名古屋大学  大学院工学研究科 物質プロセス工学専攻 物質創成工学 / 教授  山内 悠輔 氏にご講演をいただきます。

株式会社AndTech(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:陶山 正夫、以下 AndTech)は、R&D開発支援向けZoom講座の一環として、昨今高まりを見せる多孔質材料における課題解決ニーズに応えるべく、第一人者の講師からなる「多孔質材料」講座を開講いたします。

多孔体の種類、合成技術、評価手法や応用に向けた視点、将来を見据えた材料設計の考え方等、多孔質材料の全体像を網羅的に解説!

本講座は、2025年9月26日開講を予定いたします。

名古屋大学  大学院工学研究科 物質プロセス工学専攻 物質創成工学 / 教授  山内 悠輔 氏

ソフトテンプレート法、ハードテンプレート法、自己組織化、相分離法などの代表的合成法

WEB会議ツール「Zoom」を使ったライブLive配信セミナーとなります。

幅広い分野のR&Dを担うクライアントのために情報を提供する研究開発支援サービスを提供しております。

弊社は一流の講師陣をそろえ、「技術講習会・セミナー」に始まり「講師派遣」「出版」「コンサルタント派遣」

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クライアントの声に耳を傾け、希望する新規事業領域・市場に進出するために効果的な支援を提供しております。

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株式会社AndTech コンサルティングサービス

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下記プログラム全項目(詳細が気になる方は是非ご覧ください)

ゼオライト、活性炭、シリカゲルに代表されるような「ナノサイズの空間(ナノ空間)」をもつ多孔質材料は、環境保全、エネルギー変換、光学機能、医療技術、エレクトロニクスなど、幅広い分野への応用が期待されている重要な素材です。

こうした材料の可能性を広げるため、日本では2013年から、「選択的な物質の貯蔵・輸送・分離・変換などを実現するために、物質中の微細な空間構造を自在に制御する技術」を目指す国家的な研究戦略が進められてきました。この方針のもと、「さきがけ(PRESTO)」や「CREST」など、複数の大型研究プロジェクトが立ち上がっています(例:CREST「超空間制御に基づく革新的機能素材の創製」など)。

ナノ多孔体は、高い比表面積や大きな細孔容積などの特徴を持ち、これまでゼオライト・メソポーラスシリカを中心に研究が進められてきました。しかしながら、こうした材料の骨格はシリカ系(絶縁性)や一部の金属酸化物(半導体)のみに限られることが多く、応用も主に触媒担体、吸着材、光触媒などにとどまっているのが現状です。また、従来の手法では完全に結晶化した多孔体をつくることが難しく、産業界ではむしろ非晶質の微粉末の方が扱いやすく効果的とされ、十分な実用化に至っていないことは非常に残念です。

一方で、JSTによる大型研究プロジェクトも数多く実施されてきました。たとえば2000年から始まった東京大学の相田教授による「ナノ空間ERATO」では、超分子化学に基づいた多彩な空間構造体が創出されました。また、錯体化学の分野では、2007年に始まった京都大学の北川教授による「統合細孔プロジェクト」により、金属イオンと有機分子を組み合わせた「多孔性配位高分子(PCP)」あるいは「金属有機構造体(MOF)」の研究が世界的に急速に発展しました。 さらに、東京大学の藤田教授は、自己組織化を用いた金属と有機分子の新たな構造体を開発し、JST-ACCEL「自己組織化技術に立脚した革新的分子構造解析」プロジェクトにより支援されてきました。これら日本の研究者による一連の成果は、空間構造を持つ物質に関する日本の基礎研究のレベルの高さを世界に示すものです。

ただし、有機分子や有機金属錯体を基本とした多孔体(PCP/MOF)は、ガスの吸着や分離、分子認識といった用途には優れていますが、電極触媒やキャパシタ、リチウムイオン電池、燃料電池といった高度なエネルギー変換技術に応用するには、原子がより強固な共有結合や金属結合でつながった安定な無機骨格をもつ新しいタイプの多孔質材料が求められています。

このような多孔体の開発は、環境・エネルギー問題という地球規模の課題の解決にも貢献できるだけでなく、従来とは異なる新たな応用の可能性も広げることができます。本コースでは、古典的な多孔体から最新の研究成果までを取り上げ、多孔質材料の基礎から最先端応用までをわかりやすく解説します。

私たちの身の回りには、目に見えないほど小さな“空間”を活用する材料が数多く存在しています。ゼオライト、活性炭、シリカゲルといった多孔質材料は、ガスや液体を選択的に吸着・分離する機能を持ち、環境浄化、エネルギー変換、医療、エレクトロニクスなど、さまざまな分野で不可欠な存在となっています。

本講演では、多孔質材料の分類・合成法・評価手法といった基礎から始まり、ミクロ(マイクロポーラス)、メソ(メソポーラス)、マクロ(マクロポーラス)といった空間サイズごとの特性や応用について解説します。また、日本発の革新的研究事例として、金属有機構造体(MOF)、メソポーラス金属・酸化物、階層多孔体、単結晶化技術など、最新の研究動向にも触れます。

さらに、近年注目される「ハイブリッド構造」や「空間×時間」の概念を取り入れた材料設計の最前線も紹介し、未来の材料科学の方向性について考察します。

材料科学・化学・工学・環境・医療など、幅広い分野の研究者・技術者・学生の皆様にとって、有益で刺激的な内容となることを目指しています。ぜひご参加ください。

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