Honda発のスタートアップ「PathAhead」設立、総額1.36億円の資金調達を実施 ~世界初、砂漠の砂を高耐久な道路インフラ資源へ変革する人工骨材「Rising Sand」を開発~
本田技研工業株式会社の新事業創出プログラム「IGNITION」発のスタートアップであるPathAhead株式会社(パス アヘッド、本社:東京都港区、代表取締役:伊賀将之)は、インキュベイトファンド株式会社をリード投資家とし、株式会社サイバーエージェント・キャピタル、本田技研工業株式会社を引受先に、総額1.36億円を資金調達しました。
創業の背景と解決する課題
昨今の世界的な建設需要の拡大により、道路舗装に不可欠な「天然骨材(砂・砂利)」の不足が深刻化しています。一方で、無尽蔵に存在する砂漠の砂は、粒径や形状の問題から建設資材としての活用が難しく、未利用のまま放置されてきました。
特にアフリカ地域では、急速な経済発展の裏で道路舗装率が約20%$^{※1}$と低水準にとどまっています。さらに、産地によって強度がばらつく天然資源に依存しているため舗装済み道路の劣化も進んでおり、物流コスト上昇などの経済損失につながっています。
 
砂漠の砂を造粒した高品質な人工骨材「Rising Sand」
PathAheadは、この課題を解決するため、世界初となる砂漠の砂を活用した人工骨材「Rising Sand」を開発しました。代表の伊賀がHondaの材料研究センターで11年間にわたり培った素材研究・自動車向け鋼板開発の知見を建設領域に応用しています。
独自の造粒技術(特許出願中): 100μm程度の微細な球状の砂漠の砂を、数十mm単位の粒径へと均一に造粒します。
圧倒的な高耐久: 従来の天然骨材と比較して約2.5倍$^{※2}$の耐久性を有し、一般的な天然骨材道路の耐久年数(約10年)を大幅に上回る、20年以上$^{※2}$の長寿命化を実現します。
大幅なコスト削減: 道路修繕の頻度を低減することで、ライフサイクルコストを従来の約60%$^{※2}$に抑えることが可能です。砂漠の砂など現地調達可能な資源を用いることで、天然骨材と同等の価格での提供を目指します。
 
※1 米国中央情報局(CIA)「The World Factbook」をもとにPathAheadが独自に試算
※2  PathAhead調べ
 
今後の展開
事業化の第一歩として、2027年よりケニア、タンザニア連合共和国、南アフリカ共和国の3か国において、約3年間の実証実験を開始します。現地の気候や交通条件を踏まえた施工性・耐久性の検証を行い、量産に向けた仕様を確立します。その後、2028年にケニアにて自社工場を設立し、アフリカ地域の建設事業者向けに「Rising Sand」を安定供給する体制を構築する予定です。
 
代表取締役CEO 伊賀 将之 コメント
Hondaでは四輪の材料研究開発やモビリティの基礎研究に取り組んできました。そうした経験を通じて培った技術と視点を、スピード感をもって社会課題の解決に直接つなげたいという思いからPathAheadを創業しました。アフリカ地域では、道路の耐久性の低さが人々の移動や経済活動の大きな制約となっています。PathAheadは、高耐久な道路素材を提供することで、つくって終わりではなく、持続可能な道路網の構築に挑戦します。技術の力で『道』を起点に、人々と社会が持つ無限の可能性を解き放っていきます。
 
 
投資家からのコメント
インキュベイトファンド株式会社         代表パートナー 赤浦 徹氏
伊賀さんの最大の魅力は、その誠実さと、周囲を自然と巻き込んでいく人柄にあります。自らの技術で世界の課題を解決したいという強い意志を持ち、起業に踏み切られた覚悟に心を打たれました。砂漠砂から従来比2倍以上の耐久性を持つ骨材「Rising Sand」を製造する技術は、アフリカの道路インフラ課題を根本から解決するポテンシャルを秘めており、日本発のディープテックがグローバル市場を変革する未来を確信しています。
株式会社サイバーエージェント・キャピタル   シニア・アソシエイト 矢崎 啓太氏
「この度、PathAhead社にご出資させていただく機会を頂戴しました。 PathAheadは、日本を代表する企業の一社である本田技研工業を飛び出して、アフリカの道路をアフリカの砂から作るという非常にユニークなチャレンジをする会社です。日本の技術を海外で事業化する、伊賀さんの壮大な挑戦にご一緒できることが非常に楽しみです。 アフリカでのビジネスや、骨材開発に関心のある方はぜひご連絡ください。」
※3 3月時点
株式会社本田技術研究所 代表取締役社長     IGNITION事業化判断会議長{※3} 大津 啓司氏
「Hondaは、モビリティを通じて世界中のお客様に『自由な移動の喜び』を提供するため、従業員一人ひとりが夢を持ち、強い想いをもってチャレンジを続けています。今回、モビリティの素材研究で培われた伊賀さんの技術とアイデアが、インフラという新たな発想へとつながり、社会課題の解決のためのソリューションとして形になりつつあることを心強く感じています。Hondaは、IGNITIONを通じて本取り組みを継続的に支援するとともに、社内外のパートナーとの共創をさらに加速させ、これからも新しい価値の創造と社会課題の解決に取り組んでいきます。」
会社概要
- 社名: PathAhead株式会社
- 代表者: 代表取締役 伊賀 将之
- 所在地: 東京都港区三田3-5-27 住友不動産東京三田サウスタワー10F
- 設立: 2026年2月
- 事業内容: 道路舗装材料および建設材料の販売、道路舗装材料の研究開発
- 公式HP: https://pathahead.jp/ 
- 採用情報: https://pathahead.jp/career