株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)グループのMOL(Europe Africa)Ltd. が参画し、Carnot Ltd.(社長:Archie Watts-Farmer、本社:英国、読み:カルノー、以下「Carnot社」)が主導するアンモニアを燃料とする船舶用補助エンジン開発プロジェクト(以下「当プロジェクト」)が、英国運輸省の英国海運排出削減室(UK Shipping Office for Reducing Emissions:UK SHORE)が展開する支援プログラムの一環である「Clean Maritime Demonstration Competition Round 6」(註1)に採択されました。これにより、当プロジェクトは英国政府の支援を受けながら、2025年9月から2026年3月にかけて実施される予定です。
当プロジェクトは、当社が出資しているCarnot社(註2)が主導するものです。Carnot社は、耐熱性の高い素材でエンジンを製造することで、冷却過程でのエネルギー損失を省き、熱効率を高め燃料消費率を飛躍的に高める技術を開発しているベンチャー企業です。当プロジェクトには、MOL(Europe Africa)Ltd.に加え、英国拠点の企業や学術機関であるDe Courcy Alexander Ltd.、Houlder Ltd.、Clean Air Power GT Ltd.、サウサンプトン大学が参画しています。当プロジェクトでは、アンモニアを燃料とする船舶用補助エンジンの開発および導入計画を策定することで、海運業界における温室効果ガスの排出削減と運航コストの低減を目指します。
当プロジェクトでは、サウサンプトン大学が高度な燃焼シミュレーションを行い、Clean Air Power GT Ltd. が補助エンジンにアンモニア燃料を効率よく送り込む技術の開発を担います。Houlder Ltd. はアンモニア船舶用補助エンジンを設置するための技術的な専門知識を提供し、De Courcy Alexander Ltd. は普及促進のために市場ポテンシャルや競争環境、リスク評価、戦略策定などを行います。MOL(Europe Africa)Ltd. は、船舶運航面での知見、船隊管理の専門性、次世代燃料の導入に向けた戦略的指針を提供し、段階的な導入戦略の策定に貢献します。
当社グループは、経営計画「BLUE ACTION 2035」でサステナビリティ課題への取り組みを計画の中心に据え、社会課題や環境面にも貢献した持続的な成長の実現を目指しています。本プロジェクトを通じて、当社運航船の温室効果ガス削減および経済性の追求のみならず、海運業界全体における温室効果ガス削減への貢献を目指します。