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ユーコンカワイ氏(左)と小林 淳氏(右)・ニコンプラザ大阪「THE GALLERY」にて |
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株式会社ポニーキャニオン(東京都港区、代表取締役社長:大熊 一成)は、株式会社大垣共立銀行とともに2024年度より岐阜県山県(やまがた)市(市長:林 宏優)のPRを手掛けているが、2年目となる今年度の取り組みのひとつとして、同市で活躍するキーマンたちのコラボレーションによるPRを実施している。 |
その一環として行われたトークショーで衝撃の発言が飛び出した。連日続く猛暑の原因とされる地球温暖化は環境に様々な変化をもたらしているが、今や長良川鵜飼(ながらがわうかい)の存続も危ぶまれており、その鍵となるのが岐阜県山県市を流れる円原川(えんばらがわ)であるというのである。その理由とは…。 |
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<ポイント> |
・株式会社ポニーキャニオンと大垣共立銀行は、お互いの強みを生かしつつ連携して、2024年度より岐阜県山県市のシティプロモーション事業を手掛けている。 |
・7月26日(土)に、小林 淳氏(岐阜県出身・在住の写真家)とユーコンカワイ氏(地方創生サウナプロデューサー・アウトドアライター)によるトークショーが行われた。 |
・トークショーでは、山県(やまがた)市の円原(えんばら)川の日本でも珍しい特長と魅力、両氏それぞれの山県市に対しての関わりや取り組みなどが語られた。 |
・ユーコンカワイ氏からは「今のままでは長良川鵜飼は数年後になくなってしまうかも知れない」という危機感が共有された。 |
・マナーの良くない訪問者などによるオーバーツーリズムの対策は、地域でのコミュニケーションや様々な体験を通して改善でき、さらに地域に経済効果をもたらすような取り組みが持続可能性につながるという話で締めくくられた。 |
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そのトークショーは、ニコンプラザ大阪「THE GALLERY」で小林 淳氏(岐阜県出身・在住の写真家、以下小林氏)よる写真展「GIFU NIGHTTIME GLOW」が行われている中で、7月26日(土)にゲストとしてユーコンカワイ氏(地方創生サウナプロデューサー・アウトドアライター、以下カワイ氏)を招いて行われた。 |
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小林氏は岐阜県出身の写真家で、写真を通じて地元・岐阜の魅力を伝えることをライフワークとしている。2017年に円原川の写真をInstagramに投稿したことにより、自身と川の存在が認知され「写真×地方創生」をテーマにしたその活動にも注目が集まるようになったと話す。 |
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小林 淳氏が2017年に公開した円原川の写真 |
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カワイ氏は20代の頃から日本中の70以上の川を旅しながらその魅力を伝えるアウトドアライターでもあり、今年の3月までは山県市の委託型地域おこし協力隊をしていた。イラストレーターやデザイナー、リバーガイドや子どもたちのための「川の学校」を実施したりもしていて、その活動は一言ではとても言い表せない自称「川の好きなおじさん」。そんなユーコンカワイ氏が岐阜県山県市の円原川に惹かれた理由は、円原川の「不思議な水」だと言う。 |
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円原川付近一帯は、石灰岩質の地層が広がっており、円原川自体が、地下水となった水が岩間から湧き出る「伏流水」のため、浄化されていて見た目に「綺麗な水」というだけでなく、冷たく、ミネラルが溶け出した日本でも珍しい「中硬水」とのこと。さらに円原川は、名古屋などの都市圏からアクセスが良いにも関わらず、屋久島に匹敵するような神聖な雰囲気に包まれている「有無を言わさない癒し」のある場所であり、「世界に誇れる場所」であるとカワイ氏は語る。 |
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また、カワイ氏によると、気球温暖化によって年々長良川の水温が上がっていて、鮎が生息できる限界の温度域まで達しているそうである。そのことによって1300年以上続いた長良川鵜飼がなくなってしまう危険が迫っているところをぎりぎりで救っているのが山県市を流れる円原川であり、水温上昇が続く長良川を夏でも14~15度という円原川の冷たい水が合流し冷やしていることで水温上昇を抑えているのだという。ただ、その円原川も、過去の行き過ぎた植林と、林業の衰退により年々水量が減っているそうで、カワイ氏はその危機的状況を多くの人に知ってもらうための活動を続けている。 |
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カワイ氏が運営している「THE WATERS -Retreat Terrace Enbara-」(※)という、今年春からプレオープンしている施設がある。「人がととのえば、地域も自然もととのう」というテーマのもと、完全貸切のリトリートサウナ施設として、薪式サウナ×薬草スチーム×伏流水水風呂×森林外気浴による、自然と調和する“新たなととのい体験”を提供しており、小林氏もすでに2回体験しているとのこと。小林氏はそれを「五感で感じる最高の非日常体験」だと表現する。 |
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「THE WATERS -Retreat Terrace Enbara-」のテントサウナ |
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写真は、その場所の魅力をSNSなどで一気に世界中に知らしめることができるツールであるが、小林氏は地域住民にとって魅力の再発見につながるインナーブランディングの効果も大いに感じるという。その一方、トークショーでは写真の持つ「危うさ」についても言及された。 |
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写真をきっかけに地域を訪れる人の中にはゴミなどで汚すなどマナーの悪い人もいて、住民からは歓迎されず、知ってもらうことが逆効果になりかねない危うさがあるとカワイ氏は指摘する。「発信して終わり」ではなく同時に背景や地元の想いなども伝えていくことが重要だと話すカワイ氏に対し、小林氏も同意し、さらに地域に経済効果をもたらすような取り組みにすることが、持続可能性という点で重要なことだと語った。
写真を撮るというのも地域に対してのアプローチのひとつだが、地域とのコミュニケーションや様々な体験をすることによってその奥にあるものが見えた時、地域に対しての関わり方が変わるとカワイ氏は言う。特に日々の生活に息苦しさを感じている人には、癒しの場所があることを感じて欲しいし、小林氏がその雰囲気まで感じさせる写真を撮ってくれているので、その先にあるものまで見てもらえたら嬉しいとトークショーを締めくくった。 |
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株式会社ポニーキャニオンと株式会社大垣共立銀行は、今後も「山県co-labo(コラボ)」と名付けた山県市内の様々な企業や団体、個人事業主などの「パートナー」に対して、新たな“活力創出”を図る取り組みを進めて行く予定である。 |
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●小林 淳(こばやし・あつし) 1982年生まれ 岐阜県在住 |
建築士の傍ら、写真の世界に魅せられて、「家族のいる風景」をテーマに撮影をはじめる。 |
写真を通じて、地元・岐阜の魅力を伝えていくのがライフワークで、岐阜市をはじめ各自治体とのタイアップ事業に注力している。「岐阜城に昇る月」の作品が反響を呼び、バラエティ番組や報道番組、WEBニュースなど各メディアへの出演実績多数。 |
2023年、株式会社オフィスKを設立し写真を活用した地方創生に関わる事業を展開し。地元民ですら知らない絶景の発掘・発信を得意とする。 |
写真展や撮影ツアーのプロデュース、写真講座講師、トークイベント、フォトコンテスト審査実績など多数。一級建築士。 |
https://www.office-k-inc.jp/ |
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●ユーコンカワイ |
本名:河合 祐樹(かわい・ゆうき) |
地方創生サウナプロデューサー、アウトドアライター、グラフィックデザイナー、イラストレーター。登山雑誌『PEAKS』で山岳妖怪連載と山行ルポ、アウトドア誌『Field Life』で川旅連載、Webマガジン『Bravo Mountain』で川サウナ連載、『YAMAP MAGAZINE』では山×地方創生の記事などを執筆。サウナ・スパプロフェッショナル、サウナ・スパ健康士、日本テントサウナ安全協会員、山県市委託型地域おこし協力隊員、合同会社タキビデザイン代表。 |
※THE WATERS -Retreat Terrace Enbara- |
https://thewaters.jp/#top |
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山県市公式ホームページ |
https://www.city.yamagata.gifu.jp/ |
YAMAGATA BASE(山県ベース) |
https://gifu-yamagata-city.note.jp/ |
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