『テレビマガジン特別編集 帰ってきたウルトラマン EPISODE No.1~No.51』(講談社) (C)円谷プロ
1971年にテレビで放映された『帰ってきたウルトラマン』は子供たちに大人気となり、「怪獣ブーム」「変身ブーム」を巻き起こして、数多くの特撮ドラマを生み出す起爆剤ともなりました。
 
この作品の、ウルトラマンジャックをはじめとするキャラクター、防衛チーム・MAT(マット)などの人物、出現する怪獣や宇宙人、活躍するスーパーメカ、展開されるストーリーなどを紹介しているのがこの『テレビマガジン特別編集 帰ってきたウルトラマン EPISODE No.1~No.51』です。ファンには定評のある「EPISODEシリーズ」の新刊として、豊富な写真と詳細な解説で大満足していただける内容となっています。
 
この『帰ってきたウルトラマン』が長年愛されている理由はなんでしょうか。その秘密を5つのポイントにまとめてご紹介しましょう。
 
主人公を普通の青年としたことで描かれたファミリー&青春ストーリー
 
『帰ってきたウルトラマン』の主人公・郷 秀樹はカーレーサーを目指しながら自動車修理工場で働く、等身大の青年です。ウルトラマンジャックに変身する力を得たことで慢心して変身できなくなったり、所属した特捜チームMATでチームワークの難しさに苦労したりと、人間的な悩みに苦労することも少なくありませんでした。
 
その一方では、修理工場長の坂田 健を兄のように慕い、その妹のアキとは恋人関係にあり、さらに弟の次郎にはあこがれられる存在という、今までのウルトラマンシリーズの主人公では描かれることが少なかった私生活に関しての描写も多く、一青年としての苦悩と喜びが我が事のように感じられたことで視聴者の共感を得ることができたのです。
↑郷 秀樹が変身する、ウルトラマンジャックの勇姿! (C)円谷プロ
 
MATの中でも様々な葛藤が巻き起こる!
 
『ウルトラマン』の科学特捜隊や『ウルトラセブン』のウルトラ警備隊に比べると、リアルな人間関係で成り立っているMATはとても人間味あふれる組織でした。
 
すぐに「解散」を持ち出して難題を押し付ける地球防衛庁上層部、その上層部と現場の板挟みになる隊長、軍人一家出身のエリート隊員など、けっして悪人はいないものの個性のある人物で構成されていたため、メンバー間で意見が合わないことも少なからずありました。
 
郷も怪獣や逃げ遅れた人物の目撃を信じてもらえなかったり、謹慎や出動禁止を命じられたり、そのあげく自らMATを辞めようとしたりと、つらい思いをすることもありました。
 
しかし、郷の成長とともに、お互いへの信頼感も増し、それがさらに自分の行動への反省につながるという循環で隊員同士の対立も減り、さらに新隊長の就任という刺激もプラスに働いて、MATは完成された組織となっていくのです。
↑MATの誇るさまざまなスーパーメカも、細かく紹介。 (C)円谷プロ
 
変幻自在な必殺アイテム・ウルトラブレスレット
 
第18話「ウルトラセブン参上!」で、ウルトラマンジャックは作品初の宇宙怪獣であるベムスターとの戦いで敗北してしまいます。ベムスターに勝つために、より強い力を欲したジャックは自らの力の源でもある太陽に向けて飛び立ちますが、その引力に捕らわれて太陽に落下するピンチを迎えます。
 
その時にジャックを救ってくれたのがウルトラセブンで、さらにジャックに新アイテムのウルトラブレスレットを託してくれます。通常は左手首に装着されていて、もっとも有名な使われ方はベムスターも倒した、空中を飛んで敵を切り裂くウルトラスパークですが、ほかにも敵に合わせて20以上もの能力を発揮する、まさに「万能武器」としてジャックの戦い方を印象づけるものとなりました。
↑ウルトラブレスレットのさまざまな必殺技を全掲載。 (C)円谷プロ
 
ウルトラマン、ウルトラセブンが応援に登場!
 
そのウルトラブレスレットを持ってセブンが現れた時こそ、作品を越えたウルトラヒーローの初共演が成し遂げられた瞬間でした。
 
今までにも『ウルトラマン』でゾフィーがウルトラマンを迎えにきたり、『ウルトラセブン』でセブン上司がセブンに警告を与えたりしたことはありましたが、まだ「ウルトラ兄弟」という概念が公式にはなかったこのタイミングでの、セブンとジャックの共演は衝撃的でした。
 
しかも第38話「ウルトラの星 光る時」ではウルトラマンとウルトラセブンが集結、ハヤタとモロボシ・ダンの姿にもなって、ジャックの危機を救うための「ウルトラの星作戦」を遂行したのです。
 
以降のウルトラマンシリーズでは、ウルトラヒーローの共演は大きな人気イベントとして定着していくこととなります。
↑ウルトラマンジャックを捕らえて処刑しようとした恐るべきナックル星人。 (C)円谷プロ
 
宇宙人と怪獣の強力タッグぞくぞく出現!
 
放送中頃までは一体の怪獣と戦うことが多かったウルトラマンジャックですが、第37話「ウルトラマン 夕陽に死す」で、暗殺宇宙人ナックル星人と用心棒怪獣ブラックキングと戦ったのを皮切りに、以降最終回までの15話中10話で、宇宙人と怪獣のコンビを相手として戦っています。
 
そしてもちろん最終回第51話「ウルトラ5つの誓い」では触角宇宙人バット星人と宇宙恐竜ゼットン(2代目)の強力タッグと戦い、みごと勝利を収めてウルトラの星に旅立つこととなるのです。
↑バット星人とゼットン(2代目)がジャックに迫る! (C)円谷プロ
もちろん『帰ってきたウルトラマン』にはまだまだ秘密や魅力があります。『テレビマガジン特別編集 帰ってきたウルトラマン EPISODE No.1~No.51』(定価:4620円〈税込〉)で、ぜひさらに新たな楽しみを見つけてください。
 
【商品概要】
●『テレビマガジン特別編集 帰ってきたウルトラマン EPISODE No.1~No.51』
●定価:4620円(税込)
●体裁:A4判 120ページ(カバーつき)
●発売日:2025年8月1日
●発行所:株式会社講談社
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(C)円谷プロ