|
|
|
|
ソリューションの概要 |
|
|
|
|
|
|
株式会社日立製作所(以下、日立)は、オープンイノベーションによるAI創薬を加速させる「秘匿AI基盤」(以下、本基盤)を開発します。本基盤は、日立が有する秘匿情報管理技術*1や、医薬・IT・AI活用に関するドメインナレッジを活用したもので、製薬企業やアカデミアなどが持つ機密性の高い研究データとAI創薬スタートアップのAIモデルを、互いに開示することなく安全に連携することができるため、創薬へのAI活用を促進し、創薬プロセスの効率化に貢献します。日立は創薬領域のAIモデルを強みとする株式会社MOLCURE(以下、MOLCURE)との協創を通じて、2026年度から本基盤をベースとした「OI(オープンイノベーション*2)創薬基盤サービス(以下、本サービス)」としての提供開始をめざし、本格的な検討を進めていきます。 |
|
本サービスは、MOLCUREが強みを持つ抗体を対応領域としてスタートし、将来的には核酸、ペプチドなど多様なモダリティ*3への拡大を見込んでいます。さらに、製薬企業やアカデミアなどが求める技術ニーズと、スタートアップが保有するシーズ(技術・知見)を、機密性を保ちながらマッチングする機能の提供もめざします。 |
|
日立の秘匿情報管理技術は、高度な暗号化により、万一データが漏洩しても元の情報を復元できない堅牢性を有します。また、MOLCUREのAIモデルは、進化分子工学と実験自動化技術を組み合わせて収集した高品質なデータを学習したものです。本サービスは、日立が本基盤上に創薬業務に必要なFine-Tuningなどのプログラム群を整備することにより、MOLCUREをはじめとするAI創薬スタートアップの特長的なAIモデルをベースに、自社データを用いたオリジナルのAIを開発できる環境を提供します。 |
|
日立とMOLCUREは、3月までに基盤の有用性を検証するためのPoC(概念実証)を実施し、本基盤上で学習データ及びAIモデルを秘匿しながら、安全に学習・推論可能であることを確認しています。将来的には、AI創薬パートナーやAIサービスを活用したい製薬企業や医薬品開発業務受託機関、バイオテック企業、アカデミアの参画を募ることで、本サービスを通した製薬企業、アカデミア、スタートアップ間のオープンイノベーションのさらなる促進をめざします。 |
|
また、日立は本サービスを複数の企業、アカデミア、自治体などが、共通の目的のために技術開発や新規事業の創出に取り組むコンソーシアム型へと進化させ、Lumada 3.0*4を体現するHMAX Industryを支えるサービスとして、日立が注力しているバイオ医薬分野に展開することをめざします。 |
|
日立は、産業分野向けに、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた次世代ソリューション群「HMAX Industry」に注力し、フロントラインワーカーの現場を革新するとともに、人々のウェルビーイングの向上に貢献します。 |
|
|
|
*1 秘匿情報管理技術 : データを暗号化したまま検索や計算処理を行う技術。日立は、検索可能暗号化技術などを活用し、プライバシー保護とデータ利活用を両立するサービスを展開している。 |
|
*2 オープンイノベーション(OI) : 自社だけでなく、他社や大学、研究機関などが持つ技術やアイデア、ノウハウなどを組み合わせることで、革新的なビジネスモデルや製品、サービスを創出する方法論。創薬分野では、創薬シーズの枯渇や開発コスト増大を背景に重要性が増している。 |
|
*3 モダリティ: 医薬品の基本的な技術基盤や手段の分類のこと。 |
|
*4 Lumada 3.0:日立のドメインナレッジで強化したAIを活用することにより、Lumadaを進化させたもの。Lumadaとは、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。 |
|
|
|
|
|
背景 |
|
|
|
近年、医薬品開発の現場では、研究開発費の高騰や成功確率の低下、開発期間の長期化といった課題に直面しています。その解決策として、AIを活用した創薬(AI創薬)の実用化が世界的に急ピッチで進められています。創薬におけるAIの世界市場規模は、2022年に18億米ドルと評価され、2023年の23億4000万米ドルから、2031年には193億5000万米ドルに成長し、予測期間中(2024~2031年)のCAGRは30.2%で成長する見通しです*5。 |
|
しかし、AI創薬を推進する上で、データの取り扱いに課題があります。具体的には、現状では、厳格な秘密保持契約(NDA)を締結した上で、化合物データなどを匿名化(マスキング)して提供する、もしくは物理的に隔離された専用サーバー内で個別にAIを学習させる手法が一般的です。ところが、これらの方法では、データの秘匿性を高めようとマスキングを強めるほど、AIの学習精度が落ちてしまうというジレンマが生じます。
さらに、自社の極秘情報が漏洩するリスクを完全には排除できないため、複数社による大規模なデータ共有が進みにくいのが実情です。加えて、創薬に不可欠なデータや最新技術、専門的な知見は、製薬企業だけでなく、アカデミアやスタートアップ企業などさまざまな組織に分散しているため、一企業単独での開発は困難です。また、日本国内においては、ITやAIを扱う専門人財の不足していることから、組織間の円滑な協業を阻んでしまうケースが少なくありません。 |
|
こうした課題解決に向けて、高い安全性と信頼性を担保しつつ、複数のステークホルダーがセキュアにデータとAIを活用できる環境へのニーズが急速に高まっています。 |
|
|
|
*5 グローバルインフォメーション調べ |
|
|
|
|
|
本基盤に適用している、日立独自の秘匿情報管理技術によるデータとAIモデルの相互保護について |
|
|
|
本基盤は、日立の検索可能暗号およびTEE(Trusted Execution Environment)*6からなる秘匿情報管理技術を活用しています。日立の堅牢な秘匿情報管理技術は、機密データや個人情報を安全に保管・活用するための仕組みです。データベースのデータを乱数化したまま検索処理ができる「検索可能暗号化技術」と、ハードウェアとして隔離された安全なメモリ実行環境を組み合わせることで、情報漏洩のリスクを根本から低減し、クラウド環境などでも安心してデータを利活用できる強固なセキュリティを提供します。これにより、製薬企業は自社の創薬ターゲットや実験データを、AI創薬パートナーは自社のAIモデルやアルゴリズムを、乱数化または隔離された環境下で持ち寄ることが可能になります。 |
|
|
|
また、製薬企業が複数の創薬スタートアップと同時に共同研究を進める場合でも、データやモデルの混在、他社の知的財産が、意図せず自社の成果物に混入してしまうといったリスクを抑制することが可能となります。これにより、双方が互いに「中身を見せない」状態で、共通の計算環境上でAI学習や推論を実行できるため、情報漏洩や知的財産の流出のリスクを最小限に抑えながら、高度な共同研究や共同開発が可能となります。 |
|
|
|
*6 TEE (Trusted Execution Environment) : プロセッサ(CPU/GPU)内にハードウェア的に隔離された安全な実行環境のこと。OSや管理者権限であっても、この領域内のメモリ内容を覗き見たり改ざんしたりすることはできないため、極めて機密性の高いデータ処理やAIモデルの実行に適している。 |
|
|
|
|
|
日立の医薬分野におけるケイパビリティと秘匿情報管理技術の実績 |
|
|
|
日立は長年にわたり、医薬分野において、培養設備をはじめとした生産設備・機器、培養シミュレーションなどのスケールアップ技術、ロボティクスSIや生産・品質管理システム「HITPHAMS」や医薬・医療機器業界全体の業務効率化・DX推進を支援するソリューション群「Hitachi Digital Solution for Pharma」 、ERPに至るまで、さまざまなIT・OT・プロダクトをOne Hitachiで提供してきた豊富な実績とドメインナレッジを有しています。 |
|
また、日立独自の秘匿情報管理技術を用いた「匿名バンク」は、機密情報を乱数化・仮名化した状態で扱えるクラウド基盤として、公共・ヘルスケア分野を中心に幅広い活用実績を有します。One HitachiでこうしたIT、OT、プロダクトを組み合わせ、革新的なサービスを提供しています。 |
|
|
|
|
|
「ファーマIT&デジタルヘルスエキスポ2026」での紹介について |
|
|
2026年4月21日(火)~23日(木)に、東京ビッグサイト(東8ホール)で開催される「ファーマIT&デジタルヘルスエキスポ2026」の日立ブースにおいて、本サービスをはじめとする製薬業界における秘匿情報管理技術の活用例や、同技術を用いたサービスについてご紹介します。 https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/app/registry/index.html#event
|
|
|
|
関連サイト |
|
・日立の秘匿情報管理サービス「匿名バンク」について |
|
https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/app/tokumei/index.html |
|
・「Hitachi Digital Solution for Pharma」に関するWebサイト |
|
https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/hdsf_pharma/index.html |
|
・ 日立の「培養プラント」に関するWebサイト |
|
https://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_site/medicine/products/plant/bio.html |
|
・ 日立の「培養シミュレーション」に関するWebサイト |
|
https://www.hitachi-hps.co.jp/business/lifescience/biopharmaceutical/index.html#sec01 |
|
・日立の「ファクトリーオートメーション」に関するWebサイト |
|
https://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/portal/industry/factory_automation/index.html |
|
・日立の医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」に関するWebサイト |
|
https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/hitphams/index.html |
|
・日立のERPに関するWebサイト |
|
https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/sap/index.html |
|
|
|
商標注記 |
|
「HITPHAMS」は株式会社日立製作所の登録商標です。 |
|
「匿名バンク」は株式会社日立製作所の登録商標です。 |
|
記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。 |
|
|
|
日立製作所について |
|
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。
2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、https://www.hitachi.co.jp/をご覧ください。 |
|
|
|
MOLCUREについて |
|
MOLCUREは、2013年に設立され、AIを活用した抗体およびペプチドの創薬において最前線を走る企業です。MOLCUREのAI創薬プラットフォームは、独自に開発した先進的な大規模言語モデル、物理ベースのシミュレーション、自社バイオラボで得られる高品質な実験データに基づいて構築されています。この革新的なプラットフォームにより、従来技術では困難とされたターゲットに対して、効果的かつ安全なバイオ医薬品の発見が可能となります。
MOLCUREは、世界をリードする製薬会社を含む先進的なパートナーと提携し、研究開発の加速を実現することで、世界中の患者さんに画期的な新しい治療法を届けることに貢献しています。2026年4月1日現在、累計19社、28件の提携プロジェクトを推進しています。本社は日本の川崎市に、バイオラボは山形県鶴岡市に構えています。詳細については、https://molcure.comをご覧ください。 |
|
|
|
|
|
お問い合わせ先 |
|
|
|
株式会社日立製作所 |
|
お問い合わせ:製造業・流通業向けソリューション:日立
|
|
|
|
株式会社MOLCURE |
|
お問い合わせ:Business Development |
|
contact@molcure.io |
|