国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学(学長:吉田 和弘)、株式会社レゾナック(代表取締役社長CEO:高橋 秀仁)、三菱化工機株式会社(代表取締役:田中 利一)、東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一)、三浦工業株式会社(代表取締役:米田 剛)は、このたび、アンモニア・水素を利用したゼロカーボンエネルギーシステムの実証拠点を岐阜大学高等研究院地方創生エネルギーシステム研究センター内に開設しました。
本拠点は、国内トップレベルのアンモニア利用実証プラットフォームとして、2026年4月より始動します。今後は、アンモニア利用技術の「開発の場」にとどまらず、本格的な事業化を見据えた「共創型市場創出プラットフォーム」として発展していきます。
 
 概要
本拠点は、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)*1による戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)*2第3期課題「スマートエネルギーマネジメントシステムの構築」*3における研究開発テーマ「アンモニア・水素利用分散型エネルギーシステム」の中核として岐阜大学に整備する、国内トップレベルのアンモニア利用実証プラットフォームです。
 
2024年の水素社会推進法*4施行により、アンモニアは水素社会の実現を支える重要なエネルギーとして位置づけられ、「次の成長市場」として急速に注目を集めており、事業用発電分野での商用化に加え、産業・運輸・民生分野への展開が加速しています。
本拠点では、2028年度以降の社会実装を見据え、以下の事業化直結型システムの実証を推進します。
 
1) アンモニア・水素利用分散型コジェネレーションシステム(EMS統合型)(岐阜大学)
2) アンモニア改質器ユニット(レゾナック,三菱化工機)
3) ゼロカーボン工業炉(東京ガス)
4) ゼロカーボンボイラ(東京ガス,三浦工業)
5) ゼロカーボン7kW可搬型発電機(建設・災害・イベント用途)(岐阜大学)
2026年度から、ホテル、工場、建設現場等を想定した実用機規模での実証試験を開始し、性能評価・安全設計・経済性検証を同時並行で実施し、社会実装フェーズへの移行を加速します。
 
 特色
本拠点の機能において特筆すべきは、本設備がアンモニアガス200 Nm³/hを改質器用原料として安全に供給でき、また改質ガスとアンモニアガスとを混合可能なインフラを備えている点です。この規模での実証環境は国内でも極めて希少であり、燃焼機器メーカー、発電機メーカー、炉・ボイラメーカー、素材・触媒企業など、多様な業種が自社技術のスケール検証を迅速に行うことが可能です。今後はマッチングファンド方式*5により企業との共同研究を積極展開し、本拠点から新たな産業エコシステムを創出します。尚、本実証で使用するアンモニアは、使用済みプラスチックを原料の一部に用い、レゾナックがガス化ケミカルリサイクルにより製造した、環境性能の高い低炭素アンモニアです。
本拠点は、アンモニア利用技術の「開発の場」にとどまらず、事業化を見据えた「共創型市場創出プラットフォーム」として発展し、脱炭素社会の実現と新たなエネルギー市場の創出に貢献していきます。
 
*1:CSTIは、内閣総理大臣、科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的とした「重要政策に関する会議」の一つ。
*2:SIP は、CSTIが、Society5.0の実現に向けてバックキャストにより、社会的課題の解決や日本経済・産業競争力にとって重要な課題を設定し、基礎研究から社会実装までを見据えて研究開発を一気通貫で推進し、府省連携による分野横断的な研究開発、及びその成果の社会実装に産学官連携で取り組むことを目的として推進するプログラム。
*3:戦略的イノベーション創造プログラム(「SIP」)第3期課題「スマートエネルギーマネジメントシステムの構築」における研究開発責任者の決定について(2023年6月30日JST発表)
*4:水素社会推進法(正式名称:脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律)は、2050年カーボンニュートラルに向けて、水素やアンモニア等の低炭素エネルギーの供給・利用を促進するため、2024年10月に施行された法律。
*5:企業と大学が共同研究を行う際、企業が負担した研究費と同等の額を国や大学が支援し、研究成果の事業化を促進する。