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| (ポイント) | ||||||||||||
| 心アミロイドーシス患者で、右心房の動きの低下が新たな心房細動発症予測因子であることを明らかにしました。熊本大学を中心とする3施設共同研究で、熊本大学143例の解析に加え、大分大学・宮崎大学81例の外部検証でも同様の傾向を確認しました。診断時の心エコー検査を用いて将来の不整脈リスクを評価できる可能性があり、早期発見や適切な介入につながることが期待されます。 | ||||||||||||
| (概要説明) | ||||||||||||
| 熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学の九山直人特任助教、泉家康宏准教授、辻田賢一教授らの研究グループは、心エコー検査による心房機能解析を用いて、トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者における新規心房細動の発症予測を検討しました。その結果、従来よく注目されてきた左心房だけでなく、右心房の機能低下が独立して心房細動の発症と関連することを明らかにしました。 | ||||||||||||
| 熊本大学で診断された143例を解析したところ、追跡期間中央値30か月で42例(29%)に新規心房細動を認め、右心房ピーク縦方向ストレインが低い患者ほど発症リスクが高いことが示されました。さらに、大分大学・宮崎大学の81例からなる外部検証コホートでも同様の結果が得られました。これまで、心アミロイドーシス患者でどの指標が将来の心房細動を最もよく予測するかは十分に明らかではありませんでした。 本研究成果により、診断時の心エコー所見を用いた不整脈リスク評価が進み、ハイリスク患者のより綿密な経過観察や早期介入に活用されることが期待されます。本研究成果は、2026年3月21日に科学雑誌 Journal of the American Heart Association にアクセプトされました。なお、本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業の支援を受けて実施されました。 | ||||||||||||
| (説明) | ||||||||||||
| [背景] | ||||||||||||
| トランスサイレチン型心アミロイドーシス※1は、異常なたんぱく質が心臓に沈着して心不全を引き起こす病気です。この病気では心房細動※2がしばしば合併し、心不全の悪化や血栓塞栓症の原因となるため、発症を早く予測することが重要です。これまで、心房細動の予測には主に左心房の大きさや動きが注目されてきましたが、右心房の機能がどの程度関わるかは十分にわかっていませんでした。 | ||||||||||||
| [研究の内容] | ||||||||||||
| 研究グループは、2014年7月から2024年8月までに熊本大学病院で診断されたトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者のうち、診断時に心房細動などの心房性不整脈がなかった143例を解析しました。心エコー検査の画像から、右心房の動きを表す「右房長軸方向ストレイン※3」を測定し(図1)、その後の新規心房細動発症との関連を調べました。さらに、大分大学病院および宮崎大学病院の81例を用いて外部検証を行い、結果の再現性も確認しました。 | ||||||||||||
| [成果] | ||||||||||||
| 熊本大学の解析では、追跡期間中央値30か月の間に42例(29%)で新規心房細動が発症しました。右房長軸方向ストレインが低いほど心房細動の発症リスクは高く、17.2%未満の患者では17.2%以上の患者に比べて心房細動を起こしやすいことが示されました。また、左心房の指標と組み合わせることで、新たに発症リスクを段階的に分類することも可能になりました(図2)。さらに外部の大学病院の患者データでも、右心房機能の低下と新規心房細動との関連が再現されました。 | ||||||||||||
| [展開] | ||||||||||||
| 本研究は、心アミロイドーシス患者において、右心房機能の評価が将来の心房細動発症リスクを見積もるうえで有用である可能性を示しました。今後、診断時の心エコー検査に右心房機能評価を組み込むことで、ハイリスク患者の抽出、経過観察の強化、抗凝固療法や不整脈治療の適切なタイミング判断につながることが期待されます。 | ||||||||||||
| [用語解説] | ||||||||||||
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※1 トランスサイレチン型心アミロイドーシス 異常なたんぱく質(トランスサイレチン)が心筋に沈着し、心臓が硬くなることで心不全などを引き起こす病気です。 |
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※2 心房細動 心房が不規則に速く動く不整脈で、動悸、心不全悪化、脳梗塞などの原因になります。 |
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※3 右房長軸方向ストレイン 心エコー画像をもとに、右心房がどれくらい柔らかく伸び縮みしているかを数値化した指標です。値が低いほど、右心房の機能が低下していることを示します。 |
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| (論文情報) | ||||||||||||
| 論文名: Right Atrial Function as a Novel Predictor for New-Onset Atrial Fibrillation in Transthyretin Amyloid Cardiomyopathy | ||||||||||||
| 著者: Naoto Kuyama, Yasuhiro Izumiya, Seiji Takashio, Hiroki Usuku, Akihisa Tabira, Hidekazu Kondo, Shotaro Saito, Keisuke Yonezu, Nozomi Kodama, Takuto Zaizen, Hirochika Yamasaki, Yosuke Suiko, Miyuki Ogata, Yunosuke Matsuura, Toshihiro Tsuruda, Masanobu Ishii, Masahiro Yamamoto, Kyoko Hirakawa, Hisanori Kanazawa, Tadashi Hoshiyama, Masafumi Kidoh, Seitaro Oda, Shinsuke Hanatani, Yasushi Matsuzawa, Eiichiro Yamamoto, Mitsuharu Ueda, Naohiko Takahashi, Koichi Kaikita, Kenichi Tsujita | ||||||||||||
| 掲載誌: Journal of the American Heart Association | ||||||||||||
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【国立大学法人熊本大学】 心アミロイドーシスの不整脈を予測 -右心房機能が新たな指標に-
国立大学法人熊本大学 | 2026年4月20日 17:27
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