~実証実験で有効性を確認、サービス化へ~
 損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:石川 耕治、以下「損保ジャパン」)、SOMPOリスクマネジメント株式会社(代表取締役社長:中村 隆久、以下「SOMPOリスク」)、NOK株式会社(代表取締役社長執行役員グループCEO:鶴 正雄、以下「NOK」)、株式会社リトルソフトウェア(代表取締役:川原 達夫、以下「LSW」)およびトヨタエルアンドエフ神奈川株式会社(代表取締役社長:坂田  吉正、以下「トヨタL&F神奈川」)は、フォークリフト保有企業を対象として、脳波データを活用した事故抑制プログラムの実証実験を実施しました。その結果、これらのデータからフォークリフト事故の抑制に有用なオペレーターの特性・心身の状態に関する情報が得られることを確認しました。本結果を踏まえ、今後本プログラムのお客さまへのサービス提供を予定しています。
 
 
1.実証実験の背景・目的
 物流倉庫や工場などの多くの事業所で、フォークリフトは不可欠な荷役運搬機器ですが、その操作には常に事故のリスクが伴います。日本全国でフォークリフトによる労働災害は、年間約2,000件※発生しており、安全性向上は日本のフォークリフト業界における重要課題となっています。
 これまで、安全対策はルール遵守の徹底や危険箇所の物理的な改善が中心でした。しかし、事故の多くはヒューマンエラーが原因であり、従来の対策だけでは限界があります。そこで、本実証実験では、専門知識・ノウハウを持つ以下の5社が協同し、オペレーター一人ひとりの運転中の行動(ルーティン含む)や思考の特性を脳波などから診断するという新たなアプローチで、物損事故や労働災害のさらなる抑制を目指しました。
 
損保ジャパン   :本プログラム組成の企画・立案
SOMPOリスク :フォークリフト企業向けに長年、事故防止プログラムで培ったノウハウを提供
NOK         :装着が容易で、頭皮や額から微弱な脳波を精度高く測定できる独自のゴムを開発。これを装着した脳波測定器の提供
LSW       :脳波データを分析し、最適な人員配置やチーム作りを支援
トヨタL&F神奈川  :地域に密着したフォークリフトディーラーとしての知見を活かし協力
※出典:一般社団法人日本産業車両協会「フォークリフトに起因する労働災害の発生状況」
(原典:厚生労働省「労働災害統計」)
 
 
2.事故抑制プログラムの概要
(1)プログラムの概要
 本プログラムでは、フォークリフト操作中のオペレーターの脳波などの生体データを、ヘルメット型の専用デバイス等で計測・解析します。
 
 これにより、これまで管理者の経験や感覚に頼ることが多かった「集中力の持続度」、「注意力の傾向」、「ストレスを感じる瞬間」および「空間認識力」などを約10~20分という短時間で客観的に可視化します。
 個人の特性(作業スタイル)をデータに基づいて把握し、一人ひとりに合った具体的な教育・支援や、チームとしての適切な人員配置を可能にすることで、従来の安全管理とは異なる科学的なアプローチから、事故リスクの低減を目指します。
(※本デバイスは、疾病の診断、治療、予防を目的とした医療機器ではありません。)
 
(2)サービスメニュー
 本プログラムでは、以下の2つのサービスメニューを提供する予定です。
 
1.次世代フォークリフト安全講習サービス
企業が実施する安全運転講習会などの場で生体データを取得します。脳波からオペレーターの「得意な作業・苦手な作業」や「作業スタイル」を分析し、オペレーター間の相性も考慮したチーム編成を提案します。また、安全確認のタイミングや癖をチェックし、客観的データに基づいた納得感のある指導・育成を支援します。
 
2.実稼働型フォークリフト安全解析サービス
日常の通常作業時に生体データを取得します。オペレーターがストレスや危険を感じたポイントを作業場所と紐づけて特定することで、「人のスキル」だけでなく「場所のリスク」も特定し、より安全で働きやすい職場環境の構築を支援します。
 
(3)提供レポート・動画
 これらのサービスを通じて、以下のレポートや動画を提供し、企業の安全管理体制を強化します。
 
1.個人向けレポート
取得したデータから、集中力低下の兆候や潜在的な危険箇所(ヒヤリハットポイント)を具体的な数値と画像でレポート化します。また、データから推測される身体的な留意事項のフィードバックも行い、多角的な視点から労災の未然防止に貢献します。
 
2.法人向けレポート
現場全体の安全傾向(強みや潜在的なリスク・懸念点)を定量的に可視化します。各オペレーターの特性を6つのタイプに分類して一覧化し、相性診断も掛け合わせることで、事故リスクの低減につながる人員配置や、現場の安全性を高めるチームビルディングを支援します。
 
 
3.今後について
 本プログラムの提供を通じて得られるデータを蓄積・分析し、将来的にはフォークリフト事故の予兆検知モデルの開発や、より精度の高いリスク評価アルゴリズムの構築を目指します。
 また、フォークリフト以外のさまざまな車両や重機、製造ラインの作業者などへ本技術の適用範囲を拡大していくことも検討し、あらゆる業種・業界におけるヒューマンエラーの低減と、働く人の安全・安心に貢献していきます。
 
以上