第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)は、リチウムイオン二次電池のさらなる需要増加に対応するため、四日市工場霞地区に負極用水系複合接着剤(バインダー)「エレクセルCR シリーズ」の新たな製造設備投資を決定しましたので、お知らせいたします。 |
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「エレクセルCR シリーズ」は、高容量化と長寿命化を実現するリチウムイオン二次電池用の |
水系複合接着剤です。シリコン系負極材料の充放電時に生じる膨張・収縮による性能低下を防ぎ、 |
シリコン系活物質100%配合系に適用可能です。その優れた性能が高く評価され、現在、大手電池 |
メーカーに採用されています。 |
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今回の設備投資計画は、2025 年5 月に滋賀工場で実施した増強投資に続くものであり、投資額 |
は約30 億円、2027 年度の稼働開始を予定しています。これにより、製造能力の強化と安定供給 |
体制の確立を図ります。さらに、今後の市場拡大と顧客ニーズに応えるため、将来的には追加投 |
資も計画しています。 |
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当社は、2025 年4 月からスタートした中期経営計画「SMART 2030」で環境・エネルギー分野を |
注力領域に位置付けています。本分野での存在感をさらに高めると共に、持続可能な社会の実現 |
と環境負荷低減に貢献してまいります。 |
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第一工業製薬 四日市工場霞地区 全景 所在地:三重県四日市市霞1-23-5 |
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【エレクセル CR シリーズとは】 |
リチウムイオン二次電池の負極材料は黒鉛が主流ですが、近年では高容量を追求するために、 |
黒鉛にシリコン系材料(SiO、SiC、Si)が添加されています。シリコン系材料は、充電時に膨張 |
し、放電時に収縮するため、電極構造が破壊され、電池の劣化が生じるという課題があります。 |
昨今では膨張・収縮を制御し、電池の寿命を延ばす接着剤の要求が高まっています。
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「エレクセルCR シリーズ」は、黒鉛を使用せず、シリコン系活物質のみを使用した電極にお |
いても、構造が安定し長寿命化を図ることが可能で、負極容量をさらに向上できる可能性があり |
ます。樹脂の弾性率や強度のコントロールを行い、汎用品では難しい負極材の膨張収縮に適応す |
る性質をもち、高い構造復元性を発揮します。 |
伸長が期待される小型機器や EV 分野への事業拡大をめざします。 |
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【中期経営計画「SMART 2030」における環境・エネルギー分野の位置付け】 |
当社は、2025 年4 月より中期経営計画「SMART 2030」をスタートしました。電子・情報分野、 |
環境・エネルギー分野、ライフ・ウェルネス分野、コア・マテリアル分野に注力し、2030 年には |
売上高1,000 億円、営業利益100 億円をめざす計画です。 |
環境・エネルギー分野の目標は、2030 年に売上高300 億円、営業利益30 億円です。リチウム |
イオン二次電池負極用水系複合接着剤関連においては、そのうち1/3 となる事業成長を狙います。 |
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