リーダーの覚悟と行動、日本の行方、競争から価値創造へのルール変換について議論
一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)は、8月4日に東京神田神社(神田明神)において、第2回「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」を開催しました(後援:経済同友会、GX推進機構)。昨年好評を博したこのラウンドテーブルは、イノベーションリーダーのための新たな議論の場です。
 
昨年のラウンドテーブルの成果を受け、日本の社会・経済をイノベーションを通じて活性化するための「経営者イノベーション委員会」(EIC:Executive Innovation Committee)と、産官学のエキスパートによるコンソーシアム型共創実践プログラム「IM Lab」が発足しました。今回のラウンドテーブルは、EICの初回活動として開催されました。
 
本ラウンドテーブルには、各界でイノベーションをリードしている41名の企業経営者、大学・研究機関のリーダー、省庁幹部などが一堂に会し(下記参照)、米国の関税依存経済システムへの転換や気候変動の深刻化、スーパーインテリジェンスAIの台頭などによる未曾有の変動期における社会全体および地球規模の課題解決に向けた、システマティックなイノベーションの必要性について活発な議論が交わされました。
 
【ラウンドテーブルでの議論の概要】
テーマ1:変革はリーダーから始まる「産官学リーダーの覚悟と行動」
- 日本の産官学のリーダーには、日本の変革に向けて実践できることがもっとある。
- その役割は、産官学の力を結集し、イノベーションを生み出す仕組みや社会環境を構築することである。
トピック2:イノベーションなき国の行方「変わらなければ、衰退」
- 日本の未来を左右するのはイノベーションを中核に据えた政策である。
- 社会システムが不安定化しているなか、草の根の議論の場とその力がより重要となっている。
トピック3:競争から価値創造へルールをどう変えるか「エコシステム戦略:新たに日本企業は動けるか?」
- 日本には多様な潜在的資産が存在するが、縦割り型の企業組織や行政、また産官学の壁が依然として障害となっている。
- 競争から価値創造へルールを変えるためには、エコシステムを構想し、実践することが鍵となる。
 
議論を通じて、これらの重要なメッセージを社会全体に発信し、広く浸透させることが本ラウンドテーブルの重要な役割であるとの共通認識が形成されました。
 
また、今回のラウンドテーブルでは、EICの新たな活動として「システマティック・イノベーション経営賞」(SIMA:Systematic Innovation Management Award)の設立が告知されました。この賞では、”グッドイノベーション”をテーマに、システマティックなイノベーション経営を実践している企業や個人、地方自治体、研究機関・大学、スタートアップなどを対象として審査を行い、2026年2月に受賞者を発表する予定です。
 
【第2回「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」参加企業・団体】(五十音順)
[企業] EY Japan、NTTドコモビジネス株式会社、株式会社エムスクエア・ラボ、SUNDRED株式会社、ダイキン工業株式会社、TDK株式会社、テルモ株式会社、東急株式会社、株式会社東急総合研究所、東京海上日動火災株式会社、東鉄工業株式会社、株式会社日建設計、日本たばこ産業株式会社、富士通株式会社、株式会社毎日新聞社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、三菱地所株式会社、三菱重工株式会社、ヤマトホールディングス株式会社
[大学] 青山学院大学、慶應義塾大学、東京科学大学、北陸先端科学技術大学院大学、横浜市立大学、早稲田大学
[省庁] 経済産業省、文部科学省
[その他] 神田神社、経済同友会、ザ・エコノミスト・グループ、GeoPol Asia、在日スイス大使館、GX推進機構、Japan Innovation Network、情報・システム研究機構、Future Center Alliance Japan
 
第2回「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」
 
「経営者イノベーション委員会」(EIC:Executive Innovation Committee)について:
今後の日本の社会と経済をイノベーションを通じて生き生きとしたものにするための施策を討議し、その内容を広く社会に啓蒙することをめざして2025年4月に設立。会員企業と専門家や実践者からなる委員が参加し、「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」の開催と「システマティック・イノベーション経営賞」の企画・運営を活動の柱としている。毎日新聞社、東急総合研究所、Japan Innovation Networkが事務局を運営。株式会社三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏がエグゼクティブアドバイザーを務める。産業競争力懇談会(COCN)、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)、一般社団法人Future Center Alliance Japan(FCAJ)が後援。
 
「IM Lab」について:
知識生態系の形成と制度進化を志向する産官学共創の実践拠点を実現するための「コンソーシアム型共創実践プログラム」。東京科学大学オープンイノベーション機構と一般社団法人Japan Innovation Networkが共同運営し、北陸先端科学技術大学院大学、青山学院大学国際マネジメント研究科、横浜市立大学共創イノベーションセンターや海外のエキスパートなどが参加して、エコシステムワークショップなどを開催している。