各地で盆踊りや夏祭りなどさまざまな行事が催される8月。岡山県でも各地で多彩な伝統行事が行われます。今回は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「白石踊」をはじめ、観音山に「和」の火文字が点火される「和文字焼きまつり」など、伝統と風情を感じる岡山県ならではの夏の風物詩5つを紹介します。
■ 観客動員約50万人以上を記録!岡山県下最大級の“夏まつり”「うらじゃ」
【第30回うらじゃ2025 (おかやま桃太郎まつり)】
 岡山県下最大級の夏まつり。「うらじゃ」は、岡山県に古くから伝わる、桃太郎のモデルとされる「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」と「温羅(うら)=鬼」との戦いを描いた桃太郎伝説から生まれ、1994年から開催されている歴史ある祭りです。
 「温羅伝説」をもとに、鬼のメイクを施した踊り子たちが岡山市内各所にてパレードや演舞場にて踊りを披露する「うらじゃ」の演舞のほか、祭りのクライマックスで観客・踊り子が一緒に踊る「総おどり」や、どなたでもうらじゃメイクが楽しめる「温羅化粧」ブース、子どもも一緒に楽しめるファミリーフェスタなどが開催されます。
 本年は30周年を記念してキティちゃんが来岡。サンリオ・スペシャルパレードがお祭りに彩りを添えます。
写真提供:岡山県観光連盟
 
<開催概要>
・期間  :2025年8月23日(土)、24日(日)
・会場  :下石井公園、中央町下田町公園、イオンモール岡山ほか(岡山市北区周辺)
      ※開催時間、スケジュールなどの詳細は公式サイトでご確認ください。
・公式HP :https://uraja.jp/ (うらじゃ公式サイト)
   http://www.okayama-momotaro-fes.jp/ (おかやま桃太郎まつり公式サイト)
■ 岡山県下最大規模を誇る盆踊り「備中たかはし松山踊り」
【備中たかはし松山踊り】
 県の重要無形民俗文化財に指定されている「備中たかはし松山踊り」は、白石踊(笠岡市)、大宮踊(真庭市)と並ぶ岡山県三大踊りのひとつで、県下最大規模を誇ります。2025年時点で378年の歴史を持ち、「松山踊り(地踊り)」「仕組踊り」「ヤトサ踊り」の3つの踊りで構成されています。
 優雅な所作の「松山踊り(地踊り)」と軽快なリズムの「ヤトサ踊り」を3日間にわたって交互に踊り続けるのが特徴であり、誰でも参加可能。初めて踊りに参加した人も魅力に引き込まれる盆踊りです。
写真提供:笠岡市観光協会
 
<開催概要>
・期間      :2025年8月14日(木)~16日(土)
・会場      :JR備中高梁駅前大通り
・アクセス    :岡山自動車道賀陽ICから約15分/JR備中高梁駅からすぐ
・開催スケジュール:8月14日(木)19:00~ 子供連・団体連踊り競演会
          19:30~ 一般の方の踊り参加可能
          19:45~ 婦人会による踊り
          8月15日(金)19:00~ 団体連踊り競演会
                 19:30~ 一般参加の踊り
                 19:30~ 精霊流し(高梁川)
          8月16日(土)17:30~ 納涼茶会(高梁市役所市民ホール)
                 19:30~ 子供音頭・子供フレンズ
                 19:00~ 一般の方の踊り参加可能
・公式HP     : https://takahasikanko.or.jp/modules/takahashi/index.php?content_id=7
■ 2022年にユネスコ無形文化遺産に登録!白石島を代表する文化のひとつ「白石踊」
【白石島 盆踊り(白石踊)】
 笠岡港の沖合約16kmの瀬戸内海に浮かぶ「白石島」。小さな島であるものの、平安時代からその美しさを和歌に詠まれ、江戸時代には海上交通の要衝として栄えました。いまなお、その歴史と文化が息づいています。
 白石島に伝わる「白石踊」は、源平水島合戦で戦死した人々を弔うために始まったとされています。ひとつの口説き(音頭)に合わせ、男踊、女踊など十数種類もの踊りを輪になって舞うのが特徴で、国指定の重要無形民俗文化財に選定されています。
写真提供:笠岡市観光協会
 また、2022年にはお囃子にあわせて踊る全国各地の民俗芸能「風流踊」のひとつとして、真庭市蒜山の「大宮踊」とともにユネスコの無形文化遺産に登録されました(岡山県の「大宮踊」「白石踊」をはじめ、日本国内の24都府県41件で構成)。
 
<開催概要>
・期間  :2025年8月13日(水)~16日(土) ※雨天中止
・会場  :白石島 13日~15日/白石公民館、16日/白石島海水浴場
・アクセス:山陽自動車道笠岡ICから笠岡港まで約10分、笠岡港から高速船約20分(普通船約35分)/
      JR笠岡駅から笠岡港(住吉乗り場)まで徒歩約10分、高速船約20分(普通船約35分)/
      JR笠岡駅から伏越港まで徒歩約20分、フェリー約45分
・開催時間:13日~15日/19:30頃~23:00頃、16日/20:00頃~22:00頃 ※19:00~灯篭流し
・公式HP :https://www.kasaoka-kankou.jp/spot/2115 (笠岡市観光協会公式サイト)
■ 日本列島に「大和」を浮かび上がらせる「和文字焼きまつり」
【和文字焼きまつり】
 毎年8月16日20:00、京都の五山の送り火の代表的な大文字焼きと時を合わせ、和気町の観音山に縦65m×横75mの「和」の火文字が点火される岡山県の夏の風物詩です。
 河川敷には屋台が出店するほか、清麻呂太鼓、うちわくじ抽選会などの各種アトラクションも開催。和文字の点火前には、会場の照明は屋台も含めすべて消され、夏の夜の闇の中に「和」の文字が少しずつ現れていきます。和文字が完全に浮かび上がると約1,200発の花火が打ち上げられ、炎の祭典は最高潮に。
 文字の由来は「和気町」の「和」。京都府の「大文字の送り火」と同時刻に点火することで、日本列島に「大和(やまと)」の文字を浮かび上がらせています。
写真提供:和気商工会
 
<開催概要>
・期間  :2025年8月16日(土) ※雨天中止
・会場  :吉井川河川公園(和気町吉井川河川敷)
・アクセス:山陽自動車道和気ICから約10分/JR和気駅から徒歩約15分
・開催時間:18:45~21:30 ※和文字点火は20:00~、花火は20:30~21:00
・公式HP :https://www.town.wake.lg.jp/soshiki/sangyoshinko/gyomu/1/93.html (和気町公式サイト)
■ 毎年8月14日深夜に行われる奇祭「両山寺護法祭」
【両山寺護法祭(りょうさんじごほうさい)】
 両山寺は、和銅7(714)年開創以来、東の弥山(みせん)、西の城山(しろやま)の二つの峰からなることから山号を「二上山」、寺号を「両山寺」と号し、本尊には聖観世音菩薩が祀られています。
 県の重要無形民俗文化財に指定されている「護法祭」。毎年8月14日深夜から15日未明にかけて、憑代となる護法実(ごほうざね)に護法善神を祈りお迎えし、境内をお遊びになる祭式です。仏法擁護、伽藍安全の守護神「二上山鎮守護法善神」に祈念する奇祭で、クライマックスは護法実が暗闇の中を走り回り、観客は捕まらないよう逃げまわります。
写真提供:両山寺
 
<開催概要>
・期間  :2025年8月14日(木)
・会場  :両山寺(岡山県久米郡美咲町両山寺454)
・アクセス:中国自動車道院庄ICから約40分/JR亀甲駅からタクシー約20分
・開催時間:8月14日深夜より15日未明
・公式HP :http://ryousanji.net/