|
|
|
株式会社ピーオーリアルエステート(本社:東京都品川区、代表取締役社長:福田泰博)は、土浦亀城邸の復原・移築手法とポーラ青山ビルディングとのサステナブルな共生関係の構築に関する業績において、日本建築学会賞(業績)を受賞しました。本受賞では、土浦亀城邸の復原・移築のプロセスを通して、モダニズム住宅の設計思想と生活文化を現代に再生すると共に、ポーラ青山ビルディングとの共生により、都市開発のなかで住宅文化財を継承する新たな方法を示した点が評価されました。 |
|
|
|
土浦亀城邸は、建築家・土浦亀城、土浦信子夫妻が設計し、1935年に竣工した自邸です。白い箱型の外観、吹抜と階段でつながる立体的な空間構成、家具や調度を含めた先進的なデザイン、明るく健康的で、機能性を志向した住まいなどモダニズム住宅の重要な価値を備えています。1995年に東京都指定有形文化財、1999年にDOCOMOMO Japan最初の20選に選定された戦前の木造モダニズム住宅の傑作です。 |
|
|
|
当社はこれまでも、土浦亀城邸の所有・管理・運営者として、土浦夫妻の暮らしぶりを伝える生活用品や関連資料の整理保存、適切な維持管理、一般公開を通じてその価値の継承に取り組んでまいりました。今後も適切な維持管理を基盤に、研究、教育普及や地域連携といった更なる活用を通じて、建築遺産の価値を社会へひらき、優れた建築がもたらす都市空間の豊かさを拡げてまいります。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
左:土浦亀城邸 外観、中央:土浦亀城邸 居間、右:ポーラ青山ビルディング 外観/左・右:Photo (C)Tomoyuki Kusunose、中央:土浦亀城アーカイブズ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
◆講評(日本建築学会賞HPより引用) |
|
|
|
東京都心の大規模開発の公開空地に指定文化財の住宅を移築保存するという発想が、都市開発の側からも保存活用の視点からも、ともに意表を突くものである。しかもその整然としたたたずまいはこの成果に到達するまでの難路を感じさせないという、それほど鮮やかな業績である。 |
|
|
|
本業績は以下に述べる三つの視点からそれぞれ評価できる。 |
|
第一の視点は「モダニズム実験住宅の復原保存」である。1935年築の白いモダニズム建築の住宅は一見コンクリートに見えるが実は大工の仕事による木造であり、90年余の歳月による劣化も相当なものであったと報告されている。その建物を解体移築し復原に向け構造体からテキスタイルの色彩までの次々現れる課題を丹念に解決している。この努力によって当初の設計思想を体現した関係者には最大の賛辞をささげるべきものである。 |
|
|
|
第二の視点は「モダニズムの興隆期の生活文化の再生」である。文化財建造物とは言え単にそこに置かれただけでは大型展示物としか見られないおそれのあったところを、建築当初の土浦夫妻が目指した生活の姿を再現することに実に細やかな配慮がなされ、その懸念は払拭されている。亀城氏のデスク周りに置かれた小物や書物、信子夫人の絵画作品や夫妻がそろえた食器までが、まるで昨日までそこに夫妻が暮らしていたかのように展示されている。この昭和初期モダニズム生活文化の総合的な展示が建築関係者以外の人々に建築保存の、わけても様々な理由で困難な個人住宅の保存継承の意義を体現している。 |
|
|
|
第三の視点は「都市開発との幸福な一体化」である。土浦邸の購入者は建物にほれ込んだ個人であったが、修復の可能性を本業績の設計者に持ち掛けたところ、たまたま同時期に本開発プロジェクトを手掛けていた設計者が当地への移転保存を提案したと聞く。東京都の開発諸制度における歴史的建造物の位置づけを熟知した設計者らの慧眼である。加えて個人住宅を法人所有にすることによって相続に関するいくつかの問題が解消される。 |
|
|
|
今後の住宅の保存継承に重要な選択肢をもたらしたと同時に、ともすれば無個性になりがちな都市開発空間に豊かさをもたらす手法となりうるものである。本業績の意義はここに挙げた三点にとどまるものではない。あえて付け加えるとすれば、この清明なモダニズムの空間が当時上大崎の住宅街に住んでいた一人の少年、槇文彦に、建築家という職業を憧憬させた事実の伝承を可能にした点を挙げたい。槇氏はかつて建築の初学者たちに「優れた建築とは、その時代の息遣いを伝えるものである」と語っていた。たたずむ場所が変わりこそすれ、この建物はその含意するところを雄弁に語っている。以上のことから、本業績は日本建築学会として高く評価できる。よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
◆日本建築学会賞について |
|
|
|
日本建築学会賞は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるとともに、日本の建築文化を高めることを目的とした賞です。論文・作品・技術・業績の4部門からなり、業績部門は「論文・作品・技術部門以外の、近年中に完成した学術・技術・芸術などの進歩に寄与する優れた業績」に贈られるもので、建築・都市、建築技術、建築遺産の保存修復、出版事業、建築・まちづくりに関わる社会活動等が対象になります。 |
|
|
|
|
|
◆ 本業績の受賞者一覧 |
|
|
| |
氏名・名称 |
役割 |
|
施主・所有者 |
株式会社ピーオーリアルエステート |
土浦亀城邸・ポーラ青山ビルディングの所有・管理/運営者 |
|
正会員 |
安田 幸一 (安田アトリエ主宰/東京工業大学名誉教授) |
土浦亀城邸およびポーラ青山ビルディングの設計・監理統括、プロジェクト統括責任者 |
|
正会員 |
山崎 鯛介 (東京科学大学博物館教授) |
土浦亀城邸の歴史考証主担当、保存研究責任者 |
|
正会員 |
長沼 徹 (東京科学大学 助教 ) |
土浦亀城邸の歴史考証担当(主に調査・色彩研究)、保存担当、アーカイブズ資料主管理者 |
|
正会員 |
加藤 雅久 (居住技術研究所主宰) |
土浦亀城邸の歴史考証担当、文化財修理技術者(主に解体調査、保存方法)、監理担当、土浦亀城邸文化財保存活用計画書主執筆者 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
■ 土浦亀城邸・ポーラ青山ビルディング概要 |
|
|
|
土浦亀城邸とポーラ青山ビルディングは、AACA賞最優秀賞、グッドデザイン賞に、今回の日本建築学会賞を加え3賞を受賞しました。 |
|
|
|
■ 土浦亀城邸・概要
|
|
|
|
【所在地】東京都港区南青山2-5-13 |
|
【原設計】土浦亀城・土浦信子(1935年 品川区上大崎) |
|
【復原・移築設計】安田アトリエ |
|
【歴史考証】東京科学大学山崎鯛介研究室 居住技術研究所 |
|
東京工業大学安田幸一研究室(長沼徹,他) |
|
【実測調査・実測図面・模型制作】東京工業大学安田幸一研究室 |
|
【構造設計】金箱構造設計事務所 |
|
【設備設計】ZO設計室 |
|
【ランドスケープ設計】ランドスケープ・プラス |
|
【施工】鹿島建設 |
|
【建築概要】地上2階・地下1階/建築面積66.39平方メートル /延床面積191.36平方メートル |
|
|
|
|
|
|
Photo (C)Tomoyuki Kusunose |
|
|
|
|
|
|
|
■見学について |
|
・一般公開詳細URL:https://www.po-realestate.co.jp/business/aoyama-tsuchiurakameki.html
|
|
・新たな取り組みとして、全6回の対話型鑑賞によるコンサートシリーズ「建築家が聴いた音楽 ― 建築家・土浦亀城の思考に響いた音」を開催予定:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000134147.html
|
|
|
|
|
|
|
|
■ ポーラ青山ビルディング・概要 |
|
|
|
【所在地】東京都港区南青山2-5-17 |
|
【建築主】ピーオーリアルエステート |
|
【デザイン総括】安田幸一 |
|
【設計・監理】安田アトリエ+久米設計 |
|
【構造設計】 金箱構造設計事務所、久米設計 |
|
【設備設計】久米設計 |
|
【ランドスケープ設計】ランドスケープ・プラス |
|
【アート・ディレクション】TAKプロパティ |
|
【アーティスト】SHIMURAbros、大山エンリコイサム、板東優 |
|
【施工】鹿島建設 |
|
【建築概要】地上16階・地下2階・塔屋2階/建築面積1,090.76平方メートル /延床面積17,104.44平方メートル |
|
|
|
|
|
|
Photo (C)Tomoyuki Kusunose |
|
|
|