EU新規制への対応と、より分かりやすい消費者コミュニケーションを実現
責任ある養殖水産物を推進する国際的な非営利団体であるASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)は、新しいASCラベルおよび更新されたパッケージ上の主張文を発表しました。新しいASCラベルは、消費者にとってより分かりやすく認識しやすいデザインを採用するとともに、EUにおける新たな規制要件への対応を目的としています。
 
新しいASCラベル
 
 
 
コーポレートロゴ
 
今回の変更は、EUの「Empowering Consumers for the Green Transition Directive(EmpCo)」への対応を背景としたものです。EmpCoは、環境・サステナビリティに関する主張やサステナビリティラベルに対する要件を強化するもので、EU加盟国は2026年3月27日までに国内法へ移行し、企業は2026年9月27日までに新たな要件に適合する必要があります。
 
ASCは2025年を通じて欧州委員会や各国当局との協議を重ねてきましたが、2026年に入りEU加盟国ごとの執行方針が明確になる中で、一部の国ではより厳格な解釈が行われる可能性があることが分かりました。これを受け、ASCはパートナー企業の規制リスクを最小限に抑えるため、慎重かつ将来を見据えた対応として、新しいラベルと更新された主張文への移行を進めることを決定しました。
 
新しいASCラベルは、これまで15年以上にわたり築いてきたASCブランドの価値を維持しながら、よりシンプルで認識しやすいデザインへ刷新されています。消費者調査では、新しいデザインは従来ラベルと同等以上の評価を獲得し、一部項目では認知度や購買意向の向上も確認されました。また、より小さなパッケージへの対応、白黒版や横型など多様な使用形式への対応など、実務上の柔軟性も向上しています。
 
新しいASCラベルを製品に使用する場合は、必ず更新されたASC主張文を併記する必要があります。主張文は3つのバージョンが用意されており、新しいラベルの意味を補足する役割を果たします。なお、ASC認証制度そのものに変更はなく、ASC基準、審査モデル、第三者認証プロセスは従来どおり維持されます。今回の変更は、パッケージ上の表示方法や主張文の見せ方に関するものです。
 
EU市場向け製品については、2026年3月16日よりMSCIによる新しいラベルおよび更新された主張文を使用したデザイン申請が開始されており、2026年7月1日以降は新しいラベルを使用したデザインのみが受け付けられます。EU市場以外の製品については、2026年10月1日から申請が可能となり、世界全体では2027年12月31日までに新しいラベルへの移行が進められる予定です。
ASCは今後数週間以内に、新しいASCラベルユーザーガイドや追加のマーケティング支援資料を順次公開し、パートナー企業のスムーズな移行を支援していきます。詳細はASC公式ウェブサイトをご確認ください。https://jp.asc-aqua.org/using-asc-label/
 
 
■ASC (Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)について
ASC (Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)は、環境や地域社会、労働者に配慮した責任ある養殖業を推進する国際的な非営利団体であり、養殖水産物に関する認証制度を運営しています。新しいASC養殖場基準は:
FARM(法令遵守と倫理的な運営)
PLANET(環境への影響の低減)
PEOPLE(労働環境や地域社会への配慮)
FISH(魚の健康と福祉〈アニマルウェルフェア〉)
の4つの原則を柱としています。
 
2026年4月現在、世界126カ国で31,000品目以上のASCラベル付き水産物が販売されています。さらに、世界では2,588の養殖場と113の飼料工場がASC認証を取得しており、日本国内では45の養殖場と3の飼料工場が認証を取得しています。また、ASC認証水産物の加工・流通過程に必要なASC CoC (Chain of Custody)認証については、世界で3,119件、日本国内で218件が取得されています。
詳細はASCジャパン公式ウェブサイトをご覧ください。
https://jp.asc-aqua.org/