日本全国でのパートナリングで、世界に先駆けたヘリカル方式の核融合発電所の実現を加速
フュージョンエネルギー(核融合)[1]による「実用発電」の達成および産業創造に向け、ヘリカル方式の核融合発電所の開発を進める株式会社Helical Fusion(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:田口 昂哉、以下「Helical Fusion」)は、このたび、「ヘリックス計画」の「公式パートナー」制度を発足しました。
 
公式パートナーの第一弾として、ニチアス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:亀津 克己、以下「ニチアス」)、長谷虎紡績株式会社(本社:岐阜県羽島市、代表取締役社長:長谷 享治、以下「長谷虎紡績」)、瀬野汽船株式会社(本社:愛媛県今治市、代表取締役社長:瀬野 洋一郎、以下、「瀬野汽船」)の三社が参画を決定しました。
 
フュージョンエネルギーは、太陽のエネルギーを地上で再現することで、エネルギーの源泉を資源から技術へと移し、次の巨大産業をつくるポテンシャルを持つ技術です。Helical Fusionが取り組む「ヘリカル方式」は、これまでの国立大学や国立研究機関における70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に適した特性が評価されている方式*[2]です。
Helical Fusionは、日本全国の産業力を結集して新たな巨大産業の創出を目指します。特に、今後10年前後は、将来の核融合発電所の基盤となる技術開発が本格化する、産業化に向けた重要なタイミングです。そこで、2030年代の商用発電所実現に向けた「ヘリックス計画」そのものの達成へ、目的を明確にした公式パートナー制度を新たに発足しました。
 
Helical Fusionとヘリックス計画 公式パートナーは、「日本にもうひとつ太陽をつくろう。」を合言葉に、フュージョンエネルギー産業を創造していきます。
 
■公式パートナー制度とは
フュージョンエネルギーによる実用発電を達成する「ヘリックス計画」を、Helical Fusionとともに主体的に推進する提携企業を「公式パートナー」と定める制度です。
公式パートナーは、技術・事業上の業務提携、および一定額以上の資本提携を伴い、フュージョンエネルギー産業の実現へ、創造性と粘り強さをもって挑戦する覚悟をともにします。
具体的には、今後進める最終実証装置Helix HARUKA、発電初号機Helix KANATAの製造・建設や、それに関わる取り組みをともに進めます。
■第一弾参画企業
今回、第一弾として3社が公式パートナーへ参画しました。 
ニチアス株式会社
本社:東京都中央区
代表取締役社長:亀津 克己
事業内容:プラント向け工事・販売事業、工業製品事業、高機能製品事業、自動車部品事業、建材事業
 
ニチアス株式会社は、1896年の創業以来、造船、石油精製・石油化学、電力、建築、自動車、半導体とその時代の基幹となる産業に、長い歴史の中で培ってきた当社独自の「断つ・保つ」の技術による製品・サービスを提供してきました。これからも地球温暖化をはじめとする環境問題や持続可能な社会の実現といった社会課題に対して当社グループは「断つ・保つ」の技術で社会に貢献し続けます。
 
長谷虎紡績株式会社
本社:岐阜県羽島市
代表取締役社長:長谷 享治
事業内容:紡績事業、インテリア事業
 
長谷虎紡績株式会社は、1887年の創業以来、「地域との共存共栄」を旨とし、“人の幸せのためのもの作り” をテーマに繊維を通して価値を届けてきました。日常生活のさまざまなシーンで使われる身近な繊維でありながら、航空宇宙産業にも活用されるなど多様な可能性を秘めた繊維。それがより快適で、より環境に負荷をかけないものになれば、人々の生活が変わり やがて世界が変わる。「素材で世界を変える」というミッションのもと、知識製造業として世界の社会課題の解決という夢の実現に向け、さらなる研究開発と市場開発に挑戦し続けます。
 
瀬野汽船株式会社
本社:愛媛県今治市
代表取締役社長:瀬野 洋一郎
 
瀬野汽船株式会社は、愛媛県今治市で1946年に創業して以来様々な貨物船を保有・管理してきました。現在は外航貨物船を中心とする50隻規模の船隊で、鉄鉱石や石炭など人々の生活や産業にとって欠かせない資源の輸送を通じ、国内外の海上物流を支えています。長期傭船契約を軸とした安定的な事業運営に加え、自社での船舶管理にこだわり安全・安定輸送の高度化にも注力、近年はLNG二元燃料船の管理への対応も進め、高品質な船舶管理と環境配慮の両立を目指しています。 
■ヘリックス計画 公式シンボル
書道家の武田双雲氏による「太陽」の書を、ヘリックス計画の公式シンボルとしました。
書道家 武田双雲氏のコメント 
「今回ご依頼いただいた時に、核融合への思い、
日本への思い、平和への思いを聞かせていただき、
このエネルギーをできるかぎり書にこめるようと
力強く、かつ安定感のあるものに仕上げました。
このエネルギーが書を通じて伝わることを願っております。」
■代表者のコメント
ニチアス株式会社 代表取締役社長 亀津 克己
このたび、核融合という次世代エネルギーの実現に取り組むHelical Fusionと公式パートナーとして協業できることを、たいへん光栄に思います。
私たちの「断つ・保つ」の技術は多様なパートナーと共に磨かれてきました。
この協業によって互いの知見を重ねることで、どのような化学反応が起こるかを楽しみにしております。
共に強みを持ち寄りながらフュージョンエネルギーの発展と社会課題の解決に貢献し、未来につながる価値を届けていきます。
長谷虎紡績株式会社 代表取締役社長 長谷 享治
長谷虎紡績株式会社は創業以来、「地域との共存共栄」を掲げ、社会課題の解決に邁進して参りました。現在、世界的な人口増加や生成AIの普及により、電力需要は既存の発電のみでは賄えない深刻な状況にあります。
地元・岐阜の核融合科学研究所の成果を基に、実用化を目指すHelical Fusion社の志に深く共感し、この度出資を決定しました。多様な連携が不可欠なこの領域において、我々の培った技術を応用し、持続可能な未来へ共に挑戦します。
瀬野汽船株式会社 代表取締役社長 瀬野 洋一郎
昨年、あるテレビ番組でHelical Fusionの取組みが紹介されているのを拝見し、興味を持ったのがきっかけでした。海運業界では環境規制の導入に伴って従来燃料からの転換が迫られており、当社でも環境に優しい新規燃料船の保有・管理を進めているところですが、更にスケールが大きく、またこの国の未来を見据えた「ヘリックス計画」に、驚きと好奇心を持って参画を決断致しました。
株式会社Helical Fusion 代表取締役CEO 田口昂哉
世界初のフュージョンエネルギー実用化に向けて2021年に創業したHelical Fusionは、いよいよ最終実証のための装置建設を前進させる段階に入りました。
「日本にもうひとつ太陽をつくろう」
このスローガンを掲げたヘリックス計画は、人類を進化させるほどのインパクトをもつエネルギーの実現を目指すものであり、経済・産業において日本がもう一度世界の頂点を目指す持挑戦でもあります。今回、公式パートナーとして、創造性と粘り強さをもって挑戦する覚悟を共有する皆様にご参画いただけたことは、Helical Fusionにとって新たなフェーズを象徴する大きな前進です。
ご期待に応え、みなさまとともに、世界に先がけた挑戦を実現していきます。
さらなるご参画をお待ちしております。
 
ヘリックス計画について
■ヘリックス計画について
ヘリカル型核融合炉は、これまでの国立大学や国立研究機関における70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に適した特性が評価されている方式*[1]です。
Helical Fusionは、その知見を活用してフュージョンエネルギーの実用化を行う数少ない民間企業の一社として、ヘリカル型核融合炉による実用発電を達成する「ヘリックス計画(Helix Program)」を進めています。2023年5月には、発電初号機の設計についてまとめた査読付き論文を発表しています[2]。
ヘリックス計画では、2020年代中をめどに二大開発要素「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了し、2030年代中には、最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証、および発電初号機「Helix KANATA」による世界初の実用発電を達成する計画です。
現在、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(岐阜県土岐市)の敷地内にあるHelical Fusion専用スペースにて、最終実証装置「Helix HARUKA」による高温超伝導マグネット実証に向けた製造・建設が進んでいます。核融合装置開発を進める各社のなかでも、詳細設計をもとにした具体的な建設に至っていることは先駆的な事例といえます。Helix HARUKA向けの重要なコンポーネントの開発は、国内の各事業連携先各社の協力を得て、着実に進んでいます。
 
建設中のHelix HARUKAの様子(作業用の足場に囲まれた中心部が本体)
ヘリックス計画のタイムライン
■「実用発電」のための三要件
核融合炉を発電所として商用利用するためには、核融合反応を起こすことはもちろん、1.定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、2.正味発電(プラントの外に電力を供給できる)、3.保守性(メンテナンスが可能)という「商用核融合炉の三要件」をすべて満たすことが必要です。
ヘリックス計画では、この三要件の実現から逆算した設計に基づいて開発を進めます。
「実用発電」を達成するための商用核融合炉の三要件
                                        
■全国でパートナリングイベントを開催
ヘリックス計画を最速で確実に進め、日本からフュージョンエネルギー産業を立ち上げていくためには、更にパートナーの輪を広げることが重要です。今後、Helical Fusion主催のパートナリングイベントを全国各地で開催します。
※運営協力:株式会社リバネス
 
<開催スケジュール>※変更となる場合があります。参加受付開始時に改めてご案内します。
関西(大阪:大阪)5月21日
東北(宮城:仙台)7月
九州(福岡:小倉)8月
中四国(岡山:岡山)9月
北陸(石川:金沢)10月
ヘリックス計画におけるパートナーのイメージ
背景
■フュージョンエネルギー開発の意義
世界の人口は2050年までに約17億人増加すると予測*1され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。フュージョンエネルギーは、太陽の輝きと同じ原理を使ったCO2排出がなく効率性の高い発電方法であり、海水等から豊富に採取可能な燃料を用いることからも、世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合プラント建設および電力市場は2050年までに世界で数百兆円規模にまで成長するとの試算*2もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。
 
日本においては、2025年10月に高市早苗総理大臣が率いる新政権が発足し、「危機管理投資」や「経済安全保障」を成長戦略の核心と位置づけ、所信表明演説では “次世代革新炉や核融合エネルギーの早期社会実装” が明記されました。同年6月には 内閣府による「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」の改定により、2030年代の発電実証を目指すロードマップが提示されています。加えて、新政権が掲げる「重点投資対象17分野」にフュージョンエネルギー(核融合)が挙げられ、11月には政府として1,000億円超の予算計上、経済産業省に「フュージョンエネルギー室」が設置されるなど、政府としての支援が具体化しています。学術研究の段階から、官民をあげた産業化への動きが加速しています。
 
*1 国際エネルギー機関(IEA)年次報告書 「2023年版世界エネルギー見通し」(World Energy Outlook 2023)
*2 FusionX/Helixos report Global Fusion Market Analysis: Electricity, Supply Chain & Construction (https://fusionxinvest.com/data-analysis/analysis/)
 
■Helical Fusionについて
Helical Fusionは、フュージョンエネルギーの実用化を目指す企業です。2021年に、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS)[3]における研究成果を活用するかたちでスピンアウトし、創業しました。
日本独自の核融合炉形式である「ヘリカル方式」は、これまでの国立大学や公的研究機関における約70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に求められる要件を備えやすい方式であることが評価されています。その知見を生かし、世界に先駆けたフュージョンエネルギーの実用化に向けた「ヘリックス計画(Helix Program)」を進めています。
 
【会社概要】
会社名:株式会社Helical Fusion
所在地:東京都中央区
代表者:代表取締役CEO 田口昂哉
事業内容:ヘリカル型核融合炉の設計および技術開発