今年で芸能生活45周年を迎えた 山田邦子が主演を務める舞台Room NO.925 第1回公演『ジャニス』が 2025年8月20日(水)より博品館劇場(東京)にて開幕した。初日に先駆け、報道陣に向けゲネプロの公開と囲み取材が行われた。
『Room NO.925(ルームナンバークニコ)』は、2000年から2003年に三越劇場・名鉄ホールにて上演した3作品「夢シリーズ」にて座長を務めた山田邦子とプロデューサー難波利幸の2人が22年振りにタッグを組み、「魅力的なスタッフ・キャストと共に面⽩い芝居を作りたい」という強い信念を持って立ち上げた演劇企画。
第1回公演として上演される『ジャニス』は堤泰之による書き下ろしの新作で、演出には三上陽永を迎えた。
 
『ジャニス』は25年前に解散した5人組ガールズバンド「ガーネット」のドラマー・デボラが亡くなったことから始まる。デボラの死をきっかけに、ガーネットの元メンバー、シンディ、パティ、リンダの3人、ガーネットのファンクラブ会長、元マネージャーがデボラの経営していたROCK BAR「デボラ」にて再会する。 そこに、グループ解散後渡米し、長く音信普通だったガーネットのギター担当ジャニス(山田邦子)が突然現れる。 それぞれの人生を歩んでいた4人は再会を引き金にさまざまな過去を思い出し、感情が交錯する。やがてその感情が行きつく先は....。
 
主演でガーネットのギタリスト・ジャニス役には山田邦子、 ジャニスと大喧嘩してガーネット解散の原因となったボーカルのシンディ役は山像かおり。 子宝にも恵まれ平凡ながら幸せに暮らす主婦、ガーネットのキーボード担当・パティ役は小林美江、虫占いで順調な事業展開を続けるベース担当・リンダは藤田記子が演じる。
亡くなったデボラの30歳年下の恋人でROCK BAR「デボラ」の従業員・奥原諒太役の橋本祥平は今回、舞台の途中でドラムソロを披露する。 デボラの娘・⽷井しおり役には花音、ガーネットのファンクラブ会長・関良和役に海⽼澤英紀、そして、ガーネットの元マネージャー井田譲治役を演じる水谷あつしが出演。水谷は今回山田と22年ぶりの共演となった。
デボラが経営していたバー「デボラ」店内のワンシチュエーションでこのストーリーは繰り広げられる。 「デボラ」の壁には70年代のミュージックシーンを牽引したアーティストたちの写真がたくさん飾られている。近頃 日本の若者たちの間では1970年代のファッションや音楽が「かっこいい」「かわいい」「オシャレ」と大きく注目されている。 それに伴い、当時活躍した日本や海外のアーティストたちが再び脚光を浴び、TVに登場したり、ライブツアーを行ったり、再結成したりしている。 この舞台セットを見ただけでも、今の若者たちにとってはオシャレで斬新、当時を知る人たちにとっては様々な思い出が詰まった宝箱が開かれたような感覚になるはずだ。
 
 
本作品ではデボラの死によって再び集ったガールズバンド「ガーネット」のメンバーたちが、デボラの追悼と自分たちの青春時代の輝きをもう一度取り戻すためにガーネットのライブ配信を決心し、奮闘を繰り返す。そして彼女たちに関わってきたマネージャーやファンクラブ代表までも、あの当時感じていた熱い想いを甦らせ活気づく。 そんな中、山田邦子演じるジャニスは頑なに参加を拒むが、実は心の中に大きな理由が存在する。一見あっけらかんとしていながら、とても繊細で優しい心を持つジャニス。でもみんなの前ではどうしても素直になれない。 山田邦子はそんなジャスの感情を見事に演じている。 他のキャストたちも、まるで煌めく青春時代に本当に戻ったかのように生き生きとした可愛らしい表情を浮かべながら演じている。 ガーネット復活のシーンでは、メンバー各々個性に合わせた姿で登場するのでお楽しみに!
デボラの30歳年下の彼・奥原役の橋本祥平や、デボラの娘・しおり役の花音の2人も、ベテラン勢に負けないしっかりとした演技で惹きつける。花音は母親に甘えたいのに甘えられなかった寂しい娘の心情を丁寧に表す。一方、橋本が若いエネルギー漲る圧巻のドラムプレイを披露するシーンにも是非注目してほしい。
本作品はウィットに富んだテンポの良いセリフのキャッチボールが連発する。どのキャストも「演技?それとも素??」と思うほど、あまりにも自然な姿で魅せる。おそらくキャスト自身がこの作品に心底トキメキを感じ、楽しんでいるのだろう。
とにかく活力に満ちたキャストたちの姿に観ている側も心躍り、まるで自分もガーネットの一員になったかのようにはしゃいだ気分になる。しかし、時にはホロっとさせられたり….。 笑って笑って泣いて笑って....。観劇後は、気持ちのいい疲労感を感じながら、「明日はもっと頑張ろう!」と思えるエネルギーが全身にチャージされているのを感じる。
 
最後には、お楽しみコーナーも特別に準備されているので、多いに期待して劇場に足を運んでほしい。
 
終演後に行われた囲み取材には 全キャスト8名が登壇し、本作品への想いや稽古場での様子を語った。明るく元気な山田邦子座長を中心に最高のカンパニーができあがったことは、キャストたち一人一人の言葉からじゅうぶん感じられた。

今回主演を務める山田邦子(ジャニス役)は「私はピン芸人なので、みんなで一緒にやることにはあまり慣れていないのですが、すごく楽しかったです!!自分とは違う捉え方や表現の仕方を見ることができて勉強になりました!」 と、みんなで作り上げた舞台から新たな刺激を感じた様子だった。
 
シンディ役の山像かおりは 「邦子姉さんは稽古初日からセリフは全部覚えているし、芝居もできあがっていて!私たち、結構舞台を経験していますがみんなビックリして、これはしっかりついていかなきゃならないと思いました」と、山田邦子が座長として責任感をもって稽古に臨んだことを伝えた。 山像は「チームワークが本当にいいのがこのメンバーの良さなのでそれが舞台に出ていたらいいなと思います」 とも語り、山田を核とした強い絆が生まれたことをうかがわせた。
小林美江が演じるパティは、ガーネット解散後、平凡な幸せの中で主婦生活を送っている役だが「稽古場で個性の強いみなさんを見て『素敵だな』『羨ましい』と思いながら稽古に臨む自分とパティの気持ちが重なり、自分も頑張ろうと思えました」と稽古場の雰囲気に触発されたことを明かした。
リンダ役の藤田記子は「いろいろな議題も邦子座長が『とりあえずやってみようよ!』と一言明るく言ってくださることで、常にポジティブになれる稽古場でした。尊敬する先輩方と<同じ釜の飯を食う>という言葉通り、特に邦子さんには美味しいごはんをたくさんごちそうになりながらついていくことができました」と山田座長がいろいろな面で気遣いを見せたことを話した。

劇中素晴らしいドラムプレイを見せた奥原諒太役の橋本祥平は「2週間の稽古期間でさまざまなことを学ぶことができました。僕らと同世代の方たちはこの先輩たちの姿を観て『こんな大人になりたい』と思うと思います。いろんな方たちに勇気を与える作品です。ドラムを生音で叩かせていただくので緊張していますが、みなさんが歌いやすいようにドラムを叩けるように頑張ります」と先輩たちへの尊敬の意、そして大役を与えられたことへの強い意思を言葉にした。
デボラの娘・糸井しおり役の花音は山田が稽古場に差し入れした925(くにこ)スイカについても言及した。「錚々たる方たちのお芝居を間近で見ることができて、身になることが多い稽古でした。 これから女優としてやっていく中で『ジャニス』に出演できたのは大きなことだと思っています。邦子さんのスイカ(※山田邦子はスイカ好きで自身もスイカの開発にも携わっている)は、甘くて種まで食べられて、人生で食べたスイカの中で一番美味しかったです」と925スイカでしっかりエネルギーチャージしたおかげで稽古を頑張ることができたことを笑顔で語った。
関 良和(ガーネットファンクラブ会長)役 の海⽼澤英紀は「関の気持ちと同じで、ガーネットを見ている時間、『なんて幸せなんだろう』と思っていました。濃密な時間を過ごし、今、ちょっと感極まっています。ガーネットがゲネで歌いはじめるのを見た時、泣きそうになりました」と言うと、山田邦子からすかさず「早いって!」とツッコミが入り爆笑となった。
井田譲治(元マネージャー)を演じる水谷あつしは「私は今から22年前の山田邦子座長の舞台にも出演しましたが、本当に邦子さんが大好きで。 22年ぶりなんて思えない、すべてが昔とかわらないエネルギー、エンジン、スピード感が気持ちよくて。私は今年60になりましたが、まだまだ若手の気持ちにさせていただきました」と山田邦子が発する物凄いパワーに再び魅了されたようだった。

山田邦子は座長として意識したこととして「チームワーク、健康、ケガなどに気を付けました。実は自分の日頃の仕事とあまりにも違い、最初戸惑ったこともあったのですが、舞台人はこうやって作り上げていくのだと感じました。作品内容にもある<諦めない>ということと同じ経験を、私たちもさせていただけたのは演出のおかげだと思っています」と良いスタッフに恵まれたことがさらに良い演技へとつながったと感謝を語った。最後に「大好きな博品館劇場でこのメンバーとできることは、非常に嬉しいです。 最後の日、私たちは何を見ることができるか。若い方たちにも、親たちだってミニスカートを履いたり、ロックンロールが好きだった時があったということをわかってもらいたいし、まだまだ青春だと思っているおとうさん、おかあさんたちがいることもわかってもらいたい。私たちも、若い人たちが情熱を持って、責任感を持って頑張っているということを思わなくてはいけない。先輩・後輩関係なく、共演者としてこのメンバーとやれることが誇りに思うし、幸せです」と座長としてしっかり締めくくった。

芸能生活45年の間にはガンとの闘いなどもあった山田邦子。 そんな試練も乗り越え、自身の芸風と同じく、常に明るく元気に周りにエネルギーを与えて来た。山田邦子を見ればみんなが笑顔になって来た。
そんな山田邦子が座長を務める『ジャニス』は 8月24日(日)まで、銀座・博品館劇場 にて元気に上演中!
是非劇場でガーネットパワーを存分に浴びてほしい。
 
<公演概要>
Room NO.925 第1回公演 「ジャニス」
 
作︓堤 泰之
演出︓三上陽永
 
出演:
★元ガールズロックバンド「ガーネット」
川喜多典子(ジャニス)役 山田邦子
西山奈津希(シンディ)役 山像かおり
乾 美里(パティ)役 小林美江
津久井理恵(リンダ)役 藤田記子
 
★ROCK BAR「デボラ」
奥原諒太(デボラの恋人)役 橋本祥平
⽷井しおり(デボラの娘)役 花音
関 良和(ファンクラブ会長)役 海⽼澤英紀
井田譲治(元マネージャー)役 水谷あつし

会場:博品館劇場
 
日時:2025 年 8 月 20 日(水)~24(日)
8 月 20 日(水)19:00
8 月 21 日(木)14:00/19:00
8 月 22 日(金)14:00/19:00
8 月 23 日(土)12:00/17:00
8 月 24 日(日)12:00/17:00
 
チケット:9,250 円(税込・全席指定)※未就学児童不可
当日引換券販売中、当日券あり
https://www.confetti-web.com/events/10122

◆公式サイト:https://no-4.biz/room-no925/Janis
◆公式X:https://x.com/room_no925
 
企画・製作︓エヌオーフォー【NO.4】
 
宣伝:キョードーメディアス