新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(本社:京都市、代表取締役社長:是川 幸士、以下「PRiME-R」)と株式会社KBBM(本社:京都市、代表取締役社長:田中 正人、以下「KBBM」)は、日本初となるオルガノイド(注1)利活用サービス「OrganoInsight(TM)」(以下「本サービス」)の提供を開始します。本サービスは、患者さんの高品質なバイオリソース(注2)由来のオルガノイドと、患者さんの診療情報などのリアルワールドデータ(注3)(以下「RWD」)を組み合わせることで新たな付加価値をもたらし、医薬品の研究開発や個別化医療の現場に新たなソリューションを提案します。本サービスを通じて、製薬業界や医療業界に向け、医薬品開発の成功確率向上やコスト削減、治験の効率化、さらには個別化医療の実現に貢献します。
【背景】
 近年、創薬の成功率向上と医療費削減をめざす取り組みが加速する中、患者組織由来のオルガノイドとRWDの統合による新たな創薬手法が注目されています。オルガノイドは、患者さんの組織から作製される三次元培養モデルであり、疾患の再現性や薬剤反応の予測に優れています。一方、RWDは実臨床で得られる診療情報などを含み、患者背景や治療経過を詳細に把握することが可能です。両者を組み合わせることで、より現実に即した創薬試験が可能となり、医薬品開発の質とスピードを大幅に向上させることが期待されています。
【概要(特長)】
 OrganoInsight(TM)は、京都大学医学部附属病院ほかアカデミア連携(注4)による患者さんの高品質なバイオリソースから作製したオルガノイドと、患者さんのRWDの活用による付加価値をペアリングしたサービスです。医療機関と密な協力関係を構築のうえ、診療情報などのRWDを基に患者さんをトレースすることにより、お客様のニーズに応じた(最適な患者かつ最適なタイミングの)高品質なバイオリソースに由来するオルガノイドを用いた創薬試験を提供します。
 本サービスは、薬剤スクリーニング、バイオマーカ探索・開発、適応拡大スクリーニング、被検者スクリーニングなど多様な医薬品開発プロセスへの適用が可能であり、医薬品開発の成功確率向上とコスト削減を実現します。さらには、個別化医療、再生医療など幅広い領域への適用を通じて、医療の進展に多面的な貢献が見込まれます。
【今後について】
 本サービスは、国内外の製薬企業・研究機関への導入を拡大し、医薬品開発の成功確率向上や個別化医療の実現に向けた社会的インパクトの創出をめざします。まず、がん領域を中心にサービスを提供し、将来的には、希少疾患などへの応用も視野に入れ、医薬品の研究開発や個別化医療の基盤技術として展開を拡大していく予定です。
 
 
【注釈】
注1 オルガノイドとは、本来、生体内にあるため観察できない臓器をシャーレ等で観察できるように人為的に形成した「ミニ臓器」であり、ヒトの臓器と似た構造や機能を再現することができるため、創薬に活用する動きが広がっています。
注2 バイオリソースとは、患者さんの生体試料(組織の一部、血液や尿など)であり、医学の発展に役立てて欲しいとの患者さんのご厚意から、提供いただいています。
注3 リアルワールドデータとは、医療現場での診療行為から得られる医療情報の総称です。
注4 京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター・各診療科及び京都大学大学院医学研究科クリニカルバイオリソース研究開発講座ほか。
 
 
*「OrganoInsight(TM)」は日本国内における新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社および株式会社KBBMの商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
 
 
【PRiME-Rについて】
 新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社は、世界中のひとびとが健康であり続けるために、リアルワールドデータによるData Drivenな社会の実現をめざし、臨床研究のご支援や、リアルワールドデータの解析・提供等を行っています。医療現場におけるリアルワールドデータを活用し、患者さんが、より良い治療を受けられる次世代医療の発展に貢献します。
 
 
【KBBMについて】
 株式会社KBBMは、2018年3月、京都大学を中心とした「クリニカルバイオリソースを活用した「産」in「学」」という新たな産学連携の取組として、民間企業7社と京都大学の共同体制で構築した合弁会社としてスタートいたしました。京都大学の高品質なバイオリソースを活かした革新的な医療を実現するプラットフォームとなるべく、出資会社の強みを活かした連携の下に京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンターによるバイオリソース利活用事業を推進しており、広く患者さんの幸福と医療の発展に貢献することをめざしております。
https://www.kyoto-bbm.com