結婚と愛情の関係を分析するアンケート調査(ロマンチックラブイデオロギー調査)の第8報です。

これまでの調査で、令和の現在も「恋愛結婚が理想」と考える男女が多いこと、しかし半数の人は結婚後、10年以内にパートナーへの恋愛感情がなくなってしまうこと、けれども4人に1人は自分の結婚に満足していて、6割以上が配偶者に愛情を持っていることなどが明らかになりました。

予想外に令和時代の夫婦の絆は強いことが分かりましたが、一方、世間では夫婦関係に縛られずに行動する人が増え、婚外恋愛やセカンドパートナーが流行しているように見えます。

そこで、率直に「婚外恋愛したいと思うか?」を尋ねてみました。すると、意外な結果が判明したのです。

<調査概要>
・調査タイトル:ロマンチックラブイデオロギー調査 第7報
・調査期間:2024年12月19日~30日、2025年6月23日~6月30日
・調査対象者:20~59歳の既婚男女 559人
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/
・調査報告の掲載:既婚者の男女関係に関する調査(https://healmate.jp/survey/
・本報告の発表日:2025年7月10日

<調査対象者について>
下表の通り男女、各年代ともおおむね均等なサンプルになっています。
男性(279人) 女性(280人)
20代 69人(24.7%) 70人(25.0%)
30代 70人(25.1%) 70人(25.0%)
40代 70人(25.1%) 70人(25.0%)
50代 70人(25.1%) 70人(25.0%)
回答者は全都道府県におおむね人口と相関する形で分布しており地域的な偏りはありません。



1)婚外恋愛をしたいと思う?

「婚外恋愛をしたいと思うか」を尋ねた結果をお伝えする前に、「今の結婚に満足している? 夫/妻に「愛」はある?──ロマンチックイデオロギー調査 第7報」(ヒールメイト調べ)の結果を簡単に紹介しましょう。

このように、男女とも6割以上が配偶者に「愛がある」と回答しています。


この同じ対象者に「婚外恋愛をしたいと思うか」を尋ねたところ、次の結果になりました。男性で「はい」と答えた割合が4割を超えますが、高すぎませんか。しかも男女差が大き過ぎます。

これらの結果から、男性は結婚に満足していようが、妻に愛を感じていようが、一定の割合は婚外に走ると推察されます。


2)結婚満足度が低い人、配偶者に愛がない人が婚外する?

前半の結果を見て、「結婚に満足していない人」「配偶者に愛がない人」が婚外恋愛に走るのでは?と思われた方もいるでしょう。そこで、相関を調べてみました。

すると、「満足している」「どちらかと言えば満足している」人も「婚外恋愛したい」と思っていることが分かります。男女差は調べていませんが、男性は結婚に満足している人でもかなり高い割合が婚外恋愛をしたいと思っていると推測できます。

最も高いのは「どちらかと言えば不満足」の人たちで、5割近くが婚外恋愛したいと考えています。「満足していない」人が最多でないのは、婚外したいと思えないほど、現状に疲弊しているということでしょうか。


続いて、愛情との相関を調べてみました。下のグラフのとおりです。

「配偶者に愛がある」と回答した人でも4人に1人が「婚外恋愛したい」と考えています。「配偶者から愛を感じる」と回答した人も同様です。いずれも「どちらとも言えない」と回答した人よりも高い結果に、複雑な気持ちになります。愛はいくつもあるということでしょうか。


3) 今回のまとめ

今回の調査により、結婚に満足していても、配偶者に愛があっても、配偶者からの愛を感じていても、婚外恋愛したいと思う人はそれなりにいる(4人に1人程度)ことが分かりました。もちろん、結婚満足度が低い、配偶者に愛がない、配偶者からの愛を感じない人はさらに高い結果です。夫婦関係や愛情は、婚外恋愛の完全な歯止めにはならないという結論になると考えられます。

夫婦愛や家族愛は、恋愛感情の代わりにはならないとも言えるのではないでしょうか。