被災地の放棄地から、100年先の希望を育てる。国産ピーカンナッツで描く、農業と地域の再生ビジョンとは

1935年（昭和10年）創業の老舗チョコレートメーカー・株式会社サロンドロワイヤル（本社：大阪市、代表取締役：前内眞智子）が設立したゴールデンピーカン株式会社は、陸前高田市と東京大学（生産技術研究所・大学院農学生命科学研究科）と連携し、国産ピーカンナッツの栽培から加工・流通までを一貫して行うプロジェクトを推進しています。

このたび、同プロジェクトが「大阪・関西万博」にて初めて展示されることが決定しました。

東京大学・陸前高田市・株式会社サロンドロワイヤルによる協定調印式にて

プロジェクトが本格始動したのは2017年。震災により耕作放棄地が増え、雇用の場も減少していた陸前高田市では、農業による再生の可能性を模索していました。

プロジェクトチームの東京大学が注目したのは、米国南部で栽培される「ピーカンナッツ」。少ない手間で育ち、高齢農家でも扱いやすく、1本の木が200年以上収穫をもたらすという特性をもつことから、長期的・持続的な農業モデルとして期待されています。

2020年、陸前高田市の気象条件に適した品種を探ろうと、異なる立地条件を持つ横田町と米崎町の2か所で、9品種90本のピーカンナッツの試験栽培が開始されました。現在は陸前高田市内の被災地跡地で、東京大学の協力を得ながら苗木の試験栽培やドローンによる生育管理を実施。2024年には、ついに初収穫を達成しました。

ゴールデンピーカンは、単なる栽培事業にとどまらず、ピーカンナッツの産業化を進めています。

2022年には加工工場を併設した「サロンドロワイヤル タカタ本店」（陸前高田市）を開設し、栄養価の高いナッツ製品だけでなく、殻を活用した紅茶などのアップサイクル商品も展開。2023年には国内初の自動殻剥き機を導入し、効率的な加工体制を整備しました。

また、全国レシピコンテストの開催やレシピ本の発行を通じ、ピーカンナッツの新たな食文化創出にも取り組んでいます。

2025年開催の大阪・関西万博では、陸前高田発のピーカンナッツプロジェクトを、震災復興と農業再興の両立を体現するモデルケースとして展示します。会場では、ピーカンナッツプロジェクト ”ピーカンナッツによる国内の農業再生と地方創生“を紹介予定です。

国内でも極めて珍しい国産ピーカンナッツ産業の新たな可能性を発信するとともに、農業・地域・未来のあり方を来場者とともに考える場を創出してまいります。

ピーカンナッツは健康的な食材であるだけでなく、栽培を通して地域の雇用や復興につながる、新しい地域づくりの起点となる作物です。私たちは100年後の未来にも実るナッツの木を、陸前高田という土地に根づかせていきたいと考えています。

万博をきっかけに、この小さな種が全国へ、そして世界へと希望を広げていくことを願っています。

展示内容：ピーカンナッツプロジェクト ”ピーカンナッツによる国内の農業再生と地方創生“

株式会社サロンドロワイヤル（陸前高田ブランドサイト）https://www.s-royal.com/takata/https://www.s-royal.com/takata-concept/サロンドロワイヤル オンラインショップhttps://www.s-royal.com/