国産生成AI基盤の独自開発や生成AIサービスを提供するストックマーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:林 達、以下:当社)は、2026年6月に開催される「2026年度人工知能学会全国大会(第40回、以下 JSAI2026)」にゴールドスポンサーとして協賛することをお知らせいたします。
 
 また、本大会において当社LLM組織のリサーチャーである高橋および會田が、農業カレンダー画像を対象とした大規模視覚言語モデル(VLM)のベンチマークに関する論文発表を行います。
 
 本研究は、農業領域での新規事業展開を示すものではなく、AIが実社会の複雑な文書をどこまで正確に理解できるかという産業横断の技術課題を、極めて解析難度の高いドキュメントの代表格である「栽培暦」を用いて検証するものです。当社は本研究で得られた知見を、ビジネス文書、仕様書、図面、社内ナレッジなどの構造化技術、および企業のAI BPRを支える基盤技術の高度化に活かしてまいります。
協賛の背景
 当社は、「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の自然言語処理技術やLLMなどの生成AI技術を活用したプロダクト開発および研究開発を行っています。現在、製造業の研究・開発現場を支援するAIエージェント「Aconnect」や、複雑な社内データをAIが活用可能な形に構造化する「SAT Agent Cockpit」を提供し、企業のAI BPR(Business Process Re-engineering)を推進しています。
 
 国内トップクラスのAI研究者が集結する人工知能学会(JSAI)は、日本のAI技術の発展と実社会への応用において極めて重要な役割を担っています。当社は、国内のAI研究コミュニティのさらなる活性化と発展に貢献すべく、本年度もゴールドスポンサーとして協賛いたします。
 
 
発表論文:農業カレンダーを用いたVLMの限界検証
 本大会では、当社の高橋および會田が、「FiT-QA:栽培暦のVQAベンチマーク - データセット構築と汎用VLMの限界 -」に関する研究発表を行います。
 
 栽培暦は、作物の栽培に関する作業情報を、表・図・写真・注記・時系列情報とともに1枚に高密度で集約した実務資料です。一般的な文書と比べて、複数の領域を横断して情報を読み取り、文脈に応じて統合的に推論する必要があるため、AIにとって極めて難度の高い読解対象です。
 
 本研究では、この栽培暦画像を対象としたVQA(Visual Question Answering)ベンチマーク「FiT-QA(Figures and Tables Question Answering)」を提案します。FiT-QAは、自動生成後に人手で編集・確認したeasy-QAと、複数領域の統合推論を要するよう人手で作成したdifficult-QAで構成され、347画像・1,152QAを収録しています。高性能な汎用VLMで評価した結果、easy-QAにおいても誤答が残り、difficult-QAでは正答が限定的であることを確認しました。
 
 これにより、既存の汎用VLMを実社会の複雑な実務文書へ直接適用する際の限界を明らかにするとともに、今後のモデル開発・評価に向けた実用的なベンチマークとしてFiT-QAを公開します。
発表セッション詳細
・タイトル:FiT-QA:栽培暦のVQAベンチマーク - データセット構築と汎用VLMの限界
・発表者 :高橋 洸丞、會田 勇斗(ストックマーク株式会社)
      宮脇 一輝、中川 菫、木村 泰知(小樽商科大学)
      門脇 一真(株式会社日本総合研究所)
      小林 暁雄、大友 将宏、石原 潤一、馬場 研太(農研機構 農業情報研究センター)
・発表日時:2026年6月9日(火)14:00~15:30
・会場  :Y会場(展示ホールAB-1)
・セッションURL:https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsai2026/presentation/2Yin-A-50
 
 
論文発表の狙い:農業資料の研究からビジネス文書解析へ
 今回発表する「FiT-QA : 栽培暦VQAベンチマーク」は、一見すると当社の主領域であるビジネスドメインとは異なる農業ドメインの研究ですが、その根底にある技術的課題は、当社の事業と深く接続しています。
 
 当社はこれまで、研究開発とソリューション提供の両面において「複雑なドキュメントの高度な読解」を一貫した重要テーマとして掲げてまいりました。「Aconnect」や「SAT Agent Cockpit」を通じ 、表・図・注記が混在する実務資料を正確に構造化し、AI活用可能な形式へ変換する技術は、当社の核心的な強みとなっています。
 
 本研究で対象とする「栽培暦(農業カレンダー)」は、1枚の資料内に多種多様な図表や時系列の作業指示が混在する、極めて解析難度の高いドキュメントの代表格です。この「最難関レベルのドキュメント」を対象に既存VLMの限界を検証し、ベンチマークを公開することは、当社ソリューションの精度向上や、高度なビジネス資料をAIが自在に扱う「AI BPR」の実現に向けた重要なマイルストーンとなります。
 
 
今後の展望:次世代VLMの開発とFiT-QAの活用
 当社はこれまで、ハルシネーションを抑止した独自の日本語LLMや、回答根拠・思考過程の提示により信頼性を高めるVLMの研究開発に取り組んできました。
 
 今後は、FiT-QAのような高難度ベンチマークを活用し、広い画像・文書内から必要な箇所を特定する技術、複数領域の情報を横断的に統合する技術、根拠を示しながら回答する技術の研究開発を進めてまいります。
 
 本研究は、実社会に存在する複雑な文書をAIが扱うための基盤技術の検証として位置づけています。当社は、社内に蓄積された多様な知識をAIが活用可能な形へ変換し、人がより創造的で専門性の高い業務に集中できる環境の実現を目指してまいります。
 
 
2026年度人工知能学会全国大会(JSAI2026)開催概要
・催事名:2026年度人工知能学会全国大会(第40回)
・日時 :2026年6月8日(月)~6月12日(金)
・会場 :Gメッセ群馬 ※オンライン視聴可
・URL :https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2026/
 
 
ストックマークのソリューションについて
 当社は、独自の自然言語処理技術などを用いて、テキストだけでなく図面や仕様書、過去の判断ロジックといった複雑な知恵をAIが活用できる形へと構造化します。これにより、単なる効率化の枠を超え、人が本来注力すべき「価値創造」や「専門性の研磨」に没頭できるよう、業務プロセスそのものを再設計する「AI BPR(Business Process Re-engineering)」を推進します。
 
 AIが「停滞感を生む単純作業」を自律的に担い、人は「高付加価値業務」へとシフトし、「シゴトを心から楽しめる」状態を創り出すことで、日本企業の競争力を底上げしてまいります。
ストックマーク株式会社について
 ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。
 製造業向けAIエージェント「Aconnect」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。
 
会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号  LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立  :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:最先端の生成AI技術を活用した、
     企業のナレッジマネジメント・生成AIの業務適用を支援するサービスの開発・運営
URL  :https://stockmark.co.jp/