住設資材メーカーの、デンカアステック株式会社(代表取締役社長:後藤一之、本社:東京都港区)は、前身企業時代も含め、60年以上の雨どい製造の経験と、「雨水」の集排水に関する専門技術があり、これらの技術を活かした新事業として、「雨水」を大切な水資源として活かす取り組みを本格化しました。気候危機と災害多発時代。当社は、雨水の集排水関する豊富な知見を基に、「雨水の利活用」に取り組み、「水不足対策に向けた環境配慮」と「災害時に備えた停電時にも使えるトイレ」の実現に取り組んでいます。 |
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■ 世界における、1人あたりの年間水資源量と利用量 |
国連開発計画(UNDP)の「人間開発報告書」では、「世界全体を見ると、すべての人に行き渡らせるのに十分なだけの水量が存在しているが、国によって水の流入量や水資源の分配に大きな差がある」という問題点が指摘されています。 |
例えば、オーストラリアのように水資源量が利用量を大きく上回る地域もあれば、日本やスイスのように利用量が水資源量ギリギリもしくは、不足となっている地域もあります。 |
また、同じ地域、国内においても、水資源と人口の分布が全く一致しないことも多いのです。 |
このように、水は地域により偏在する資源であると言えます。 |
日本は水が豊かな国と思われがちですが、近年は気候変動の影響で雨や雪が減り、水不足(渇水)が頻発しています。さらに、日本は急な河川が多く、水の安定確保が難しい地形です。加えて地震や局地的豪雨といった災害も増えており、水不足は日本にとっても課題となっています。 |
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一人当たりの年水資源量と利用量 |
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■ 災害時におけるトイレ問題 ― 災害時の備えとして忘れがちな「トイレ」 ― |
災害時におけるトイレ問題にはどのようなものがありますか? |
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1. 絶対数の不足 |
大規模災害時、上下水道インフラが停止し、水洗トイレが使用不能となる。避難所等に設置される仮設トイレの数が、圧倒的に不足することが多い。 |
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2. 衛生環境の悪化と感染症リスクの増大 |
清掃が行き届かず、汚物が放置されることで、悪臭、ハエ、ゴキブリが発生。O157、ノロウイルスなどの感染症(経口感染、接触感染)のリスクが拡大。 |
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3. 心身への影響 |
トイレに行きたくても行けない、汚いトイレを使わざるを得ないストレス。 特に女性は性被害への不安、男性もプライバシーの欠如による苦痛を訴える。水分摂取や食事を控えることで脱水症状や便秘・尿路感染症のリスクが高まる。 |
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4. 高齢者・要配慮者への配慮不足 |
和式トイレや狭い空間は、高齢者、障害者、妊婦、乳幼児連れに非常不便。 |
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■ 雨水利活用タンク「PURE EDEN(ピュアエデン)」 |
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日本初の「トイレ洗浄用 雨水タンク」が実現! |
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雨水利活用タンク「PURE EDEN(ピュアエデン)」 |
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平常時 : トイレ洗浄水として利用可能(家庭用水の21%はトイレ洗浄水) |
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災害時 : 断水時でも“無電力で使える水洗トイレ”を確保 |
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・ 壁面設置型で日本の狭小住宅を想定した設計 |
・ 雨水活用の第一人者である福井工業大学の笠井利浩教授との共同開発 |
・ 水循環機能による、タンク内の水質維持を実現 |
・ 1台で100Lの貯水が可能 |
・ 断水時に、タンク内に備蓄した水を使い切った場合でも、 |
雨が降れば、トイレ洗浄水として貯水できトイレ利用が可能 |
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■ デンカアステックが取り組む社会課題とは |
雨どいメーカーとして、長年「雨水の集排水」技術を磨いてきた当社は、これまでの経験を活かし「雨水を利活用する」社会インフラづくりに挑んでいます。 |
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・ 水不足への対策 : 雨水を資源として利活用し、環境への配慮を実現 |
・ 災害時への備え : 首都直下型地震や南海トラフ地震を見据えた災害時への備え |
・ 豪雨による内水浸水対策 : 豪雨による内水氾濫への対策製品の開発 |
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■ 雨水を取り巻く社会課題へのチャレンジ構想 |
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Step1:トイレ・散水用途 |
雨水をトイレ洗浄水や散水用水として活用する雨水タンクの開発 |
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Step2:洗濯・風呂用途への用途拡大 |
雨水の利用範囲を洗濯や風呂などの生活用水へ拡大 |
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Step3:IoTを活用した雨水管理システムの実現 |
IoTによりリアルタイムの気象データと建物に設置した雨水タンクを連携させて |
雨水を管理・制御するシステムの実現 |
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■ 共同研究者の紹介 |
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笠井 利浩(かさい としひろ) |
福井工業大学 環境学部 環境食品応用化学科 教授 |
博士(工学) |
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専門分野:雨水利用、環境教育 |
「雨を貯めて使うのが普通の社会の実現」を通じて持続可能な社会の実現を目指す。 |
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<学歴> |
山口大学 工学部 資源工学科 |
山口大学 工学研究科 資源工学専攻 修士課程 |
山口大学 工学研究科 物質工学専攻 博士課程終了 |
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<経歴> |
日本文理大学助手、同講師 |
福井工業大学准教授、同教授(現在) |
日本雨水資源化システム学会 理事 |
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<主な研究実績> |
・ 自立分散型スマート雨水利用システムの開発 |
長崎県五島市の赤島において、持続可能な水資源確保と地域活性化に取り組む |
国立研究開発法人科学技術振興機構主催 令和2年度「STI for SDGs」アワード優秀賞受賞 |
レジリエンスジャパン推進協議会主催 第7回「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞) |
最優秀賞受賞 |
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・ 雨水生活体験を通じた環境教育プログラムの実践 |
離島での雨水生活体験を通じて、環境意識の向上を図る教育プログラムを開発。 |
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・ 雨水飲料「あまみずドリンク」の開発 |
日本初の雨水を原料としたボトル飲料を開発。 |
2023年2月に開催された国際的な水の品評会で銀賞を受賞。 |
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・ IoTを活用した分散型雨水活用システムの構想と実証 |
都市建築における持続可能な水循環を実現するため、IoT技術を用いた雨水活用 |
システムの構想と離島での実証実験を実施。 |
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■ 社会背景と今後の展望 |
近年の気候変動や、首都直下地震等の大規模災害対策を見据えた「水資源確保」の一環として、「雨水を利活用」するトイレ洗浄用タンク「PURE EDEN(ピュアエデン)」の製品化を皮切りに、今後は、風呂・洗濯用途へ用途拡張の開発を進行中。 |
また、異常気象への危機感が高まるなか、豪雨による都市型浸水や内水氾濫による浸水対策製品の開発も同時で進めており、将来的には、IoTによる雨水管理システムの実現を目指しています。 |
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■ デンカアステック株式会社について |
デンカアステック株式会社は、旧東洋化学時代から60年以上にわたり、雨樋の開発・製造に携わってきた、雨どいの老舗企業。国内で唯一、樹脂製・金属製の両方の雨樋を手がけるメーカーとして、多様な建築ニーズに応え続けている。こうした長年の実績に裏打ちされた「雨水の集排水」に関するノウハウを活かし、現在は“捨てる水”から“活かす水”へと視点を転換。災害時や水不足の時代において、雨水を「貯めて使う」「制御して守る」といった“水循環の新たな専門企業”として雨水をインフラ資源へと昇華させる革新に挑戦中。 |
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■ デンカアステック株式会社 会社概要 |
社名デンカアステック株式会社 |
設立年 2021年4月1日(デンカ株式会社より分社化) |
資本金 5000万円(デンカ株式会社100%子会社) |
代表者 代表取締役 後藤一之 |
本社所在地東京都港区芝公園2−4−1 芝パークビルB館 12階 |
電話番号 03-5473-7770(代表) |
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