~サステナビリティを楽しみながら自分ごと化して学ぶ教育旅行~
 ヨコハマ未来創造会議(所属:横浜市)は、日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市/社長:イヴァン エスピノーサ)、株式会社日本旅行(本社:東京都中央区、代表取締役社長:吉田圭吾)等と共同で、学校法人豊島岡女子学園の生徒を対象に、教育旅行プログラム「GREEN JOURNEY for SCHOOL 横浜」と題したトライアルツアーを7月12日に実施しました。
 「旅行者から創造者へ」を掲げ、従来の教育旅行と一線を画すプログラム開発を若者と企業が一体で進め、生徒がサステナビリティを楽しみながら自分ごと化して学び、日常生活における意識・行動変容に貢献することを目指します。今後、ブラッシュアップを重ね、11月を目途に商品化を予定しています。
■共同開発の背景
 サステナブルな行動を実践するためには、幼い頃からの教育が重要とされている中、旅行という非日常の体験は、楽しみながら自然体でサステナビリティを取り入れるきっかけになり、日常生活における意識・行動変容につながる機会になると考えられています。
 そこで、教育旅行が次世代を育成し、環境共生社会の実現に貢献する可能性に着目したヨコハマ未来創造会議の若者(※)と、日産自動車株式会社、株式会社日本旅行ほか全17社からなるGREEN JOURNEY推進委員会は、従来と一線を画すプログラムを目指し、共同開発をスタートさせました。
※持続可能な旅をテーマに活動するメンバー(チーム名:Sustainable Adventure YOKOHAMA(SAY!))
■プログラム特徴:「旅行者から創造者へ」の視点転換
 若者ならではのアイデアにより、生徒の参加形態・視点を「旅行者から創造者へ」に転換。課題の理解にとどまり「“行く”だけの旅」になりがちだった従来の教育旅行から、楽しみ、自ら課題を探究する「未来を“つくる”旅へ」をコンセプトとしたプログラム開発を進めています。
 具体的には、「将来住みたいサステナブルな未来のまち」の実現に向け、カードワークで生徒自ら選んだ職業視点で課題を考え、解決のヒントを横浜のまちで探し出すというプログラムで、事前学習、当日、事後学習に至るまで、楽しみながら職業・役割において主体的に課題を探究できる工夫を凝らしています。生徒自身が、サステナブルな未来を“つくる”という視点を養い、自分ごと化して学びを促進し、意識・行動変容に貢献する設計としています。
【開発中の教育旅行プログラムのポイント】
 「将来住みたいサステナブルな未来のまち」を考える
<事前学習>
 1.職業視点で課題設定:生徒自ら職業を選び、カードワークにより職業・役割で主体的に課題を設定
<当日フィールドワーク>
 2.職業目線でまち巡り:職業目線で課題解決ヒントを横浜のまちで自ら探し出すワーク
  地域企業等との交流:各職業に対応する地域企業のリアルな取り組みに触れ、課題理解度を深化
<事後学習>
  3.振り返り・アクション宣言:課題解決アイデアと日常で実践するサステナブルなアクションを発表
■トライアルツアー実施レポート
 開発中のプログラムの有用性を検証するため、探求的な活動・学習に力を入れる学校法人豊島岡女子学園の生徒を対象に、脱炭素先行地域であるみなとみらい21地区を中心としたトライアルツアーを実施しました。
 先生方より、「職業視点でまちを見ることで、自分ごととして考えるきっかけになり、職業ごとでまちの見方が変わるのもおもしろい。サステナブルな未来の横浜に向け様々な立場で取り組む方々との交流により深い学びを得られ、キャリア教育としても良かった。」とのご意見をいただきました。また、体験型コンテンツの充実化や時間配分といったプログラムの改善点、運営上の課題など、今後に向けた貴重なフィードバックもいただきました。
<事前学習> カードワーク
 ヨコハマ未来創造会議の若者のファシリテーションのもと、「将来住みたいサステナブルな未来のまち」を目指し、地球・環境にやさしい「宿泊」「ビル・建物」「イベント」などのテーマに分かれ、生徒自身が未来を創る担い手となって職業を選び、それぞれの探究ミッション、課題を設定しました。
<フィールドワーク> 日産自動車での電気自動車(EV)学習
 サステナブルな未来のまちに向けて、持続可能な移動手段について学びを深めるため、日産グローバル本社ギャラリーで日産自動車株式会社による電気自動車の説明・見学・充電体験を実施。環境負荷低減効果だけでなく、災害時には走る蓄電池として活用できるなど電気自動車による様々な地域貢献についてレクチャーを受け、「人と車と自然の共生」について考えました。
<フィールドワーク> 地域企業によるサステナブルな取り組みレクチャー・ロゲイニング
 事前学習のテーマ・職業に対応して、サステナブルな取り組みを実践する企業・施設を訪問。また、時間内にチェックポイントを回り競うロゲイニング形式で、「ボトルtoボトル」や「食品ロス削減SDGsロッカー」等のスポットを巡り、楽しみながら横浜の取り組みについてさらに学びを深めました。
 
【ご協力いただいた企業・施設 写真左より 】
 ・株式会社三井不動産ホテルマネジメント(三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア)
 ・清水建設株式会社/清水総合開発株式会社(横浜アイマークプレイス)
 ・株式会社横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)
  ・スパイラル/株式会社ワコールアートセンター(象の鼻テラス)
<事後学習> 課題解決アイデア検討とアクション宣言
 最後は一日の学びを振り返り、「将来住みたいサステナブルな未来のまち」 の課題解決アイデアや環境と共生するために自身ができる日常でのアクションを発表しました。
■今後の活動予定
 今後は、今回のトライアルツアーで生徒や先生からいただいたご意見を踏まえ、課題の改善や新たに体験型コンテンツを追加するなどプログラムのブラッシュアップを進め、9月に2回目のトライアルツアーを実施し、11月を目途にプログラムの商品化を予定しています。
 商品化後は、まずは1都3県を中心に教育旅行を誘致し、広域に修学旅行のプログラムとして展開することも視野にいれており、GREEN×EXPO 2027の誘客にもつなげることを目指します。
 サステナビリティを楽しみながら学び、自分ごと化する横浜ならではの新しい旅行スタイルを追求し、持続可能な未来を創造する次世代の意識・行動変容につなげていきます。
ヨコハマ未来創造会議とSAY!について
 ヨコハマ未来創造会議は、GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)の開催を契機に、20年・30年先の社会を担う現在の大学生や企業の若手社員の若者が、環境にやさしい生活や社会を目指して、議論し、アクションを起こすきっかけとなる会議体として発足。横浜に集う様々なステークホルダーと連携し、将来社会の担い手となる若者たちのアイデアと感性を生かしアクションを共創します。 企業や地域のみなさまと創意工夫を重ねながら、環境と共に生きる未来に向けて行動変容を生み出していきます。
 
 SAY!(Sustainable Adventure YOKOHAMA)は、ヨコハマ未来創造会議において活動する若者メンバー。GREEN×EXPO 2027を横浜の魅力を発信する絶好の機会と捉え、環境と両立する持続可能な旅をテーマに活動しています。
 
●ホームページ:https://next-gen.city.yokohama.lg.jp/
GREEN JOURNEY for SCHOOLについて
 日産自動車株式会社と株式会社日本旅行が発起人となり発足した全17社からなるGREEN JOURNEY推進委員会が、新しいサステナブルな旅のスタイルとして中学校・高校向けに提供する教育旅行。
 学校が設けたい学習のテーマや要望に合わせ、旅先となる自治体で社会課題解決のために行われている取り組みや、賛同企業などの取り組みを組み込んだ旅行プログラムを提案しています。
・お問合せ先:株式会社日本旅行 秘書広報部 広報担当 TEL 03-6895-7860
豊島岡女子学園について
1892年創立の伝統ある女子校で、近年は探究学習の先進校として注目を集めています。「自主自律」の建学の精神のもと、生徒の主体性を重視した教育を実践し、社会課題に向き合う探究的な学習活動に積極的に取り組んでいます。今回のトライアルツアーでは、同校の中学2年生から高校2年生が参加し、持続可能な社会づくりについて実践的に学びました。