オンラインゲームにおけるリアルタイム通信技術をドローンの制御に活用するデュアルユース研究開発
株式会社 Diarkis(東京都渋谷区、代表取締役CEO:高橋 信頼、以下「Diarkis」)は、JISDA株式会社(東京都千代田区、代表取締役:國井翔太、以下「JISDA」)が設立した防衛・技術安全保障のための無人アセットコンソーシアム「RISE(Resilient Initiative for Unmanned Systems Engineering)」に参画しました。これにあわせて、両社はRISEの枠組みのもと、無人機群の統合運用を支える通信基盤の構築、および機体間の状態共有・接続管理・指揮統制に関する技術連携を開始します。
 
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000179032.html
 
■協業の背景 
無人機の性能向上が続く中、今後の競争力を左右するのは機体単体の能力だけではありません。複数の機体をつなぎ、群れとして一体的に動かせるか。その仕組みの巧拙が、運用の成否を大きく左右するようになっています。
 
将来的に、ドローン通信のデジタル化やHAPS(高高度プラットフォーム)・上空基地局の普及、海上運用におけるLTE/5GベースのIP通信の一般化が進めば、機体群を束ねる通信・制御の仕組みの重要性はさらに高まります。機体ごとの通信を確保するだけでなく、群全体への指令の一斉配信、各機の状態をリアルタイムで把握・共有する仕組み、そして多数の機体を束ねて統合的に動かす制御基盤が、実運用の中核を担うことになります。
 
Diarkisはこれまで、オンラインゲームの分野でリアルタイム同期・低遅延な指令伝達・大規模同時接続・クロスプラットフォーム対応といった技術を培ってきました。こうした知見は、異なるメーカーや仕様の機体が混在する無人機群の接続環境の設計に直接応用できるものです。
 
群制御の高度化においては、個々の機体間の通信だけでなく、その上位に位置する「群としての動かし方」の設計が重要になります。何台の機体をひとつのグループとして扱うか、どのグループにどの指令を送るか、各機の状況をどの程度の細かさで把握・共有するか。こうした設計が、無人機群で実現できる任務の幅を決めます。グループ分けや接続の管理を通信基盤側が自動的に担い、作戦の立案や任務の割り当てはAIや上位システムが判断するという分業が、実現可能なアーキテクチャとして両社の検討の軸となります。
 
JISDAが持つ運用現場に根ざした構想力と、Diarkisが持つ分散リアルタイム通信の技術を組み合わせ、無人機群の統合運用に向けた基盤を共同で構築していきます。
 
■共同で取り組む主な内容
1.無人機群の統合運用を支える通信基盤の検討 
将来的なLTE/5G/6GベースのIP通信の普及や、HAPS・上空基地局の活用を前提に、機体群全体への指令配信・状態共有・イベント同期を担う通信基盤のあり方を検討します。個々の機体間の通信にとどまらず、群として一体的に動くために必要な論理構造とメッセージ設計を整理します。
 
 2.多数機の接続管理と指揮統制の仕組みの検討 
多数の機体が参加する群運用において、各機体・各グループをどのように管理し、どの粒度で制御・同期するかを検討します。グループ分けや接続管理を通信基盤側で自動化し、任務の割り当てや行動の判断はAI・上位システムが担う構成を前提に、具体的な実装方式を検討します。
 
また、各機体から集まる状態・観測情報を統合的に扱い、群全体の状況認識を高める情報伝達の設計にも取り組みます。将来的な海上・広域での運用を見据え、何をどの頻度でどの単位に配信・共有するかを整理し、現場の判断を支える上位システムの設計を深めます。
 
 
 3.シミュレーションを活用した開発・検証環境の整備
実機運用に先立つ検証の場として、シミュレーションとリアルタイム通信基盤を連携させた開発・検証環境を整備します。多数の機体を仮想空間上で再現し、グループ分けの動作・状態共有・指令配信・障害発生時の挙動を評価できる環境を構築することで、開発サイクルの効率化を図ります。
 
両社はRISEの枠組みも活かしながら、無人機群の統合運用を支える通信基盤と制御の仕組みの具体化を進めます。将来的な海上・広域での運用において安定したIP通信環境が整うことで、群としての機体が担える任務や行動の幅は大きく広がります。本協業を通じて、機体単体の性能向上にとどまらない、群全体としての知能化・統合運用能力の高度化に向けた基盤づくりを推進します。
 
各社のコメント
JISDA株式会社 代表・國井翔太 コメント
これまで日本の製造業や技術開発は、高い品質と現場力、そして着実な改良の積み重ねによって、大きな価値を生み出してきました。一方で、無人アセットの世界では、機体単体の性能に加え、それらをいかに接続し、群として統合運用できるかが、これからの競争力を大きく左右すると考えています。将来的に通信環境が高度化し、海上運用や広域運用でもIPベースの接続が一般化していけば、上位レイヤの設計こそが、無人機運用の幅を決める重要な要素になっていくはずです。
 
JISDAは、個別の技術を点で捉えるのではなく、運用要求から逆算して機体設計、通信・制御、供給、実装までを一つの流れとして構想することに価値があると考えています。今回の協業も、単に通信技術を導入することが目的ではなく、群全体への指令配信、状態共有、セッション管理、オーケストレーションをどのように設計すれば、無人機の運用可能性をより大きく広げられるかという問題意識に基づくものです。
 
そのような中で、分散リアルタイム通信において先進的な知見と高い実装力を持つDiarkisとご一緒できることを、大変光栄に思っております。また、このような機会をいただけたことに心より感謝しています。本協業を通じて、無人機分野にとどまらず、日本発の分散システム設計と実装の可能性を広げていけることを、非常に楽しみにしております。
 
株式会社Diarkis 代表・高橋 信頼 コメント
この度、JISDA社が主導するコンソーシアム「RISE」に参画し、無人アセットの群運用に向けた技術連携を開始できることを大変嬉しく思います。
 
現代の防衛・安全保障における最重要課題の一つは、膨大な数の無人アセットをいかに遅延なく、かつ確実に同期させ、単一の知能(群)として機能させるかという点にあります。Diarkis がオンラインゲームの領域で磨き上げてきた「Plexis」の分散リアルタイム同期技術は、まさに次世代指揮統制システム等の概念を具現化するための核心的技術です。
 
JISDA社が持つ運用構想力と、当社の高度な分散通信アーキテクチャを掛け合わせることで、通信環境が制限された過酷な戦域においても機能し続ける、レジリエントな無人アセット運用基盤を日本から発信してまいります。このパートナーシップが、日本の防衛テックにおける新たなスタンダードを構築する一歩になると確信しています。
■JISDA株式会社について
JISDA株式会社は、2025年11月に設立された、安全保障分野における高度な研究開発およびインテグレーションを行う防衛スタートアップ企業。国内外の運用現場に関する情報収集を通じて、技術シーズと防衛ニーズを統合的に追求する体制を有する。試作から量産に至る技術的基盤を自社内に保持するとともに、現場部隊の運用知見および中央省庁における制度設計・政策形成に関する理解を持っている。自由で開かれた市場を尊重する主体として、民間の立場から次世代の安全保障スタンダードを日本から発信することを目指す。
 
社名:JISDA株式会社
代表:國井翔太
所在地:東京都千代田区丸の内1丁目7-12 サピアタワー8F
事業内容:無人システム事業、サイバーセキュリティ事業、防衛医学に関する研究
HP : https://jisda.jp/
 
■株式会社Diarkisについて
株式会社 Diarkis は、「リアルタイム通信」における様々な課題を、テクノロジーを用いて解決する技術者集団です。当社のミッション "We connect the dots of the digital world" のもと、高並列・低遅延・高可用な分散リアルタイム通信基盤「Diarkis」を開発・提供しています。オンラインゲームから防衛、製造、モビリティに至るまで、多種多様な業界においてデジタル空間の神経網となるインフラ構築を推進しています。
 
社名:株式会社Diarkis
代表:高橋信頼、高尾壌司
所在地:東京都渋谷区恵比寿南3丁目1-1
事業内容:リアルタイム通信ミドルウェア開発
HPhttps://diarkis.io/ja