ショート動画視聴時の脳活動で、商品の購入・非購入意向の差異を確認
トレンダーズ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:黒川涼子、東証グロース上場:証券コード 6069)が運営する「SNS Insight Lab.」は、このたび、一橋大学社会科学高等研究院 脳科学研究センター(HIAS-BRC) 福田玄明准教授との共同研究として取り組みを進めている、SNSのショート動画視聴による脳活動への影響を解明するプロジェクトより、その第一弾の実験結果を発表いたします。
 
 
 SNS Insight Lab. と 一橋大学社会科学高等研究院脳科学研究センターについて
 
 2024年12月に設立した「SNS Insight Lab.」は、SNSにおけるユーザーのインサイトに関する原理や法則を科学的に解明する研究部門で、一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科の本武陽一准教授を顧問に迎えています。データ(帰納的アプローチ)と理論(演繹的アプローチ)を融合させ、生成AI を活用した SNSマーケティングの進化を目指しています。
 
このたびの実験は、SNSにおけるユーザーインサイト解明の一環として取り組みを進めている、一橋大学社会科学高等研究院 脳科学研究センター(HIAS-BRC)センター長の福田玄明准教授とSNS Insight Lab.との共同研究プロジェクトです。プロジェクトの第一弾として、SNSのショート動画視聴時の脳活動を測定し、ショート動画視聴が脳活動の観点でどのような態度変容を引き起こすのかについての解明を試みました。 
 
 
実験結果:美容商材の動画視聴時に、商品の購入・非購入意向の脳活動の差異を確認
 
■解析概要 
      
本実験では、3テスラMRI装置を用いて、装置内で被験者にSNSのショート動画を視聴させ脳活動を計測しました。SNSのショート動画の影響をより実生活に近しい形で計測するために、装置内で実際のSNS投稿と同じ動画を音声付きで視聴させています。MRIによる撮像に加えて、視聴中の興味喚起時と購入意向上昇時に被験者がボタンを押した反応もデータとして取得しています。 
 
・視聴動画:美容商材に関するショート動画(Instagramリール、TikTokショート動画)
・被験者属性:20~40代女性
 
また、各ショート動画視聴後に動画内で紹介されている商材への購入意向をアンケート形式で聴取し、商品の購入意向に関わる脳活動についての総合的な解析を行いました。
 
 
 ■主な実験結果
 
今回の実験では、ショート動画視聴時に「購入したい」と思った(ボタンを押した)際に、モノを買うという判断に関わる部位であるDLPFC(外側背側前頭前野)、および、IPL(下頭頂小葉)での脳活動確認されました。
 
DLPFCは熟慮や感情制御に関わる部位で、ニューロマーケティングの文脈では、自己制御や衝動抑制に関わる反応が見られる部位です。また、IPLはアテンション(注意)や社会性との関連がある部位で、ニューロマーケティングでもアテンション(注意)、あるいは自己関連付け、比較として用いられます。これらの要素をふまえると、美容商材のSNSのショート動画視聴を通じた購入意向の形成においては、動画内で紹介されている要素を様々に組み合わせて検討した上で意思決定がなされる可能性が読み取れます。
 
また、感情的な判断に関わる脳の部位であるinsula(島皮質)では、買いたい場合・買いたくない場合の両方で賦活が見られました。これは今後の実験による解析が待たれるところである一方で、購入・非購入意向のいずれの場合においても感情の働きが影響していることが推察されるとともに、動画内の視聴材料によって買うべきかどうかの判断の衝動抑制を行おうとしていることも示唆されます。
 
 
 ■一橋大学社会科学高等研究院 脳科学研究センター センター長 福田玄明准教授 コメント
 
第一弾の実験では、美容商材を紹介したSNSのショート動画視聴時の脳活動として、商品を購入したいときにDLPFC、および、IPLに反応が見られ、購入したくないときとの明確な差が見られました。
 
美容商材の実ターゲットとなり得る被験者群に対して、SNSのショート動画を、音声を含めて視聴させながらMRI装置で計測を行うという、実際の生活内の情報接点と近しい形での実験はこれまでにほとんど例がありません。こうした態度変容はマーケティングの実務面では様々なアプローチでの解明が進められていますが、脳活動でのアプローチはまだ見られず、SNSマーケティングが購買に与える影響が脳活動でも明らかになる第一歩だと言えるでしょう。
 
その中で購入・非購入意向の脳活動に有意な差が見られたことは有益な結果であり、今後、購入意向が高い場合の脳活動や、動画の種別、商材の種別などによる差異や共通項の検証など、さまざまな方向での掘り下げの価値を示唆するものです。ひいては、脳活動から見るSNSマーケティング効果のシミュレーションや検証を可能にするモデル構築につなげられる可能性もあり、サイエンス領域でのマーケティングの効果検証手法のひとつとして貢献できると考えています。   

トレンダーズ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:黒川涼子、東証グロース上場:証券コード 6069)が運営する「SNS Insight Lab.」は、このたび、一橋大学社会科学高等研究院 脳科学研究センター(HIAS-BRC) 福田玄明准教授との共同研究として取り組みを進めている、SNSのショート動画視聴による脳活動への影響を解明するプロジェクトより、その第一弾の実験結果を発表いたします。