~コンセプトは「揺らぎ」 無機質なパイプ廃材(ステンレス)をインテリアに昇華~
大径薄肉パイプ(ステンレス・鉄・チタン)の製造販売を行うシンニチ工業株式会社(本社:愛知県豊川市、代表取締役社長:木下 雄輔)は、椙山女学園大学 生活科学部 生活環境デザイン学科(名古屋市千種区)と共に産学連携で“働く空間の整備”に取り組むプロジェクトの第3弾として進めてきたオフィスリフォームを完了し、利用を開始しました。 
 
 
本プロジェクトは、学生に対して、学んだことを社会にて実践する場を提供することを最大の目的としています。椙山女学園大学とのコラボレーション第3弾となる今回も、「卒業制作」として2名の学生に推進していただきました。学生ならではの自由な発想を最大限尊重しつつ、製造現場の「廃材」に新たな命を吹き込むアップサイクルを取り入れています。また今回は、大学との産学連携に留まらず、スタートアップ企業の循環型素材の活用や、当社と同じく「志を継ぐ」アトツギ企業の技術・若手アーティストとの橋渡し(パイプ役)を担うことで、感性に訴えかける今までにないオフィス空間を創出しました。
本プロジェクトでは、大学との産学連携を起点に、スタートアップ・地域のアトツギ企業・若手アーティストまで共創の輪を広げ、当社が目指す「社会との共創」を最大限表現した取り組みとなりました。
 
 
 
穂ノ原工場/食堂
穂ノ原工場/会議室
■ プロジェクトの核は、多様な主体を繋ぐ“パイプ役”としての社会的使命 
 
当社と椙山女学園大学・橋本研究室は、2022年4月より「働く空間の整備」を通じた人材育成と職場環境の向上に取り組んできました 。
第1弾(2022年度)は、本社工場休憩スペース・穂ノ原工場事務所のリフォーム、第2弾(2023年度)は本社工場食堂(ポリバレントルーム)刷新を経て、今回の第3弾(2024-25年度)は、より高度な共創へと進化しました。
この度の第3弾(2024-25年度)では、生活科学部 生活環境デザイン学科の戸嶌ひかりさんと堀毛星来さんの2名が、約1年4カ月にわたり本プロジェクトを牽引。当初の「海」というテーマから議論を重ね、最終的に「揺らぎ」というコンセプトに辿り着きました。一定ではない光の反射や素材の質感を活かし、働く人がリラックスしながらも刺激を受けられる空間を目指しました。
 
 
また、スタートアップ企業Spacewasp社の植物系廃棄物を活用した循環型の内装材やインテリアを導入。同じく建築系スタートアップVUILD社のデジタル技術を活用した木材加工支援サービスを利用し、オリジナルのテーブルを製作。さらには、当社と同じく“アトツギ企業”である株式会社ワーロンの伝統を背負いながら革新に挑む姿勢に共感し、100年企業の製品をテーブル天板の装飾に採用するなど、最先端のサステナビリティ素材と光の反射や素材の質感を組み合わせることで、無機質なパイプ廃材(ステンレス)を温かみのあるインテリアへと昇華させました。
学生が単に設計図面の作成やデザイン提案だけに留まらず、壁の塗装やオリジナルテーブルの制作といった「自主施工」を通じて、予算と納期のある「実社会におけるモノづくりのプロセス」の経験と学びの場の提供にも貢献しています。
 
 
3月上旬には、当社主催のアートコンペ優秀賞受賞者である寺前有海氏(東京藝術大学大学院卒)による、パイプ廃材を用いたアート作品「うずのうた/Spiral Resonance」を設置し、空間が完成いたしました。機能性だけでなく情緒的な価値を付加した本空間は、社員のコミュニケーションの場としてだけでなく、教育機関との連携成果を発信するショールームとしても活用してまいります。
 
 
この取り組みは、第1弾で椙山女学園大学と、第2弾では大学に加えて、地元(愛知)のアトツギ企業と、第3弾ではさらにスタートアップ企業2社(Spacewasp社・VUILD社)・地元アトツギ企業・若手アーティストへと、"共創の仲間"が着実に、そして発展的に広がってきた点が特徴的です。「大学との産学連携」を、単なる共同研究に終わらせず、社会全体との共創へと発展させるゲートキーパーと位置づけてきた、当社の一貫した意志の表れです。今後も、大学との連携を起点に地域企業・新産業・次世代クリエイター等との“共創の輪”をさらに広げていきたいと考えています。
 
 
■「社会との共創」へ 当社が描く次のステージ
 当社は今後も、製造業の確かな技術力と学生の自由な感性を掛け合わせ、BtoB企業でありながら地域や次世代と繋がる「開かれたモノづくり」を推進してまいります。
 具体的には、大学との協働を通じて学生にインターンシップ・アルバイト・プロジェクト参加などの多様な機会を提供し、ともに成長できる関係を育んでいきます。地元企業をはじめ、想いを同じくするパートナーとの共創もさらに広げ、新規事業の創出や若い世代が活躍できる現場づくりへとつなげていく考えです。 製造業の枠を超え、「志を持つ仲間と、社会に価値を生み出す場」を増やしていくこと――それが、当社が産学連携を続ける、最大の理由です。
 
 
 
【関係者コメント】
 
□橋本雅好准教授
3度目となる今回は、新しいチャレンジとして、植物廃材を再資源化し、内装材として活用する事業を推進している企業との協働も特徴です。学生たちのアイデアを快く受け入れていただき、自主施工では社員の皆さんも一緒に取り組んでいただけたことに感謝いたします。社員の皆さんがこれまでの場を含めて、どのように活用されていくのかが楽しみです。
 
□戸嶌ひかりさん
実際に使われる空間づくりに携わる中で、人の動きによって多様な使われ方が生まれることを実感しました。今回の取り組みを通して、食堂・会議室という枠を越えた、『働く場の新しいかたち』を提案できたことを嬉しく思います。この空間が日常の中で自然に使われ、社員の皆様にとって心地よく、これからの働き方につながる場として育っていくことを願っています。
 
□堀毛星来さん
理想の空間をつくり上げるために、何度も話し合いを重ね、全員で創り上げた空間を実際に目し、大きな感動を覚えました。この貴重な経験を大学生のうちにさせていただけたことに、本企画に携わっていただいたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
 
 
【会社概要】
 
社名   :シンニチ工業株式会社
代表   :代表取締役社長 木下 雄輔
本社所在地:愛知県豊川市平尾町天間48番地
TEL   :0533-88-4151
URL   :https://www.shinnichikogyo.co.jp
設立   :1970年(昭和45年)9月22日
資本金  :7,120万円
事業内容 :大径薄肉パイプ(ステンレス・鉄・チタン)の製造販売
 
 
【シンニチ工業とは】
 当社は1970年の創業以来、独自の成形技術を用いた「大径薄肉パイプ」の製造で日本の産業を支えてきました。私たちは自社を、モノを作るだけでなく、異なる技術や感性を繋ぎ合わせる“パイプ役”であると定義しています。
経営の指針として掲げるパーパス・行動指針は、創業半世紀を機に、これまでのトップダウンではなく、自分たちで会社の未来を描こうという思いのもと集まった13人のメンバーで、約1年間かけて見直し作り上げました。
 
 
■パーパス(存在意義):「シンニチにしか出来ない価値で、すべての人を幸せにする」
 
■シンニチイズム(流儀、信念):「挑戦 協奏 追及 貢献 誠実」
 
産学連携やスタートアップ、芸術家とのオープンイノベーションを通じて、無機質なパイプ廃材(ステンレス)に「情緒的な価値」を吹き込み、次世代が憧れる製造業の姿を追求し続けています。
 
 
 
 
参考資料
パース 食堂
パース 会議室
Spacewasp社製の壁材
Spacewasp社製のテーブル・照明シェード
VUILD社のEMARFで製作したテーブル(会議室)
VUILD社のEMARFで製作したテーブル(食堂)
ワーロンシートで装飾したテーブル
寺前有海作「うずのうた/Spiral Resonance」