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●日本自然保護協会は「(仮称)北海道厚田風力発電事業」の環境影響評価準備書に対し意見書を提出 |
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●本事業は、オジロワシのバードストライク(衝突)リスクが過去全ての風力発電事業の中でも著しく高く、取り返しのつかない自然破壊を招く懸念がある |
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●事業予定地は、石狩市が策定した風力発電ゾーニング計画書で「環境保全を優先すべきエリア」とされる区域に該当 |
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●事業者は本計画を「ネイチャーポジティブの実現」と謳っているが、実態を伴わない「グリーンウォッシュ」と言わざるを得ず、本計画の中止を含む抜本的な再検討を強く求める |
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公益財団法人日本自然保護協会(理事長:土屋 俊幸)は、「(仮称)北海道厚田風力発電事業(事業者:東急不動産株式会社、最大 64,500 kW、基数:15 基程度)」の環境影響評価準備書(作成委託事業者:一般財団法人日本気象協会、以下本アセス図書と言う)に対し、オジロワシをはじめとした多くの絶滅のおそれのある猛禽類に対し甚大な影響を及ぼしかねず、計画中止を含む抜本的な再検討を求め意見書を提出しました。事業者の掲げる「カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの同時実現」を真に進めるために、地域の意向を重んじ、計画地における希少鳥類をはじめとした生物多様性への影響回避を最優先するよう計画そのものの見直しを強く求めます。 |
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写真:佐々木邦夫氏 提供 |
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意見書の主なポイント |
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1.過去に例を見ないほどオジロワシの衝突リスクが高く、計画中止を含む事業の再検討を行うべき |
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本事業の計画地では、オジロワシ(絶滅危惧II類)やハチクマ(準絶滅危惧)など多数の絶滅のおそれのある猛禽類の生息・飛翔を確認。本アセス図書において、オジロワシのブレード等への接触確率は一般的な衝突リスク基準の10~24倍以上という異常な数値が示されている。これは、稼働直後からバードストライクが多発し運転停止を余儀なくされている「浜里ウインドファーム(北海道幌延町)」の衝突予測確率をも上回るものであり、本事業においても同様、あるいはそれ以上の重大な事態が発生する蓋然性が極めて高い。 |
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図.近年事業実施区域内でオジロワシの飛翔が確認された事業での環境アセス図書(準備書・評価書)で示されているオジロワシ衝突確率 |
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2024年度以降に環境アセス図書(準備書・評価書)を提出した15事業(本事業を含む)と2019年に評価書を提出した浜里ウインドファーム(環境省モデルのみ掲載)における比較。なお、浜里ウインドファームはオジロワシの大量バードストライクの発生を受け、2026年1月以降現在も日中稼働を中止している(2026年4月時点)。他事業と比べても本事業の衝突確率が著しく高いことがわかる。 |
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表.近年事業実施区域内でオジロワシの飛翔が確認された事業での環境アセス図書(準備書・評価書)で示されているオジロワシ衝突確率 |
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2.石狩市による風力発電ゾーニング計画書との整合性を図るべき |
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計画地は、石狩市が地域固有の自然環境や社会環境など多様な視点から策定した「風力発電ゾーニング計画書」において「環境保全を優先すべきエリア」と定められている。事業者独自の調査結果(森林性鳥類に偏った評価など)を根拠にこれを否定し事業を強行することは、地域の意向を無視した独断的な行為であり、全国で進む地域主体のゾーニングの取り組みを軽視する不適切な先例となりかねない。 |
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3.本事業予定地でのネイチャーポジティブ推進方策はグリーンウォッシュにほかならない |
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事業者は本事業が「ネイチャーポジティブ」や「30by30」の実現に資すると主張し、牧草地跡地などの自然再生計画を掲げている。しかし、希少猛禽類のバードストライクという重大な悪影響から目を背け、既存の草地環境を植樹によって消失させる行為は、IUCN(国際自然保護連合)の「ミティゲーションヒエラルキー(影響軽減の優先順位)」から完全に逸脱している。環境配慮を装いながら実態として破壊を伴う本計画は「グリーンウォッシュ」であり、真にネイチャーポジティブを推進するのであれば、本計画を中止し、影響の低い土地を再選定し事業を遂行すべきである。 |
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<参考>公益財団法人 日本自然保護協会について |
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自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、今でも日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。 |
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http://www.nacsj.or.jp/ |
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