当社はこれまで次世代の姿勢推定エンジンである「AsillaPose® E2E」の研究開発を行い、姿勢推定のさらなるパフォーマンス向上を目指してまいりました。
この度研究開発した「AsillaPose® E2E」は著名な姿勢推定技術(オープンソース)であるOpenPoseやRTMOと比較した際に、FPS(AIの推論速度を示す、以下図縦軸)及びmAP(AIの推論精度を示す、以下図横軸)の両面において大きく上回る結果が確認されました。
■今までの「AsillaPose®」との違い
「AsillaPose® E2E」と従来の「AsillaPose® バージョン5.5」との大きな違いとしては以下3点があげられます。
①認識精度向上/誤検知低減
通常の防犯カメラ映像に加えて、低い映像品質、複雑な背景や状態、暗い状態等での人物の認識精度を大幅に向上させることで、行動解析全般における精度向上が期待されます。
・mAP(推論精度)が9%向上
・人物以外を人物と認識する誤認識率が80%低減
②CPUの利用率を低減
AI解析時のCPU利用率を低減することで特に非AI機能の安定稼働が期待されます。
・映像内人数が1人の場合にCPU利用率を359%削減
・映像内人数が複数人の場合にCPU利用率を885.1%削減
③FPS(推論速度)の向上
特にカメラ映像内で人数が多い環境において、より高速な推論と計算負荷の抑制が期待されます。
・映像内人数が1人の場合に11.7fps向上(189%向上)
・映像内人数が複数人の場合に15.3fps向上(289%向上)
※上記の各スコアは特定の環境下においての結果であり、検証環境に応じて変動する可能性がございます。
■「AsillaPose® E2E」適用による進展
当社は今後「AsillaPose® E2E」を各種製品やソリューションへの実装を予定しております。
(以下一例)
「AI Security asilla」: 異常検知を含めた行動解析の精度がさらに向上。これにより、ユーザーの利用負担がさらに軽減され、迅速かつ的確な対応が可能となります。
「Solar AI asilla」: 太陽光発電所における銅線盗難対策において、不審人物の行動認識精度が向上し、誤検知の低減と見逃しの低下によって、さらなる盗難防止に寄与します。
ソリューション開発:AsillaPose® E2Eの高性能な姿勢推定技術を基盤とすることで、これまで以上に高度かつ複雑な行動認識AIソリューションの開発及び提供が可能になります。
■アジラの研究開発体制について
当社にはコンピュータビジョンや人間工学の分野で深い専門性を持つ研究者が多数在籍しており、常に最先端の技術を取り入れ、革新的な製品及びソリューションの開発に取り組んでおります。今回の「AsillaPose® E2E」の大幅なアップグレードも、長年にわたる研究開発の成果となります。
フィールドテストからAIモデルの改修まで高速的なPDCAが求められる映像解析AIの領域において、当社は研究開発~製品開発までを一気通貫で行うことで、技術的ブレークスルーを探索すると同時に、常に品質の追求と開発スピードの向上を両立しております。また市場からのフィードバックを積極的に取り入れ、現場のニーズに即座に応える体制を実現しております。
■今後の展望
当社は今後「AsillaPose® E2E」の各製品及びソリューションへの実装を加速させ、顧客へのさらなる価値提供に努めてまいります。また、高精度な姿勢推定技術を基盤とした新たなAIソリューションの開発にも積極的に取り組み、より「安全で快適な世界」の実現に貢献してまいります。