「リフレッシュできた?」はNGワード。100名のプロコーチが明かす、離職を防ぐ「最初の1分」と「10分間の対話術」
ゴールデンウィーク(GW)などの大型休暇は、社員にとって心身を休める機会である一方、自身のキャリアや現状を冷静に見つめ直す「離職の火種」が生まれる時期でもあります。
連休明けに突如として突きつけられる「会社を辞めたい」という言葉。多くの管理職が狼狽し、説得や励ましを試みますが、実はその初動こそが離職を決定づけるリスクを孕んでいます。
 
株式会社スーペリア(本社:東京都中央区、代表取締役:曽我香織  https://www.superiieur.com/)では、100名のプロフェッショナル・ビジネスコーチを対象に「連休明けの部下対応」に関するアンケートを実施。データから見えてきたのは、離職を防ぐために必要なのは解決策の提示ではなく、わずか「10分間の受容」であるという事実でした。
 
■ 調査概要

調査対象 現役ビジネスコーチ100名
調査方法 オンラインアンケート調査
調査実施者 株式会社スーペリア (https://www.superiieur.com/)
調査時期 2026年3月
 
■連休明けは「キャリアの再考」が加速する
 
100名のコーチへの調査では、連休明けに離職やキャリアに関する相談が増える傾向にあることが示されました。
 
「連休明け、退職の相談は増えるのか?」
※調査対象 現役ビジネスコーチ100名
多くのコーチが「休み明けのギャップで不安が表面化する」と回答。休暇中に「今の仕事は本当に自分がやりたいことか?」と自問自答する時間が生まれるため、連休明けは潜在的な不満が顕在化しやすい「組織の節目」となります。
 
■「10分の対話で離職は防げるか?」
※調査対象 現役ビジネスコーチ100名
驚くべきことに、プロのコーチの多くが「やり方次第で、10分という短時間でも離職意欲を抑制できる」と回答しています。ただし、その10分は「説得」の時間ではなく、部下の「心理的安全性を確保する」ための時間です。
 
■良かれと思ったその一言が「離職」を決定づける。3つのNG行動
※調査対象 現役ビジネスコーチ100名
では、休み明けの部下にどんな一言を掛けるべきなのでしょうか?
 
コーチへのアンケート結果から、管理職が無意識に発してしまいがちな「部下の心を折る言動」が浮き彫りになりました。
 
1.「リフレッシュできたでしょ?」という決めつけ
休みの質は人それぞれ。この問いかけは「休んだのだから明日から全力で働けるはず」という、部下への無言の圧力になります。
2.「今日からバリバリ頑張ろう!」という強引な鼓舞
心身のギアが入りきっていない状態での過度な期待は、部下にとって「この上司は自分の状態を見てくれていない」という不信感に繋がります。
3.信頼関係に基づかない「休日の詮索」
5W1H(どこで、誰と、何をした)の質問は、心理的に不安定な時期の部下には大きな重荷となります。
 
■【プロコーチの視点:10分の対話に込める「1分の聴く覚悟」
それでは、一体どのように休み明けの部下と接するのが理想なのでしょう。
 
今回の調査の中で、コーチを代表して森川 貴之氏は「10分の対話に込める、休み明けの部下との時間の本質」についてこう語りました。
 
外資系コンサルティングファームで新規事業に従事し、3,000名規模の社内リーダー育成を主導。ドイツ駐在や海外MBA取得などグローバル環境での経験を持つ。2025年にコーチング事業を法人化し代表取締役に就任。自治体連携などを通じてリーダー育成に携わっている。 何気ない言葉を丁寧に拾いながら思いや考えを言語化し、具体的な方向性を形にしていく対話を得意とする。
「管理職の方は急いで問題を解決しようと焦るが、それは上司の傲慢。プロは10分で『この人は味方だ』という確信を部下に持たせることに全力を注ぐ。解決しようとする姿勢を捨て、ただ相手の感情の隣に座る。その覚悟があるかどうかが問われている。」
 
10分という時間は、問題を解決するには短すぎますが、「一人の人間として大切にされている」という実感を与えるには十分な時間です。最初の1分は沈黙を恐れず、自分の正義を脇に置き、相手の言葉を待つ。テクニックを超えた「質の高い対話」こそが、組織の綻びを防ぐ唯一の手段なのです。
 
■ 「100人のビジネスコーチ直伝」シリーズについて