~金融教育への期待が高まる一方で、制度理解と家庭内説明に壁~
株式会社ABCash Technologies(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:辻 侑吾)は、グリーンモンスター株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小川 亮)と合同で、18歳未満の子どもを持つ投資経験者のうち、『こどもNISA』の利用意向を持つ保護者169名を対象に調査を実施しました。
 
その結果、制度利用に前向きな保護者においても、子どもへの説明や関与の在り方に不安や迷いが残っている実態が明らかになりました。
調査の目的
本調査は、2027年に利用開始が見込まれている『こどもNISA』(※1)について、こどもNISAを「利用したい」と回答した投資経験者に対象を限定し、制度への期待と、家庭内での説明や金融教育としての向き合い方との間にどのような課題があるのかを把握するために実施したものです。
 
後編となる本リリースでは、利用意向が明確な保護者であっても、「子どもにどう伝えるか」「どこまで関与させるか」といった点で迷いを抱えている実態に焦点を当てています。こどもNISAを金融教育の入口として活用していくうえで、制度理解だけでなく、家庭内での対話や関与のあり方が重要な論点となることを明らかにすることを目的としています。
 
※1…財務省 令和8年度税制改正の大綱の概要より(https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.pdf
こどもNISA調査:サマリー
こどもNISAについて、約7割が「説明できない」「自信がない」。投資経験の有無と“子どもに教える自信”は別問題。
利用目的の最多は「教育資金づくり(30.0%)」。一方で、子どもに投資経験やリスクを学ばせたいといった金融教育目的が約半数を占める結果に。世帯年収が上昇するにつれ「貯める」から「学ばせる」へ変化する傾向が明らかとなった。
投資判断について、9割強が“親主導”と回答。年齢に応じた関与は見られるものの、判断を子どもに委ねる家庭は少数派。
こどもNISAへの本音は「期待」よりも「不安」。一方で、こどもNISAが金融教育を家庭に持ち込む入口として期待されている制度であることも浮き彫りに。
こどもNISA調査:結果
投資経験者の約7割が「子どもに制度を説明できない」
投資経験のある保護者を対象に、こどもNISAの制度について子どもにわかりやすく説明できると思うかを尋ねたところ、「うまく説明できないと思う(51.5%)」、「全く説明できないと思う(16.0%)」を合わせて、67.5%が説明に自信がないと回答しました。
 
一方で、「自信を持って説明できると思う」と答えた人はわずか5.3%にとどまり、「だいたい説明できると思う(27.2%)」を含めても、十分に説明できると感じている投資経験者は3割程度にとどまっています。
この結果から、投資経験の有無と“子どもに教える自信”は別問題であることが明らかになりました。
利用目的は「教育資金づくり」が最多、金融教育目的は約半数に
こどもNISAを利用する場合の目的について、最も多かったのは「教育資金づくり(67.5%)」でした。将来の進学や学びへの備えとして、こどもNISAを活用したいと考える保護者が多数を占めていることがわかります。
一方で「子どもに投資経験を積ませるため(53.8%)」「お金の増え方・リスクを学ばせるため(50.9%)」といった回答も半数を超え、こどもNISAが単なる資産形成手段にとどまらず、子どもにお金や投資を学ばせる金融教育の機会としても期待されている実態が明らかになりました。

また、「節税・資産形成のため(51.5%)」も5割を超えており、保護者は教育資金づくり・金融教育・制度メリットの活用という複数の目的を重ねて、こどもNISAの利用を検討している様子がうかがえます。
さらに世帯年収別に分析したところ、年収帯によってこどもNISAの利用目的に明確な違いが見られました。
年収399万円以下では「教育資金づくり」が最多で、家計負担の軽減を目的とした実利を想定している保護者が多い傾向が見られました。一方、年収600~799万円の層では、教育資金づくりに加えて、子どもに投資経験を積ませたい、金融理解を深めさせたいといった複数の目的を意識して利用を検討している様子がうかがえます。
 
さらに年収1,000万円以上の層では「教育資金づくり」よりも「金融教育」や「資産形成」を目的に選ぶ割合が高く、こどもNISAを将来に向けた“学びの手段”として捉えている意識が強いことが明らかになりました。
投資経験者でも運用判断は9割強が親主導、子ども主体は少数派
こどもNISAを利用する場合の投資判断と子どもの関与について尋ねたところ、最も多かったのは「親が主に判断しつつ、年齢に応じて子どもにも一部関与させたい(61.5%)」で、次いで「親子で相談しながら判断していきたい(30.2%)」「親がすべて判断し、子どもには基本的には関与させない(6.5%)」となりました。
これらを合計すると、98.2%が“親主導”での運用を想定していることになり、こどもNISAは「子どもの金融教育の場」として期待される一方で、投資経験者であっても投資判断を子どもに委ねることへの慎重な姿勢がうかがえます。
 
一方で「子ども自身の判断に任せたい」と回答した人は1.2%、「始めは親が判断し、徐々に子どもに関与、その後全て任せたい」とした人は0.6%にとどまり、最終的に子ども主体での運用を想定している家庭は極めて少数派であることが明らかになりました。
本音は「期待」より「不安」、理解不足が最大の壁
こどもNISAに対する率直な不安や期待、疑問を自由記述で尋ねたところ、制度そのものへの期待が寄せられる一方で、圧倒的に多かったのは「理解不足による不安」でした。
特に多く見られたのは、「元本割れしないか」「どの銘柄を選べばよいのか」「どのくらいの金額・期間で運用すればよいのか」といった投資リスクや運用方法に関する不安です。また、贈与税や課税の扱い、新NISAとの制度の差、将来的な制度改悪といった制度面への疑問や不安感も多く寄せられました。
 
一方で「子どもにお金について学ばせたい」「将来の選択肢を広げてあげたい」「非課税で資産形成できる機会として期待している」など、制度に対する前向きな期待の声も多く、こどもNISAが“資産形成”だけでなく“金融教育の入口”として期待されていることがうかがえます。
本調査から、こどもNISAは保護者にとって「教育資金づくり」という実利的な目的だけでなく、子どもに投資やお金の仕組みを学ばせる金融教育の機会としても強く期待されていることが明らかになりました。
半数以上が教育的な活用を意識している一方で、「説明できる自信がない」「理解が不十分」といった課題も示唆されており、制度の普及には親子で学べる支援やわかりやすい情報提供が不可欠だと考えられます。
 
本調査結果を踏まえ、両社はそれぞれの強みを活かし、民間企業の立場から親子で学べる機会の提供や情報発信などのサポートに取り組んでいく予定です。