名古屋市の私立東海中学・高校の教員が中心となって設立された株式会社Dragon Brewingが発泡酒の醸造免許を取得。写真館の社宅を改造した醸造所でクラフトビール事業を開業した。
      名古屋市東区泉に醸造所をオープンした株式会社Dragon Brewing
2025年1月、私立東海中学・高校の理科・英語・国語科の教員チームを中心に設立された「株式会社Dragon Brewing」が、発泡酒製造免許を取得し、名古屋市東区泉にてクラフトビール事業を開始した。
 
現役教員が兼業で挑むこの事業は、教員の働き方改革が求められる現代において、教育の枠を超えた新たな実践例として注目されている。
 
同社では、これまでビールを敬遠してきた若年層や女性層をターゲットに、ビール消費の裾野を広げることを目指し、2025年9月より新たなコンセプトのフルーツビールを発売予定である。
 
              理科の教員が中心となってビールを醸造する予定
 
醸造所は、名古屋市東区泉にある旧永井写真館の社宅を改築したもので、住宅のような外観とは対照的に、内部には本格的なビール醸造設備が整えられている。
 
           元は社宅のキッチンだったスペースにビール醸造のための寸胴が並ぶ
 
   島根県の「石見麦酒」の製造方法を取り入れたマイクロブリュワリー
 
同社は、2025年2月に実施したクラウドファンディングで334名から550万円を超える支援を受け、その資金に加えて金融機関からの融資を受けて開業資金を調達した。
 
クラウドファンディングの返礼品としてOEMで製造されたビール。会社のロゴは、学校の保護者が営むデザイン会社が作成した。
今後は、学校OBのネットワークを中心に販路を広げ、レストランやバー、小売店などへのビール提供を進めていく計画である。
 
また、クラフトビール事業にとどまらず、ビールの製造過程で発生する残渣を活用したグラノーラの製造や、中高生が育てた農作物を副原料として使用するビールの開発、さらには名古屋市東区を「健康と食」の観点から活性化する地域プロジェクトへの参画も視野に入れている。
 
 
現役教員による、学校と社会をつなぐ新たな挑戦に今後も注目が集まりそうだ。
 
現在同社HPではグッズの販売を行なっている。今後はHPでのビールのEC販売も予定している。
株式会社Dragon Brewingホームページ
 
Dragon Brewing公式Instagram