〜 同一カテゴリ内ではYMYL差は有意でない。検索ボリューム階層ではロング64.6%/ビッグ30.7%と大差、意図別ではKnow 70.9% / Do 66.0% / Buy 46.9% 〜
営業資料の受注率やLP成約率向上を支援するアンケート調査・分析、法人向けリード獲得支援、LLMO(Large Language Model Optimization:生成AI・AI検索に自社コンテンツが引用・推奨されるよう最適化する取り組みを指す業界用語)・ブランディング記事作成・オウンドメディア運営を手がける株式会社はちのす制作(本社:東京都品川区、代表取締役:小林和司、以下「はちのす制作」)は、日本語Google検索における「AI Overview(AIによる概要)」の出現率を左右する要因を調べるため、2026年4月13日〜4月15日にかけて、2,609キーワードを対象に「YMYL属性」「トピックカテゴリ」「検索意図」「検索ボリューム階層」の4軸で横断的な実態調査を実施しました。
詳細内容は以下の通りです。
AI Overview出現を左右しているのは「YMYL属性」よりも「トピック領域(カテゴリ)」か ― 日本語2,609キーワード実測で観察された多軸分析の結果(
https://hachinosu-seisaku.co.jp/column/aio-appearance-rate-ymyl-category-survey-2609kw/
)
なお本調査は有意抽出による2,609キーワードプール上の観測であり、日本語検索市場全体の母集団推計ではありません。より大規模・無作為抽出による追加調査では、観測される傾向が変化する可能性があります。
本調査の2,609KWプール上で観察された主要な傾向は以下の通りです。
・同一カテゴリ内ではYMYL属性による有意差は観察されない(育児カテゴリ内でYMYL 67.2% vs 非YMYL 68.9%、z=−0.19, p=0.85、ただし本検定は小標本のため低検出力)
・全体比較で観察される+20.3pt差は、YMYL KWが特定カテゴリ(医療・金融・法律)に集中する構造を反映した見かけ上の効果と解釈される可能性(詳細 Topic 1-2)
・検索ボリューム階層でAI Overview出現率が大きく変動:ロング64.6% / ミドル63.7% / ビッグ30.7%(ロング vs ビッグで z=13.07, p<0.001)
・検索意図別(Know/Do/Buy)では Buy が明確に低い:Know 70.9% / Do 66.0% / Buy 46.9%(Know vs Buy で z=8.45, p<0.001, Bonferroni補正後も有意)
【調査の背景】
AI Overviewは2024年8月に日本で導入され、2025年3月のコアアップデート以降、表示頻度が急増しています。一方、日本語Google検索においてAI Overviewの出現率がどのような属性で左右されるのかを、個別キーワードレベルで多軸的に検証した公開調査は、当社が確認した範囲では存在しませんでした。
本調査は、LLMO対策を検討する企業・SEO担当者にとって、一次データに基づく対策優先度設計のための基礎資料を提供することを目的としています。
【調査概要】
調査実施主体:株式会社はちのす制作
調査期間:2026年4月13日〜4月15日
調査対象:日本語Google検索のキーワード 2,609件(基礎KW 2,044件+意図バランス補完KW 280件+純ナビゲーション型Go KW 285件)
サンプリング手法:有意抽出(非無作為抽出)
測定頻度:各キーワード1時点・1回のSERP取得
検索結果取得:DataForSEO SERP Advanced APIで日本語Google(Desktop版)のSERPを取得
YMYL判定:基礎2,043件について個別キーワード単位で判定
意図判定:Know/Do/Buy/Goの4分類に個別判定
統計処理:2標本比率の差のz検定、Wilson95%信頼区間、Bonferroni補正
【調査結果トピックス】
Topic 1:同一カテゴリ内ではYMYL属性による有意差は観察されない
YMYLと非YMYLのキーワードが十分に混在するカテゴリ(育児・子育て)内で、両群のAI Overview出現率を直接比較しました。
育児・子育てカテゴリ内YMYL KW:67件 → AI Overview出現率 67.2%(95%CI: 55.3%–77.2%)
育児・子育てカテゴリ内非YMYL KW:45件 → AI Overview出現率 68.9%(95%CI: 54.3%–80.5%)
差:−1.7pt(z=−0.19, p=0.85)→ 有意差なし
同一カテゴリ内ではYMYL属性によるAI Overview出現率の有意差は観察されませんでした。ただし小標本(n=67 vs n=45)のため統計的検出力は低く、10pt程度の差であれば検出できない可能性があります。
Topic 2:全体ではYMYL領域の出現率が高く見えるが、カテゴリ偏在の反映
YMYL:467件 → AI Overview出現率 78.6%(95%CI: 74.6%–82.1%)
非YMYL:1,576件 → AI Overview出現率 58.2%(95%CI: 55.8%–60.7%)
差:+20.3pt(z=7.99, p=1.3×10⁻¹⁵)
全体ではYMYL領域が+20.3pt高い傾向が観察されました。しかし、YMYL KWは医療・金融・法律カテゴリに集中しており、これらのカテゴリ自体がもともとAI Overview出現率の高い領域です。Topic 1の結果と総合すると、この差はYMYL属性そのものの効果ではなく、カテゴリの偏りが生んだ見かけ上の効果である可能性が高いと考えられます。
Topic 3:検索ボリューム階層でAI Overview出現率が大きく変動
ロングテール(〜1,000):1,210件 → 出現率 64.6%(95%CI: 61.9%–67.3%)
ミドル(1,000〜10,000):886件 → 出現率 63.7%(95%CI: 60.4%–66.8%)
ビッグ(10,000以上):528件 → 出現率 30.7%(95%CI: 26.9%–34.7%)
群間比較(Bonferroni補正・3ペア, α=0.0167):
ロング vs ミドル:+0.9pt → 有意差なし
ロング vs ビッグ:+33.9pt(z=13.07, p<0.001)→ 有意
ミドル vs ビッグ:+33.0pt(z=12.00, p<0.001)→ 有意
ビッグ階層を細分化すると、10,000〜100,000件では49.1%、100,000〜1,000,000件では9.6%、1,000,000件以上では0.0%と、検索ボリュームが増えるほどAI Overview出現率が急減しました。
Topic 4:検索意図別(Know/Do/Buy)ではBuyが明確に低い
Know(情報収集):1,002件 → 出現率 70.9%(95%CI: 68.0%–73.6%)
Do(操作・手順):568件 → 出現率 66.0%(95%CI: 62.0%–69.8%)
Buy(商用調査):401件 → 出現率 46.9%(95%CI: 42.1%–51.8%)
Know vs Do:+4.9pt → Bonferroni補正後は非有意
Know vs Buy:+24.0pt(z=8.45, p<0.001)→ 有意
Do vs Buy:+19.1pt(z=5.95, p<0.001)→ 有意
Buyクエリ(「おすすめ」「比較」「ランキング」等)ではAI Overview出現率が46.9%と明確に低い傾向が観察されました。海外先行研究(Ahrefs 2024)とも「Know寄りで多く出現/Buy寄りで少ない」という方向性は整合しています。
補足:Goクエリ(純ナビゲーション型)
Go(純ナビゲーション)285件のAI Overview出現率は**10.5%**でした。特定目的地への到達が明確なため、Googleが要約を生成する実用的理由が乏しく、出現率が低い傾向は設計上の必然と考えられます。
【考察】
1.AI Overview出現を左右する主要因は「トピック領域(カテゴリ)」である可能性 — 同一カテゴリ内ではYMYL差が観察されず、検索ボリューム階層では出現率が2倍以上の差を示しました。
2.ロングテール・ミドル帯のコンテンツ戦略にAI Overview対策を組み込む重要性 — 全体の60%超でAI Overviewが出現するため、引用可能性を意識する重要性が高まっています。
3.対策設計は「カテゴリ・ボリューム軸」の方が実際のデータに即している — YMYL属性単独の判断よりも、カテゴリ特性と検索ボリューム階層を軸とした優先度設計のほうが、今回のデータとは合っています。
【今後の展開】
第2弾調査(2週間後):同一2,609KWを再スキャンし、AI Overview出現率の変動・再現性を検証
第3弾調査(1ヶ月後):時系列推移の可視化ダッシュボード公開を予定
カテゴリ内比較の拡張:育児以外のカテゴリでもYMYL/非YMYL混在セットを用意し再現性を検証
モバイル版との比較調査:Desktop限定のため、Mobile環境での差分調査を別途実施予定
【引用・転載時のクレジット表記について】