車の内装材など、屋内外問わず多様な製品用途での利用が可能です。
 
(関連サイト)「CirculeX」について:https://tb-m.com/business/circulex/
 
■ 株式会社TBM
代表者  :山崎 敦義
所在地  :東京都千代田区有楽町 1-2-2 15F
設立   :2011年8月
資本金  :1億円(資本準備金含み、120億3546万円 / 2024年12月時点)
事業内容 :環境配慮型の素材開発及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等
URL   :https://tb-m.com/
*本リリースに記載された会社名および商品・サービス名は当社の商標または登録商標です。
*本リリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。