~「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実をめざす~
 学校法人立命館(所在地:京都府京都市、総長:仲谷善雄、以下「立命館」)とNTT西日本株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役社長:北村亮太、以下「NTT西日本」)は、この度、児童・生徒・学生・卒業生といった『立命館学園』のすべての学習者に対して、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実をめざし、教育向け生成AIの共同開発、活用を開始します。
 本取り組みは、2020年8月25日に締結した「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」構想に関する連携協定のもととなる『学園ビジョンR2030*1』に基づいた具体的な展開となります。
*1 学園ビジョン R2030 https://www.ritsumei.ac.jp/features/r2030/vision/
 
1.背景
 立命館では、『学園ビジョンR2030』のもと、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、各附属校の枠を超えた立命館ならではのシームレスな教育・研究を展開しています。児童・生徒・学生から教職員・卒業生に至るさまざまな個人、組織が交わる学園の多様性を「総合知」としてプロデュースする『学園創造』に挑戦しつつ、進化するテクノロジーを適切に活用し、教育・研究の高度化をめざしています。
 NTT西日本においては、これまで学生・教職員を対象とした文教ビジネスを展開してきましたが、「18歳人口の減少」や、「人生100年時代の社会人基礎力」、「リカレント教育」が叫ばれて久しい昨今、卒業生ともつながるための認証・連携サービス『LinkU-ID*2』の提供を開始し、卒業生が学び続ける仕組みと環境を用意するとともに、生成AIと電子教科書、LMS(学習管理システム)等のテクノロジーを組み合わせた、教育の質向上に資する新サービスの創出を推進しています。
*2 LinkU-ID https://business.ntt-west.co.jp/service/assist/univcert/topics_20250121a.html
 
2.主な取り組み内容
<取り組み概要>
 (1) 児童・生徒・学生・卒業生の「学び」の可視化、および、R-AI*3の「学び」への本格活用
 (2) 生成AI、電子教科書、LMSとAI会話履歴の連携による「個別最適な学び」の提供
 (3) LinkU-IDとLinkedInラーニングを活用した生涯学習基盤としてオンライン学習サービスの提供
 (4) 先輩の「学び」の軌跡や歩みをもとにしたキャリア検討の仕組みの提供
 (5) アルムナイネットワークを構成可能なプラットフォームづくりの実施
*3 R-AI 学校法人立命館と日本マイクロソフト株式会社の協定において立命館オリジナルAI「R-AI(仮称)」として発表
https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3278
 
<共同開発を実施する教育向け生成AIサービスの全体イメージ>
 
 本取り組みの対象は、約5万人の児童・生徒・学生に加え、40万人を超える卒業生についてもLinkU-IDをいかして会員化し、『立命館学園』の学習者と捉えます。そして、その学習者に対して、中央教育審議会(初等中等教育分科会)で示されている、誰一人取り残すことなく育成する「個別最適な学び」と、多様な個性を最大限に生かす「協働的な学び」の一体的な充実を『学園ビジョンR2030』を踏まえて実現していきます。
 
 「個別最適な学び」については、生成AIと電子教科書、LMS、そして(生成AIで得た)学習者個々のコンピテンシー*4を有機的に連携させることにより、「個別最適な学び」の仕組みを提供し、学習の個性化を実現します。多くの教育機関において生成AIの活用が「事務」にとどまる中、立命館では「教育」での活用を積極的に推進するとともに、学習者に対して、LinkedInラーニングを提供します。
 
 「協働的な学び」については、学習者が主体的に「学び」に向かい、学んだことを人生や社会づくりにいかしていくことの意識や積極性につなげていくため、児童・生徒・学生、そして卒業生から構成される『立命館学園』を一つの社会と捉え、在学生と卒業生、もしくは、卒業生同士の交流や、後輩が先輩の歩みを参考に自己のキャリア検討を可能とすべく、プラットフォームづくりを実施します。
 
 いずれの「学び」についても、立命館が有するあらゆる教育情報にクローズに接続する生成AI環境を最大限に活用し、「学び」を可視化、学習者に自身の成長や、他者の価値を認識させることで意欲を喚起、生涯にわたっての能動的な「学び」を支援することとします。
*4立命館学園における「コンピテンシー」の策定 https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=616128&f=.pdf
 
3.今後の取り組み
 立命館は、キャンパスを児童・生徒・学生・教職員・卒業生のリアルな交流を生み出す、実践の場として展開し、その「リアル」と生成AI等の「デジタル」を最適に融合することにより、教育機関として「学び」に寄与し続けます。そして、NTT西日本はそれを最新のテクノロジーで支えていきます。