脳の"聞く力”を鍛え難聴を改善するブレインテックスタートアップ株式会社neumoに、バイオヘルスケアVCのD3LLCがシリーズA出資
脳神経科学の応用し"聞こえ"を鍛え、認知症予防へ ~脳の音声処理に介入する聴力トレーニングアプリ「キクモア」の社会実装を加速~
バイオヘルスケア特化型ベンチャーキャピタルのD3 LLC(東京都渋谷区、マネージング・パートナー永田智也)は、運用するファンドを通じて、脳神経科学スタートアップ株式会社neumo(東京都渋谷区、代表取締役CEO:若林龍成、以下「neumo」)によるシリーズA第三者割当増資を引き受けました。
ブレインテックの黎明期から走り続けてきたチーム 
neumoは、UI/UXコンサルティングファームbeBitの共同創業者であった若林氏らが、2017年にbeBit社からスピンアウトして設立した、国内ブレインテックのパイオニアです。
創業以来、東京大学、京都大学、慶應義塾大学、産業技術総合研究所、国際電気通信技術研究所などの主要研究機関や、国内大手製薬・IT・メーカー各社との取引を通じ、脳神経科学の専門家として信頼を築いてきています。
 
neumoは、現在の科学水準で実装可能かつ社会的意義の大きい領域を探索し続けた結果、加齢に伴う「聞こえ」の課題に着目。聞こえの トレーニングアプリ「キクモア」の開発に至りました。
 
聞こえトレーニングアプリ「キクモア」:耳ではなく"脳"を鍛える 
加齢に伴う聞こえの課題は、耳だけでなく、音を処理する脳の働きの衰えにも起因します。「音は聞こえているのに、言葉が聞き取れない」という、いわゆる"隠れ難聴"に悩む方は、難聴と診断される方の2~3倍存在すると推定されています。
 
『音は聞こえているのに、言葉が聞き取れない』--加齢に伴う聞こえの課題は、耳だけでなく、音を処理する脳の働きの衰えにも起因します。キクモアは、この脳の"聞く力"をスマートフォンで鍛えるトレーニングアプリです。 ニューロフィードバック技術をベースに、聴覚野・前頭葉・脳幹を活性化します。
初期PoCでは、雑音下での聴き取り能力を示すSN比が3.1dB改善。加えて、「家族の声を聞き返さなくなった」「テレビの音量を下げても聞き取れるようになった」といった日常生活での効果も確認されています。     
 
聞こえに不安を感じても、できることは補聴器以外にほとんどありませんでした。キクモアは、補聴器の有無にかかわらず、脳の聞く力にアプローチする新しい選択肢です。   
 
認知症予防における有望な早期介入点としても大きな期待 
neumoの取り組みは、認知症予防の観点からも注目されています。2020年The Lancet誌掲載のレビュー論文(Livingston et al., 2020)では、難聴は予防可能な認知症リスク要因のうち最大の寄与度(約20%、同論文推定値)を持つと報告されています。     
アルツハイマー型認知症は診断時点で既に神経細胞の損失が進行しており、薬物療法では進行抑制にとどまります。一方、難聴は認知症発症に先行するケースが多く、「隠れ難聴」の段階から介入できる、数少ない現実的な早期アプローチとして期待されています。
WHOも2019年ガイドラインで難聴を認知症リスク要因と明示。社会的関心は急速に高まっています。
サイエンスを重視:アカデミアとの強固な連携
neumoは、アカデミアと連携し、実臨床での有効性検証と作用機序解明を進めています。
韓国基礎科学研究院神経科学イメージング研究センターHakwan Lauセンター長(元 UCLA終身教授)、テルアビブ大学のTalma Hendler教授など、世界第一線の脳神経科学者からも助言を受けて研究開発を行っており、2025年下期からは、雑音下聴取能および記憶想起機能の改善効果を測定する共同研究を慶應義塾大学病院と実施しています。
 
 脳神経科学の社会実装応用による社会的インパクト創出
neumoの取り組みは、かんぽ生命保険株式会社の「責任投資レポート2025」(p.84)においても、社会課題解決に貢献するスタートアップとして紹介されています。
D3LLCは、neumoが、(1)聞こえに困る方々のQOL向上、(2)難聴患者数と家族・介護者負担の軽減、(3)長期的な認知症リスクの低減という多層的な社会的インパクトをもたらすものと期待しています。
 
neumo 代表取締役CEO 若林龍成 コメント
人間の脳には、年齢を重ねても聞く力を取り戻せる可塑性があります。しかしこの科学的事実は、まだほとんどの方に届いていません。聞こえに不安を感じても『年だから仕方ない』で終わってしまう。
neumoは創業以来、この可塑性を実際のプロダクトに落とし込むことに取り組んできました。
 
キクモアは、特別なハードウェアを使わず、スマートフォンだけで脳の音声処理を鍛えるアプリです。トレーニングを続けた方から『聞き取りやすくなって、久しぶりに友人を誘って出かけてみた』という声をいただいています。聞こえのトレーニングは数値だけでなく、気持ちにも変化を起こします。
 
D3 LLCという、サイエンスの価値を正しく評価できるパートナーを得たことで、研究とプロダクトの両輪をさらに加速してまいります。    
D3 LLC マネージング・パートナー 永田智也 コメント
neumoは、ブレインテック黎明期から、民間・事業の立場から脳神経科学の応用に真摯に向き合ってきた、国内では稀有な専門性と経験を持つチームです。
難聴はQOL・人間関係・認知症リスクに関わる重要課題でありながら、有効な「改善」の選択肢がほとんど存在しませんでした。
neumoの脳科学に基づくユニークなアプローチが、この空白を埋め、世界の人々に貢献することを確信しています。
 
株式会社neumo 会社概要
会社名:株式会社neumo
代表者:代表取締役CEO 若林龍成
所在地:東京都渋谷区恵比寿南1-11-19
設立:2017年8月21日
事業内容:脳神経科学に基づく社会課題の解決(聴力トレーニングアプリ「キクモア」の開発・提供)
Web:https://neumo.jp/
プロダクトサイト(キクモア):https://kikumore.net/
D3 LLC について
D3 LLCは、「日本発・世界の医療健康に貢献する」をパーパスに掲げる、バイオヘルスケア領域特化型のベンチャーキャピタルです。サイエンスとビジネス双方の専門性を持つプロフェッショナルから構成され、グローバルスタンダードの投資を標榜しています。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)認定VCであり、その他、研究開発関連の国家プロジェクトも支援しています。
 
会社名 :D3 LLC
代表者: 代表パートナー 永田智也
所在地: 東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー18F
設立: 2017年2月
WEB: https://www.d3growth.com/