株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、サウジアラビア王国の国立研究機関であるキング・アブドゥルアジーズ科学技術都市(King Abdulaziz City for Science and Technology、以下KACST)と月面探査分野の技術開発における協力拡大および、同分野の国家能力構築を目的とした戦略的パートナーシップを締結しました。本契約は、「サウジ・ビジョン2030」に沿った取り組みとなります。

KACSTと月面探査分野の技術開発に関するパートナーシップ締結の署名式にて(2026年1月)左からVice President for Economies of the Future Sector, KACST Dr. Maryam Noah、Former Minister of Investment, Saudi Arabia H.E. Khalid AlFalih、経済産業大臣 赤澤亮正氏、株式会社ispace 取締役CFO 兼 事業統括エグゼクティブ 野崎順平

本パートナーシップは、「Invest in Saudi Arabia」の枠組みのもと開催された、「日・サウジ・ビジョン2030閣僚ラウンドテーブル」の場で締結されました。これにより、ispaceとKACSTはローバーシステムを含む、先進的な月探査技術の設計、製造、試験および運用における協業、将来的なサウジアラビア発ペイロード輸送の検討、ならびに同国内における月面探査基盤の構築に資する各種イニシアチブの実施を目指します。

将来の月科学および月面探査分野の技術を形成する上で、本パートナーシップはサウジアラビアの役割を一層強固にするものです。また、研究開発およびイノベーションのエコシステムを支援するとともに、宇宙分野における商業活動を国内外で促進し、国家の優先事項および将来ビジョンの実現に寄与することが期待されています。

なお、ispaceは2025年に、サウジアラビアのキング・ファハド石油・鉱物大学(KFUPM)と将来的な月面探査機会創出に向けた能力開発に関する覚書*¹を締結しており、サウジアラビア国内においてispaceの連携体制を引き続き強化してまいります。

「KACSTとの連携を通じ、サウジアラビアにおける月面探査技術、ミッション、能力の向上に取り組めることを大変光栄に思います。KACSTが有する、宇宙科学および技術開発、運用に関するリーダーシップと専門性にispaceがこれまでのミッションで培った技術と経験を組み合わせることで、サウジアラビア国内の可能性が大きく広がると思います。月面ローバーシステム、月科学ペイロードの輸送、月面での運用分野での協力は、最初の一歩に過ぎません。今後、このパートナーシップにより実質的にサウジアラビアの宇宙開発プログラムに貢献していくとともに、宇宙産業およびグローバルな月の経済成長を支えていくこととなると確信しています。」

「ispaceとの戦略的パートナーシップは、宇宙および次世代の月面探査分野におけるサウジアラビア王国のリーダーシップ強化に向けたKACSTの取り組みを示すものです。ispaceとの協業を通じて、先進技術の開発とともに、国家の知識、スキル、能力の構築を進め、宇宙分野の未来形成に貢献してまいります。また、本締結は大胆なアイデアを具体的な成果へと転換し、『サウジ・ビジョン2030』に沿ってグローバルな宇宙エコシステムに寄与するという当機関の使命を支えるものです。」

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。 2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経産省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」による新ミッション3(旧ミッション4)の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指す新ミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。さらに、米国拠点が主導する新ミッション5(旧ミッション3)(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げは2030年iiiを予定しており、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

i 当該打上げ時期については2026年4月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3(旧ミッション4)は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年4月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。