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医療・介護現場のコミュニケーション環境の改善に取り組む株式会社ケアコム(本社:東京都、以下ケアコム)は、オウンドメディアケアのあるある知恵袋サイト(HP:https://aruaru.online/)をベースとして看護師・准看護師255名を対象に「認知症患者からのカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)に関する実態調査」を実施しました。 2026年、社会全体でカスハラ対策が強化される中、医療現場では回答者の約93%が認知症患者からのハラスメントを経験しており、その多くが「病気だから仕方ない」という組織的な圧力によって、被害を黙認せざるを得ない状況にあります。精神的苦痛100%、実害経験5割超、職務意識低下6割強という深刻なデータとともに、現場看護師の生々しい葛藤を報告します。 |
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調査結果のポイント |
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1. 暴力・暴言・セクハラの日常化:2人に1人が「週に数回以上」の被害 |
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認知症患者からのハラスメントを経験した看護師のうち、5割を超える54.6%が「ほぼ毎日」または「週に数回」という高頻度で加害を受けています。 |
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・経験した内容(複数回答):暴力(88.2%)、暴言(83.2%)、セクシャルハラスメント(56.7%)、無視・拒絶(49.6%)、過度な要求(クレームなど)44.1% 単なる一時的な混乱ではなく、特定の職員に対して執拗に繰り返される身体的・精神的な攻撃が常態化しています。 |
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2. 「身体的・精神的ダメージ」の深刻さ:精神的ストレスは100% |
被害による影響として、回答者全員(100%)が「精神的ストレス」を挙げています。さらに、52.5%が「通院や処置を要する実害(身体的負傷)」を経験。 「痛みや痕が残る実害があっても、記録に残すことしかできない」という無力感が、62.2%の「職務意欲の低下」を招き、看護職そのものを離れる決定的な要因となっています。 |
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3. 組織による「二次被害」:報告しても「あなたの対応が悪い」 |
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被害を受けた際、28.6%が「何も行動しなかった」と回答。その理由は「認知症だから仕方ない(85.3%)」という諦めが最多ですが、自由記述からは「上司に報告しても、逆に関わり方の不備を指摘された(二次被害)(20.6%)」という訴えが相次いでいます。組織が職員を守るのではなく、職員の「忍耐」に依存して現場を維持している実態が浮き彫りになりました。 |
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自由記述から見る、現場看護師の葛藤と深刻な現状(詳細) |
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236名(ハラスメント経験ありと回答した方)の回答には、既存の医療倫理と現実の暴力の間で引き裂かれる看護師たちの生々しい声が寄せられました。 |
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1. 「認知症だから仕方ない」という呪縛 |
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「病院の外なら警察沙汰になるような暴力も、病院内では『病気による症状』の一言で片付けられる。加害が許される治外法権の場所になっている。(30代・病院勤務)」 |
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「『認知症だから何を言ってもいい、何をしてもいい』というわけではないはず。看護師だって一人の人間であり、心も体も傷つく。そこを見逃さないでほしい。(40代・訪問看護)」 |
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2. 組織・管理者への不信感と二次被害 |
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「上司に暴力を相談しても『あなたの声がけや態度が、患者さんを興奮させたのでは?』と、まるで被害者に非があるように扱われるのが一番辛い。(30代・クリニック)」 |
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「管理者は現場で対応していないから、事の重大さを理解しようとしない。単なる『面倒なインシデント』として処理されることに絶望を感じる。(40代・介護施設)」 |
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「医師は被害に遭わないからか、内服調整や転院検討に消極的。すべてはナースが我慢すれば済むと思われている。(50代・病院勤務)」 |
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3. 倫理観と身の安全の板挟み |
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「抑制(拘束)は悪だと教育されるが、抑制しなければ看護師の身が守れない。命に関わる点滴を抜去しようとする患者を止めれば殴られる。どうすれば正解なのか誰も教えてくれない。(20代・病院勤務)」 |
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「『この人のために』という奉仕の心を利用して、ハラスメントを我慢させることが今の看護現場のスタンダード。これでは若いスタッフはすぐに辞めてしまう。(50代・病院勤務)」 |
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4. 社会・家族への切実な要望 |
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「家族は病院に預けっぱなしで、面会にも来ない。それなのに何かあれば恫喝してくる。医療従事者への敬意が全く感じられない。(40代・病院勤務)」 |
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「著名人による看護師への加害が不起訴になるようなニュースを見るたびに、この職業の地位の低さを感じる。法的に守られる仕組みがない限り、潜在看護師は増え続ける。(30代・フリーランス)」 |
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総括 |
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今回の調査を通じて、認知症患者のケア現場において、看護師が「患者への献身」と「自身の安全確保」という、極めて困難な二律背反の課題に直面している実態が浮き彫りになりました。 |
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「病気だから仕方ない」という受容の精神はケアの基本ですが、それが現場の課題を個人や特定の組織に閉じ込める一因となっている側面もデータから示唆されています。現場の看護師たちが求めているのは、個人の努力を責めることではなく、発生した事象をチームや組織、そして社会全体で共有し、共に解決策を模索する環境です。 |
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データの可視化と共有:現場で何が起きているのかを客観的な事実として組織内で共有し、個人の「悩み」を「共通の課題」として扱う土壌づくり。 |
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チームによるバックアップ体制:被害を職員個人の技術不足に帰結させず、多職種や管理者を含めたチームでスタッフのメンタル・身体をサポートする文化。 |
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社会的な共通認識の醸成:法改正などを契機に、医療従事者が安全に働ける環境づくりが、ひいては良質な医療提供に繋がるという社会的な理解の促進。 |
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ケアコムは、ナースコールシステムという現場の「声」が届くインフラを提供する企業として、この深刻な実態を真摯に受け止め、テクノロジーや仕組みの面から、看護師が安心して専門性を発揮できる環境改善をサポートしてまいります。 |
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調査概要 |
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調査対象:看護師・准看護師の資格を保有する男女 |
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有効回答数:255名 |
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調査期間:2025年11月22日~2026年1月5日 |
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調査方法:インターネット調査(株式会社ケアコム調べ) |
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公表日:2026年4月22日 |
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