株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生、以下「山田養蜂場」)の自社研究機関である、山田養蜂場 健康科学研究所(所在地:同上)は、九州歯科大学 生化学分野・口腔医学総合研究センター 古株 彰一郎 教授との共同研究により、ローヤルゼリーの特長成分である10-ヒドロキシデカン酸(デカン酸)の代謝物※1であるセバシン酸が、骨芽細胞および骨髄由来間質細胞に対し、細胞の分化に関わる遺伝子発現を高め、石灰化※2を促すことで、骨形成を促進することが明らかになりました。
ローヤルゼリーはこれまでに筋幹細胞に対する増殖・分化促進作用も報告※3されており、今回の成果により、筋肉と骨の両面から「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の予防・改善に寄与する素材として、さらなる期待が寄せられます。
本研究成果は、学術雑誌である『Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry』に論文掲載されました。
日本では、加齢に伴う筋肉や骨、関節などの衰えによって身体機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」が社会課題となっており、骨と筋肉などの健康維持は介護予防や健康寿命の延伸に欠かせません。
骨は、破骨細胞が古くなった骨を壊す骨吸収と、骨芽細胞が新しい骨を作る骨形成のバランスによって健康が保たれています。一方で、加齢や閉経、カルシウム・ビタミンK不足などにより骨吸収が優位になると、骨密度が減少し、骨粗しょう症を引き起こします。2015~2016年の調査では、国内の患者数は約1,590万人にのぼり、特に70代女性の約3人に1人が罹患しているとされ、早急な対策が求められています。
ローヤルゼリーは、身体機能の維持に重要な構成要素である骨・筋肉・脂肪の元になる間葉系前駆細胞へ働きかけ、各組織への分化を促すことが明らかになっています。また、閉経後女性への飲用試験において、骨密度減少の抑制や骨中カルシウム量の増加が報告されております。さらに、ローヤルゼリーの主要な脂肪酸であり、骨密度低下を抑制する作用が報告されているデカン酸は、体内でセバシン酸に代謝されることが知られています。そこで、本研究では、セバシン酸の骨形成への影響を明らかにすることを目的としました。
※1 代謝物…食べ物を体内で分解して、体の栄養やエネルギーにする働きである代謝によって産生された物質。
※2 石灰化…骨形成の過程で、骨芽細胞がカルシウムを沈着させ、骨を硬くすること。
1.セバシン酸は、骨芽細胞・骨髄由来間質細胞の骨形成を促進した
骨形成を誘導した骨芽細胞、間葉系幹細胞を含む骨髄由来間質細胞※4にデカン酸の代謝物であるセバシン酸を加えて5日間培養し、骨形成マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)の活性化を調べました。
その結果、骨芽細胞および骨髄由来間質細胞の両方で、セバシン酸を添加した際にALPが有意に促進され、骨形成が促進されました。
※4 骨髄由来間質細胞…骨髄組織から単離された細胞集団であり、骨芽細胞や骨幹細胞、間葉系幹細胞が含まれている。
骨形成を誘導した骨芽細胞、骨髄由来間質細胞に、セバシン酸を加えて3日間培養し、骨細胞の分化に関わる遺伝子発現を調べました。
その結果、骨芽細胞および骨髄由来間質細胞の両方で、セバシン酸を添加した際に、骨分化関連マーカーであり、骨の分化促進や、骨の形成(コラーゲンやタンパク質、石灰化)に関わるRunx2,Osx,Col1a1,Alp,Ocn,Bspの遺伝子発現が有意に増加し、骨分化が促進されました。
骨形成を誘導した骨芽細胞にセバシン酸を加えて10日間培養し、カルシウム染色により石灰化を調べました。
その結果、骨芽細胞にセバシン酸を添加した際、カルシウムの沈着が増加しました。つまり、セバシン酸によって骨芽細胞の石灰化が促進されることが示されました(図1)。
ローヤルゼリーの特長成分であるデカン酸は、体内で代謝されセバシン酸に変換されます。そのため、本研究では、この生体内で存在するセバシン酸に着目しました。そして、セバシン酸は骨芽細胞および幹細胞を含む骨髄由来間質細胞に対し、骨細胞への分化に関わる遺伝子発現を高め、石灰化を促すことで、骨形成を促進することが明らかになりました。
ローヤルゼリーはこれまでに筋幹細胞に対する増殖・分化促進作用も報告されており、今回の成果により、筋肉と骨の両面から「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の予防・改善に寄与する素材として、さらなる期待が寄せられます。
今後も、ローヤルゼリーやプロポリス、蜂の子などのミツバチ産品に関する有用性研究とその有用性を活かした商品開発を通して、予防医学の観点から「アピセラピー」を追究し、お客さま一人ひとりの健康寿命を延伸することで、社会に貢献してまいります。山田養蜂場 健康科学研究所
今後も、ローヤルゼリーやプロポリス、蜂の子などのミツバチ産品に関する有用性研究とその有用性を活かした商品開発を通して、予防医学の観点から「アピセラピー」を追究し、お客さま一人ひとりの健康寿命を延伸することで、社会に貢献してまいります。