実際の洗濯ボランティア活動で浮き彫りになった課題をもとに開発
コインランドリー専門会社であるファミリーレンタリース株式会社は、災害時でも継続的に洗濯が可能な水循環型システム「※オーシャンループシステム(以下、「OLS」という)」を開発し、関連技術について特許を出願しました。OLSは、能登半島地震における洗濯ボランティア支援の経験をもとに研究開発を繰り返し、「洗濯衛生インフラ」として、自治体・公共施設への導入を想定しています。
※商標出願
■洗濯ボランティア支援を経験
当社は、2024年1月に発生した能登半島地震の際に洗濯ボランティア支援を実施しました。
その現場では、以下の課題が顕在化しました。
 
⚫︎水インフラが止まり、洗濯に必要となる水資源の利用は制限せざるを得ない
⚫︎近隣のコインランドリーは上下水道の停止により稼働不能となり、被災者から2時間以上かけて洗濯場に移動
⚫︎衣類の洗濯ができず、衛生環境の悪化が顕在化
被災地で整理券を配布して、連日洗濯に来るが大行列
 
ランドリー用コンテナとインフラ用コンテナを運搬設置
被災地で洗濯を求める多くの声をいただきました
■構造的課題
災害時の支援は、
⚫︎水・食料
⚫︎トイレ
⚫︎入浴
に集中しがちですが、衛生面から衣類は菌の温床となるため、「洗濯=衛生維持」が必要不可欠です。
 
総務省消防庁によると、指定避難所における避難者の生活環境改善にも厨房設備、入浴設備、洗濯設備、指定避難所の生活環境改善にかかる機能を一体的に備えた車両(災害対応車)など、長期化する避難生活を支援する設備を取り込むことが必要となっており、こうした課題を受け開発されたのが、OLSです。
 
■循環システム概要
※簡略フロー
洗濯水の給水→洗濯→洗濯排水→物理ろ過→オゾン処理→殺菌処理→洗濯機(繰り返し)
 
●環境と人にやさしい洗濯水 ※重珊水(じゅうさんすい)の開発
※商標出願
 
⚫︎洗濯排水をろ過・処理し再利用
 
⚫︎洗濯水を循環させることで、水と洗剤の使用量を大幅削減
 
⚫︎給水車による洗濯水給水で運用可能
 
■オーシャンループシステムの特徴
⚫︎約1ヶ月以上の水再利用を想定
 
⚫︎公衆衛生基準レベルを目標とした水質管理
 
⚫︎プロパンガス・発電機による自立運用
 
⚫︎上下水道停止時でも稼働可能
 
⚫︎タイヤ付移動型コンテナで場所を選ばずに設置可能
 
■導入モデル
●平時:高齢者や周辺住民の洗濯サービスとして、コインランドリー店舗として運用
 
●災害時:既存設置場所あるいは、指定避難所に移動して無料開放でき、洗濯支援拠点化
 
■今後の展開
⚫︎自治体との実証実験
 
⚫︎衛生インフラの防災設備としての導入提案
 
⚫︎官民連携での災害協定の締結
ファミリーレンタリース株式会社 代表取締役会長兼社長 鈴木 國夫
能登半島地震の支援現場で、洗濯ができないことが被災生活に大きな影響を与えることを改めて実感しました。
実際に多くの被災者の方々から、洗濯の必要性や感謝の声をいただいています。
災害時に清潔な衣類を確保することは、衛生環境の維持、感染症対策、生活の安心につながります。
そのため、洗濯を災害対応の一部として位置づけ、平時から自治体が準備しておくことが重要です。
私たちはこの経験をもとに、災害時にも活用できる循環型洗濯システムを通じて、新たな社会基盤である「洗濯衛生インフラ」の構築を進めていきます。