新コスモス電機 ガス漏えいを可視化する新技術ARレーザーガス可視化装置「Laser Gas Visualizer」を開発しました
ガス漏洩という“見えないリスク”を直感的に把握できる新しい技術が誕生しました。
「世界中のガス事故をなくす」を大目標に掲げる新コスモス電機株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:高橋良典)は、ENEOSグローブ株式会社、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社、株式会社NeoRealXと共同で、ガス漏えいを可視化するARレーザーガス可視化装置「Laser Gas Visualizer」を2026年3月31日に開発しました。
※写真はイメージです
開発の背景
レーザー式ガス検知器
都市ガス、LPガスをはじめ、化学プラント等で取り扱われる様々な可燃性ガス、有毒性ガス、さらには製造に使用する化学物質の蒸気は、日常生活から高度な産業現場に至るまで幅広く利用されています。万一の爆発や中毒などの災害を防ぐため、様々なガス検知器が用いられており、近年ではレーザーを用いた遠隔ガス検知器が実用化されています。ガス漏洩の状況を的確に把握するには、刻一刻と変化する漏洩ガス拡散の様子を計測データから推定することが重要ですが、これまでは熟練検査者の経験や勘に頼る面が大きくありました。 インフラ設備の老朽化や熟練技能者の不足といった社会的課題が顕在化する中、熟練技能者でなくとも効率的にガス漏洩を探索できる、いわゆるスマート保安技術の導入が求められています。特に、ガス会社、プラント運営事業者、インフラ点検業務において、現場作業の効率化と安全性向上が期待されます。
>>製品詳細カタログ
 
レーザー式ガス検知技術
波長可変半導体レーザーを用いた吸収分光法により、光路上のメタンの存在を高感度に検知する技術が実用化されており、同様の技術を他のガスへ展開する取り組みも始まっています。レーザー式ガス検知器は遠隔でガス漏洩を検知できる優れた特性を有しますが、その出力は光路上のガス濃度の積算値であるコラム密度(ppm・m)という数値情報であり、三次元的なガス漏洩分布を直接示すものではありません。
 
開発技術の概要
UIイメージ
 
本技術の本質は、レーザーによる“線の検知情報”を、作業者が直感的に理解できる“空間情報”へ変換する点にあります。
本プロジェクトでは、近年発展の著しいAR(Augmented Reality:拡張現実)技術とレーザー式ガス検知技術を統合し、リアルタイムでガス漏洩を可視化するシステムを開発しました。本システムにより、遠隔検知で得られる「線情報」を検査者が理解しやすい「空間情報」へ変換する検査支援システムを提供します。開発したシステムは、以下のようなステップで動作します。
1.
検査者はレーザー式ガス検知器付きヘルメットを装着します。あらかじめレーザーの照射方向と視線を合わせることで、検査者はハンズフリーで検査対象の方向に視線を向けるだけでガス漏洩検査ができます。これにより、従来は熟練検査者の経験に依存していたガス漏洩の把握を、より直感的かつ再現性のある形で行うことが可能になります。
2.
レーザー式ガス検知器から得られる数値データに基づき、ARグラスを到着した作業者の視野に検査対象と、空間情報として見える化したガスの分布状況(ガス雲)が重ねて表示されます。
3.
作業者の動きはARグラスの加速度センサー等で常時モニターされ、視野が変わってもガス雲の空間的表示位置は維持されます。したがって検査者は、表示されたガス雲のイメージを手掛かりに漏洩箇所の探索を効率的に行うことができます。
 
システム構成
 
本システムはレーザー式ガス検知器とARグラスを連携させ、ガス漏洩をリアルタイムに“見える化”するシステムです。検知された情報は即座に処理され、作業者の視界内にガスの存在が直感的に分かる形で表示されます。これにより、従来は数値と経験に頼っていた漏洩位置の把握を、視覚的に理解できるようになります。
さらに、音声ガイダンスや表示制御により、作業の適正速度や注意点を提示することで、経験の有無に関わらず安全で効率的な点検を支援します。なお、本システムは濃度分布を高精度に三次元再構成する解析装置ではなく、漏洩の存在を早期に把握し、探索および判断を支援する作業支援型システムである点にご留意ください。
今後の計画
新コスモス電機、ENEOSグローブ、東京ガスエンジニアリングソリューションズ、NeoRealXは、フィールドテストを経て、2027年の製品化を目指すとともに、メタンに加えアンモニア等、レーザー式ガス検知で検出可能なガス種への対応も予定しております。
 
新コスモス電機は、今後もパートナー企業と協力し、ARレーザーガス可視化装置「Laser Gas Visualizer」の実用化を通じて、現場作業の安全性と効率性を同時に高める「スマート保安」の普及を目指します。レーザー式ガス検知とARの融合により、熟練者の経験に頼らない直感的かつ再現性の高い漏えい探索を可能にすることで、ガス事故の未然防止と迅速な対応を実現し、社会インフラの安全・安心に貢献してまいります。
 
 
新コスモス電機について
1964年に世界で初めて家庭用ガス警報器を開発して以来、「世界中のガス事故をなくしたい」という想いで家庭用ガス警報器・産業用ガス検知警報器・住宅用火災警報器を手がけてきました。家庭用ガス警報器は国内トップシェアを誇り、今では海外市場へも積極的に展開しています。すべての製品のコアとなるガスセンサ技術を基に、世の中になかった新しい商品を数多く開発しています。
世界最大級のガスセンサ研究開発・製造設備「コスモスセンサセンター」
 
■会社概要
会社名:新コスモス電機株式会社
所在地:大阪市淀川区三津屋中2-5-4
代表者:代表取締役社長 高橋 良典
設立:1960年
事業内容:家庭用ガス警報器、産業用ガス検知警報器、住宅用火災警報器他の開発・製造・販売・メンテナンス
URL:https://www.new-cosmos.co.jp/