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『耀きは還暦の後に…(LIFE IS ALL RIGHT)』(著・目鯨翁) |
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生きてさえいれば、まだ心が揺さぶられるような出来事にも遭遇するし、新たな出会いもあるよ。 |
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ただ若い時と違うのは、それらの出来事がいちいち琴線にふれるんだよ、夢破れた男の自慢話や痩せ我慢の表情が妙に愛おしく、肉おいた厚化粧の女の照れるような身の上話にわけもなく涙が出るのさ。寄る年波には抗えないが、おいら、何時からか「悪魔との取引に応じた奴」を見分けることが出来るようになったんだよ、政治家の先生であろうと、高級官僚であろうと、大企業の社長であろうと、大学教授であろうと、絶世の美人であろうと、それを隠すために、怯え、自分を見失っている奴はその匂いでわかるのさ、『えっ、悪魔との取引の意味?』てか、一言で話せるようなものじゃないぜ、逆さまだけど、これから紹介するいくつかの物語を、もうすぐ幕を閉じるそんなおいらの人生のエピローグを読んでくれ。 |
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(A病院で行こう 第1部、2部) |
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舞台となる病院の名前をどうしようか?と思い悩んだ。出版社の人から、つまらぬトラブルを避けるため、『A病院』とか『B病院』でも良いですよと言われたが、大好きな星新一さんのショートショートを真似ているみたいで嫌だなと、色々とこじつけた名前を考えたが、どれもしっくりこなかった。結局、若い頃“デューク・エリントン”が歌っていたジャズのナンバー「♪A列車で行こう」に倣ってタイトルを『A病院で行こう』ということにした。わかる人は少ないと思うが、洒落がわかる団塊の世代ならば、少しは?と自己満足できたからだ。詰まるところ文中の名詞は“A病院”ということになるのだが。周知のとおり今や病院は年寄りのたまり場と化している。しかしVIP御用達といわれる“A病院”はちょっと違っていた…。 |
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(迷子のモザイク君) |
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「いゃあ~、まぁ聞いてくれやライアン、晴海の高層ビル街で隼野郎にロックオンされた時はマンジやばかったぜ、(中略)その時どこからともなく現れた婆さんに手を差し伸べられた時は正に地獄に仏よ」 |
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さて、コロナ禍にレースをリタイヤした伝書鳩はいったい何を運んできたのか? |
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(COVID-19) |
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ここは北緯64度7分12秒、西経95度40分54秒、カナダ東北部にあるベイカー湖に浮かぶビッグヒップス島である。正確にはその地下深くの永久凍土に眠る凍った海洋恐竜『モササウルス』の体内に造られた会議場の中だ。 |
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議長の“A型インフルウイルス”代表の『ウイルス・ミス』氏が登壇し、そして開会を宣言した… |
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(ミスターXの悲劇) |
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すると妻は私の40年への労いの言葉もないまま、そのパンフレットや見積もりに丹念に目を通してから、きっぱりと言いました、 |
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「あらまあ凄い、千五百万円、ずいぶん気前がいいのね、どうぞ一人で行ってらして下さいな、私ひと月も貴方の面倒見ながらの旅行なんてまっぴらですから、私の分の千五百万円はいただくわ…」 |
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(ラグビーワールドカップ2019…二つの口約束) |
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田沼はこの感動をあのN氏と分かち合いたいと思い、関係者に打診、面会を試みた。やっと会えたと握手し、やり遂げられた事への敬意を表する筈だったが、N氏はその消息を知る人すらいなかった。釜石市とラグビーへの思いを熱く語ってくれたあのN氏は一体全体どこに行ってしまったのか?「夢でもみたのかなぁ?」と思わず独り言ちた。 |
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あの『5年前のN氏との固い口約束』こそが、田沼にとっての“フィールド・オブ・ドリーム”だったのかもしれない。 |
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(Mさんは逝った) |
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経緯をたどると、なんとM課長は被害者に土下座して謝罪し、警察へはこちらもかくかくこの通り怪我があるのでと、被害の相殺をして貰うつもりだったらしいのだ。 |
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そして部下思いの上司である彼は愛情あふれる“合計15日の診断書”を警察に嘆願書として提出したのだった。これを受けたやさしく寛容な熊本県警は部下思いの上司にいたく感銘を受け、提出された診断書を被害者のそれと相殺することなく、道路交通法に則り加算したのだった。この時その警察官が「課長さんあんた、こんなことしたら、この診断書も被害者の加療日数に加算されて、かわいい部下の免許証が取り消されますバイ」と教えてくれたら、私は免許取消処分を免れていたのだが、残念ながら洒落がわからん警察官は受理したのだった。その結果、人身事故の程度区分を30日以上の重過失人身事故とし、私の運転免許証は取り消されることとなったのだった。 |
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(嗚呼、東京オリンピック2020) |
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かくして、MLSはコロナ禍による緊急事態宣言下という異常で分断された東京において、一年遅れで開催された『TOKYOオリンピック2020』から委託されたミッションを度重なる試練と障害を乗り越え1円の値引きもせず、1人の逮捕者もださず、正々堂々と、人知れずやり遂げた。それは誰からも称賛されることなく静かに終わった。しかし誰にも触れることは出来ないがMLS社員の胸にはメガルクスが照らし出す栄光の金メダルが誇らしげに輝いていた。 |
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(あとがき) |
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男は遠くばかり見ている だから足元が覚束ない |
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男は右足を失った 隻脚だから足元が覚束ない |
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男は歳をとった 老人だから足元が覚束ない |
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悪魔はもうあきらめて 招待状をよこさない |
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神様はまだ 何も教えてはくれない |
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男の現世での活動域は人よりも電信柱の高さの分だけ広い |
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でもそれが役にたったことはまだない |
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それでも隻脚の男は弱った目で、遠くばかりみている |
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著者プロフィール |
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目鯨翁(めくじらおう) |
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小さな会社の代表取締役。 |
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昭和24年生。75歳。23歳の時、仕事中の事故で右足大腿部を切断した。義足で半世紀以上を生きてきた。今も尚、幻覚痛(幻肢痛)のため鎮痛剤とは縁が切れない。しかし障害者という特設リングにはどうしても馴染まなかった。結婚歴2回、子供3人。45歳の時、25年務めた会社を退職、世の不条理に打ちひしがれ、さりとて理不尽には決して屈せず、乗り越えた試練を鎧に纏い、抗えない運命は笑い飛ばし、悪魔との取引には決して応じず、さりとて神のご加護も得られず、何度も脱輪し、多くの人を傷つけ、自らもまた深手を負い、蛇腹の人生邁進中。後期高齢者となった今も生傷は絶えない、悩みの種は尽きない。 |
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『それでも人生は捨てたもんじゃあないぜ』と独り言ちながら生きているちょっと面倒くさい爺さんです。さぁてっと、あと何年目くじら立てて生きられるやら。 |
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書籍情報 |
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書籍:耀きは還暦の後に…(LIFE IS ALL RIGHT) |
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著者:目鯨翁(めくじらおう) |
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出版社:パレード |
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発売日:2025年9月1日 |
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ISBN:978-4-434-36439-6 |
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仕様:四六判/並製/162ページ |
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価格:1,000円+税 |
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Paradebooks:https://books.parade.co.jp/category/genre01/978-4-434-36439-6.html
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Amazon:https://amzn.to/4fosPkS
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同一著者による新刊『黒いダイヤとパイナップルの缶詰』も発売中! |
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出版社情報 |
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母体である株式会社パレードはデザイン制作会社。プロの技術と知識により、優れたデザインと高い品質であなたの本づくり&出版をトータルサポートします。 |
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パレードブックスの自費出版 |
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URL:https://www.p-press.jp
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TEL:0120-123455 |
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Mail:paradebooks@parade.co.jp |
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パレードブックスの書籍紹介 |
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URL:https://books.parade.co.jp
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【会社概要】 |
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商号:株式会社パレード |
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大阪本社:大阪府大阪市北区浮田1-1-8 |
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東京支社:東京都千代田区西神田2-8-5 SHONENGAHO-1 5階 |
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代表取締役:原田直紀 |
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設立:1987年10月20日 |
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資本金:4000万円 |
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事業内容:広告企画・アートディレクション、グラフィックデザイン全般、Webサイト企画・制作、出版事業『パレードブックス』 |
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