平均実務担当者数は1.8人。少人数体制と高い専門性、人材流動性の低さが重なり、属人化と後継者不足が深刻化
株式会社珊瑚プラットフォームズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小熊 賢)は、全国の企業年金基金を対象に「企業年金基金の実務運営に関するアンケート調査(2026年版)」を実施しました。
本調査の結果、企業年金基金の実務運営は、平均実務担当者数1.8人という極めて少人数の体制で支えられており、約3割が人員不足を認識、さらに8割以上が「交代要員の補充に苦労する」と回答しました。
現在は人員が足りていると認識している基金であっても、73%が将来の人材確保に課題を抱えていることが明らかとなりました。
『企業年金基金実務運営調査2026』より
■ 調査結果サマリー
・平均実務担当者数は1.8人、84%の基金が2名以下で運営
・約29%が人員不足を認識
・約81%が「交代要員の補充に苦労」と回答
・「不足感なし」の基金でも73%が将来の補充に課題を認識
・専門性の高さ(94%が必要と認識)が人材確保の障壁に
『企業年金基金実務運営調査2026』P.5より
約3割(29%)の基金で人員不足が顕在化しています。
『企業年金基金実務運営調査2026』P.8より
81%の基金が人員の補充に苦労と回答しています。
『企業年金基金実務運営調査2026』P.11より
現在は人員が足りていると認識している基金であっても、73%が将来の人材補充に課題を抱えていることが明らかとなりました。
→ 現在の充足は、将来の安定を意味していません。
■ 背景
企業年金基金の実務は、制度理解、法令対応、給付・適用・経理などの実務を横断する高度な専門性を要する業務であり、一般的な事務職とは異なる専門領域として位置づけられています。
一方で、その担い手は限定的であり、母体企業からの人材供給に依存する構造が強く、外部人材市場の活用は限定的です。
こうした背景のもと、企業年金基金における人材確保の実態を明らかにすることを目的として、本調査を実施しました。
■ 主な調査結果
1. 少人数運営が常態化
実務担当者数は平均1.8人と極めて少なく、84%の基金が2名以下で運営されています。
特定の個人に業務が依存する「属人化」が生じやすい構造となっています。
 
2. 現在の充足と将来リスクの乖離
現在「人員は概ね適正」とする回答が約6割を占める一方で、その中でも73%が「将来の人材補充に苦労する」と回答しました。
現在の充足は、将来の安定を意味していないことが示されています。
 
3. 人材補充の困難さ
企業年金基金の81%が、担当者の離職・休職時の補充について「苦労する」と回答しました。
これは、人材の流動性の低さと、専門性の高さが影響していると考えられます。
 
4. 採用は母体企業に依存
実務担当者の採用は母体企業からの人材供給が中心であり、人材紹介会社など外部市場の活用は限定的にとどまっています。
 
5. 外部委託の有効性と活用のギャップ
61%が外部委託を有効と認識する一方、実際の利用は6%にとどまっており、認識と実態の間に大きなギャップが存在しています。
 
調査結果の詳細については、以下よりレポート全文(PDF)をご覧いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d152557-8-9266833a5dbbdf59ac54e2a606421068.pdf
■ 考察
本調査が示しているのは、「人が足りない」という単純な問題ではなく、「人が育たず、持続的に運営が回らなくなる構造」にあります。
少人数体制、高い専門性、人材流動性の低さが重なり、属人化と後継者不足が慢性的に発生する構造が形成されています。
この構造は、突発的な欠員や制度改定時において、運営リスクとして顕在化します。
■ 今後の対応の方向性
企業年金基金においては、以下の対応が重要と考えられます。
・業務の標準化・マニュアル化
・知識の共有および引継ぎ設計
・外部支援の適切な活用
・基金間での知見共有
 
企業年金の運営体制に関する方針策定や人材確保に関するご相談についても承っております。
お気軽にお問い合わせください。
■ 調査概要
・調査対象:全国の企業年金基金
・調査方法:アンケート調査
・調査期間:2026年2月~3月
・回答数:31基金
■ 会社概要
株式会社珊瑚プラットフォームズ
本社:東京都渋谷区
代表取締役:小熊 賢
企業年金領域に特化し、人材紹介・コンサルティング・運営支援・情報提供等のサービスを展開。